10、娯楽2
しかし、私は確実な道を行く。恋愛に興味はないけど家族は欲しいし。
まずは縄跳び。
案の定「こんなの簡単だ」ってドヤ顔されたから、二重跳びをして見せる。むきになる王子。
ふふん、このためにほぼほぼスカートに見えるサルエルパンツを作らせちゃったわよ。
それからフリスビー。
王家では大きなワンコを飼ってるから、一人と一匹でも楽しく遊べる。
もっともご学友もいるし、その子たちがいる時は、私はお淑やかにしてましてよ。
十歳児にチェスはちょっと早かったみたい。
でも、後で「父上と母上に取られた」って嬉しそうにしてたから、それはそれでいいんだろう。
代わりにトランプで、ババ抜きや七並べをば。
それになぜか混ざってくる王妃様。恐れ多い!
いや、偉い人だからというより美の塊みたいな人だから、その迫力に押されるっていうかね。
「勉強のお時間です」って王子が侍従に連れ去られた後、他の遊び方を御所望です。
大人にはポーカーでしょ。
見事にハマるハマる。
それはそれは美しくほくそ笑むから、ついなぜかと尋ねたところ、チェスで負けたからこれで陛下にリベンジするのだそう。
がんばってください。
そろそろお開きという時になって、お礼を言われた。
なんでも近頃の第二王子は勉強をがんばっている上に、毎日楽しそうなのだとか。
「お役に立てたならば幸いです」って無難に返しておいたけど。「いえ、殿下のがんばりあってこそです」とか、もっと謙遜しておいた方がよかったか?
悪くはとられなかったみたいで一安心。
もっとも、立場か変われば人も変わる。
嫁姑問題は永遠のテーマだからなぁ。