1、はじまり
色恋沙汰は苦手だ。
乱高下する感情に振り回されるのは疲れるし、恋愛してる様を人に見られるのも嫌だから。
知人の恋バナは適当に相槌打って聞き流し、有名人の誰と誰がくっ付こうが別れようが興味なかったなぁ。
そんなわけで見合い結婚。
いちおう「まあ、いっか」と思った相手だ。気付けば小言を言ってる毎日だけど情はある。家族愛ってやつね。
おかげさまで子育ても一段落。
一姫二太郎。誰に似たのか、どちらも大して出来はよくないけど、これなら人様に迷惑をかけることもないだろう。
これからは自分の時間が持てるって浮き浮きしてたら、病気が発覚してあっという間に昇天。
気が付いたら金髪碧眼の子供になってた。
はぁぁぁ?
鏡に映るビスクドールみたいな少女の顔をぺたぺた触る。
さっき激しい頭痛と共に混合された記憶によれば、公爵令嬢らしい。
キタ!っていうより、来ちゃったよ……ふんわり設定なファンタジー世界。
なんか魔法もあるっぽいし、これは我が子たちが一時期ハマってた異世界転生というやつでは?
自分ではフラットな性格だと思ってたけど、三日ほど寝込んだ。
短いながらも闘病生活を送りながら、「悲しいけど仕方ないんだ」って死ぬ覚悟はしてたけど、別れる覚悟はできてなかったってこと。
旦那もそうだけど、子供たちに二度と会えないのがショックでショックで。
目が溶けそうになるまで泣いたよ。
でも、こっちにも私のことを心配してくれる人たちがいてね。
両親とは貴族としてのマナーに則った距離感があるけど、侍女とは仲がいいみたい。
確かユリアっていった、十六歳の少女。
こちらでは成人ってことになるらしいけど、私からしたらまだまだ子供だ。
そんな娘さんが一人前に働いてて、何くれとなく私の世話をし、たった三日でやつれるほどに心配してくれるんだもの。
どういう訳かあった続編、イザベラ・スワン・デザイヤノートとしての人生を前向きに生きてみよう。
性懲りもなくまた勢いで書いてしまいました|д゜)
最後までお付き合いいただけましたら幸いです。
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