彼氏と別れたいからクラスの男子に協力してもらい寝取られたフリをしたけれど、その男子の事が気になってしまった
下ネタだらけですので注意。
「もう嫌! 別れる!」
自室のベッドに枕を叩きつけてダイブし、何度も何度も強くベッドを叩きつける。
さっちんこと、宝田 幸恵は限界だった。
「少しばかり顔が良いからって妥協した私が馬鹿だった!」
彼氏が幸恵に求めるのは体、体、そして体。
会う度にホテルに連れ込まれ、デート中も幸恵を抱くことしか考えておらず視線が常にやらしいまま。
外でも遠慮なく体を触り続け、果ては街中ですらサカろうとする。
別の学校の生徒であったから良かったものの、もし同じ学校だったら休み時間のたびに求めて来ただろう。
幸恵を性の対象としか見ておらず、愛してくれない彼氏に辟易していたのだ。
尤も、そうなることはある程度織り込み済みだった。
晴創館中央学園、通称ハレンチ学園に入学したのも乳袋が目立つギャルゲ制服で男を誘惑するためだったのだから。
幸恵は面食いであったため、多少の下心には目を瞑りイケメンを彼氏にしたかった。
ゆえにしばらく我慢していた。
どれだけエロい事を求められても、イケメン彼氏のために応えてあげた。
だが幸恵の心は徐々に擦り減って行く。
自らが望んだイケメン彼氏に抱かれるという幸せな展開のはずなのに辛さしか感じなかった。
ちゃんとデートをしてラブラブ感を味わいたい。
好きだという気持ちを分かりやすく伝えて欲しい。
顔以外でも恋したいと思わせる男であって欲しい。
もちろんこれらの乙女心的な理由も無くは無い。
だが辛かった最大の理由は別にある。
彼氏は致命的なまでに下手だったのだ。
相手は幸恵の体を好き放題した挙句勝手に気持ち良くなるのに幸恵は痛いだけ。
幸恵を気持ち良くしてあげようなんて心遣いは一切ない。
それゆえ、相手がイケメンであろうと耐えられなくなったのだ。
「はぁあ、私もあの色バカ共みたいにラブラブになれる相手を探そうかな」
更に幸恵の心に追い打ちをかけたのが、親友が幼馴染と恋人関係になり毎日のようにバカップルぶりを見せつけてくるところだ。
一方は幸せいっぱいでイチャつきまくるカップル。
一方はイケメンに目が眩み苦痛を感じている体だけの恋人もどき。
止めたくなるのも当然だ。
「でもあいつ、絶対別れようとしないよね」
幸恵の体に夢中になって貪り続けている男が簡単に幸恵を手放すとは思えない。
幸いにも脅しやリベンジポルノに繋がるものは断固として拒否していたのでその心配はない。
だが別れを切り出しても盛大にごねて付きまとうのは目に見えている。
そうなれば次の彼氏を探す障害にしかならない。
「はぁあ、どこかのイケメン王子様が寝取ってくれないかなぁ」
寝取るような王子様だと、また同じ目に合うぞ。
「そうだ、寝取られたことにしちゃえば良いんだ!」
もっと体の相性が良くて素敵な相手を見つけたから別れる。
そう言えば諦めるかもしれない。
幸恵の体目当てで付き合っているような男だ、文句は言えないだろう。
「そうと決まったら、協力してくれる男子を探さないと」
ようやく解決の糸口が見えたことで、幸恵は久しぶりにぐっすりと眠ることが出来た。
――――――――
「はぁ……どうしよ」
意気揚々と登校したものの、すぐに難問にぶち当たってしまった。
自席の机に頬をつけて伏せ、死んだような目になっている。
「誰もいなーい」
今の彼氏以上のイケメンなんて、漏れなく彼女がセットになっているから頼めない。
かといって寝取り王道のチャラい男に声をかけた日には、本当に寝取られてしまいもっと酷い目に合うかもしれない。
寝取られたフリをしてもらうにも、頼れる男子がいなかったのだ。
「どうしたら良いのかしら」
テンションダダ下がりで何もやる気が起きない。
『馬鹿ああああああああ!』
遠くで親友がイチャイチャしている声が聞こえてくるが、苛つくだけなので強制的に意識の外へと追い出した。
お昼を食べた後の眠くなる時間帯。
徐々に睡魔が押し寄せ、視界が狭まってゆく。
そうして意識が闇に落ちる直前。
偶然にもその光景が目に入って来た。
「(何あれ!?)」
それは遠くに座っている男子生徒。
の股間だった。
机に座っているその男子生徒の股間は、遠くから見ても分かる程に制服のズボンを大きく押し上げていたのだ。
「(でかすぎでしょ!)」
制服で押さえつけられてなおあのサイズということは、解き放たれたら一体どれほどのものなのだろうか。
これまで何度も見て触り味わった彼氏のモノとは明らかに格が違う。
ごくり、と生唾を飲み込む。
しかしその雄姿は直ぐに隠されてしまった。
その男子生徒が慌てて手を股間にあて、ブツを太ももの間に挟んだのだ。
その時、はじめて幸恵は股間以外にも意識が向いた。
男子生徒はスマホ片手に慌てていた。
エロ動画を見ていたというよりかは、偶然エロいサイトか何かを見て体が反応しまい焦っているような雰囲気だ。
「(確か、梅田 風月君だったかしら)」
同じクラスの男子だけれどもあまり印象に残っていない。
風月は冴えない顔の陰キャであり、イケメン好きな幸恵の好みとはかけ離れていたから興味が無かったのだ。
「(あれ、でも寝取られるフリなら陰キャでも良いのかも)」
寝取られパターンの王道は『いぇ~い、彼氏クン見てる~?』などと彼氏にビデオを送りつけるチャラ男だが、陰キャによってわからされるのもまた寝取られのパターンとして良くある話だ。
何故幸恵が寝取られに詳しいのかは置いておいて、風月の逞しいアレで堕とされたというシナリオはありかもしれない。
「よし!」
幸恵は直ぐに行動した。
別に実際に風月に抱かれるわけではないのだ。
好みの相手では無いとは言え、堕とされた演技くらいはしても良いだろう。
「ねぇ梅田君。お願いがあるの」
――――――――
「幸恵! 別れるって何だよ!」
「言った通りよ。もうあんたとは付き合えない」
幸恵の想像通り、彼氏に別れを切り出したらハレンチ学園までやってきて、帰宅する幸恵を待ち伏せて詰問して来た。
「何でだよ! 俺達上手く行ってたじゃないか!」
「そう思ってるのはあんただけよ。私はずっと嫌だったんだから」
「嘘だ! この前だって普通に愛し合ってたじゃないか!」
「愛し合ってた? 何言ってるのよ。あんたは私を愛してくれなかったじゃない」
「そんなことはないさ。あんなにも熱い想いをぶつけていただろう?」
「独りよがりの醜い欲望をぶつけただけじゃないの。私があんなに尽くしてあげたのに、あんたは調子に乗って好き勝手し放題。もう耐えられないの!」
校門の近くでの痴話喧嘩。
多くのギャラリーが遠巻きに二人を見ていた。
「悪かったよ。これからは幸恵のことをもっと大切にするからさ。別れるなんて言わないでくれよ」
などと言いながらも、その男は幸恵の乳袋が気になって仕方が無いようだ。
それどころか、周囲の女生徒の乳袋すらもチラチラと見ている。
まったく反省する気配が無い姿に、親友のようにぶん殴りたくなった。
「ダメ。だってもう私はこの人のモノだから」
「は?」
幸恵は傍に居た風月の腕を取り、幸せそうに肩に顔を乗せた。
「お、おいおい。嘘だろ。なんでそんな奴なんかに。あ、分かった! 彼氏のフリをしてもらってるだけだろう。騙されないからな。お前がイケメン好きだって知ってるんだぞ」
だがその演技は直ぐにバレてしまった。
もちろんそれも想定内だ。
「イケメンとかそういうのはもうどうでも良いの。私には風月君がいないとダメなの」
「嘘だ! そんなはずない!」
「嘘じゃないわ。私の身も心も風月君のモノ。あなたはもう用済みなのよ」
「嘘だ!絶対に嘘だ! そんなぱっとしない陰キャ野郎が俺よりも良い訳ないだろうが!」
頑なに嘘だ嘘だと連呼する彼氏クン。
だがギャラリー達も同じことを思っていた。
イケメン君が下心満載で気持ち悪いとはいえ、それでも陰キャの風月を選ぶよりかはマシではないかと。
その勘違いした皆に、幸恵は爆弾を落としてわからせることにした。
「だって風月君はあんたと違って『大きくて』『上手くて』『優しい』んだもん。だから堕とされちゃったの」
ピシリ、と空気が固まった。
イケメン君は硬直し、周囲の女子達が一斉に風月の股間に注目する。
風月はあまりの恥ずかしさで顔が真っ赤になっているが、ここで逃げたら作戦が失敗するだろうからと頑張って耐えてくれていた。
「は、はは……なんだよ、それ」
「分からないならもっとはっきりと言ってあげようか。あんたの粗チ〇じゃ満足できないって言ってるの」
「!?」
彼氏クンとの行為の問題は愛情が無い事だけではなかった。
小さくて下手で乱暴で相性どころでは無く問題外だったのだ。
「ふ、ふざけんなよ! 俺のがそんな陰キャ野郎よりも劣ってるって言うのか!」
「そうよ」
遠目から、しかも制服越しで一度チラりと見ただけなのに、あの凶悪さは目に焼き付いている。
絶対に目の前の男よりも風月の方が立派だろう。
念のため本当に立派な相手を寝取り役にしたがそれは正解だった。
「ちょっと来い!」
「え?」
「乱暴なんかしねーよ。ちょっと確認するだけだ」
彼氏クンは風月を強引に物陰に連れ込み、幸恵の言葉が本当であるか確認したのだ。
幸恵の罵倒が別れる口実でしかないのだと信じたかったのだろう。
だが現実は非情である。
「ちくしょおおおおおおおおおおお!」
彼氏クンは号泣しながら幸恵達の元を去っていった。
これでもう二度と会うことは無いだろう。
「梅田君ありがとう。助かったよ」
多くの女子達に見られ、男に局部を見られ、たまらなく恥ずかしかったに違いない。
助けを求めておいてなんだけれど、流石に申し訳なかった。
「ごめんね、たくさん恥ずかしい想いをさせちゃったよね」
「ううん、気にしないよ。宝田さんの力になれたなら、それで十分です」
「!?」
照れながらも幸恵のことを素直に想ってくれる風月の言葉に幸恵は少しだけドキリとさせられた。
そして、号泣しながら逃げ出す程に男のプライドをズタズタにした風月のブツが一体どれほどのものなのだろうかと想像し、生唾を飲み込んだ。
――――――――
「はぁ……どうしよ」
嫌な男と別れて清々したはずの幸恵だが、悶々とした日々を過ごしていた。
自席の机に頬をつけて伏せ、熱っぽい目になっている。
「忘れられないよ……」
薄目になって思わず見てしまうのは風月の股間だ。
あの立派なモノが自分の体を貫いたのならば、どれほどの快感を得られるのだろうか。
そう思うと体が疼いて仕方が無かったのだ。
「いっそのこと本当に食べて貰おうかな」
どうせ自分はもう清純な乙女なんかでは無い。
それに好みのイケメンでは無いとは言え、冴えないだけで気持ち悪い相手でも無い。
お試しで相性を確認するのも悪くは無いのでは。
「ねぇねぇ、梅田君。ちょっと良い?」
「梅田君の好きな食べ物って何かな。今度作って来てあげようか」
「月末の土曜に一緒に遊びに行かない?」
あの校門前での痴話喧嘩により、風月のアレが凄いという噂が広まってしまった。
そして肉食獣の女子共がそれを狙って仲良くなろうと画策している。
元カレにバレないようにと、念のためまだ幸恵と風月の仮寝取られ関係は続いている。
そのため、まだ風月に直接手を出す女子はいない。
だがそれも来週末には終わらせる話になっている。
その日を過ぎたら気弱で陰キャな風月など簡単に肉食獣共に喰われてしまうだろう。
今だけは幸恵だけが風月に頂かれるチャンスがある。
後出しで寝取ってもらえるチャンスがある。
それを寝取りと呼ぶのかは分からないが。
この機を逃してはならない。
体の疼きがそう言っていた。
その日の放課後。
元カレ対策で幸恵と風月は一緒に帰宅していた。
堕とされていたことが分かるようにと、幸恵は腕を強く組み胸をあててデレデレを演じている。
「ねぇ梅田君」
「な、何かな」
風月は真っ赤になりながらも、寝取り男役を努めようと真面目に努力していた。
その姿と元カレを比較してしまい、好感を抱いてしまう。
「今回は助けてくれてありがとう。だからお礼がしたいんだけど」
「え?」
これまで以上に一際乳袋を強く押し付ける。
「一回だけなら、私のこと好きにして良いよ」
助けてくれたお礼に抱いても良いのだと、破格のプレゼントを渡す。
お礼どころか自らの欲望を満たすための行為なのだが。
「ええええええええ!?」
風月は真っ赤になって驚き、あたふたしている。
こんなところを見られたら寝取り男では無いとバレてしまうだろう。
そのピュアな反応が、幸恵にとって心地良かった。
「そんなのダメだよ!」
しかも風月は誘惑をきっぱりと断った。
「もっと自分を大切にしてよ」
「トゥンク」
性の誘惑を跳ね除けた上に、幸恵のことを心から気遣ってくれた。
元カレからは決して与えられなかった優しさ。
男はイケメンが一番で性格は二の次だと考えていた幸恵だったが、元カレのせいで愛に飢えてしまっていたのか、ピュアで紳士な風月の態度に盛大に胸をときめかせることになってしまった。
「そ、そうだね。ごめんなさい」
なんて言いながらも、視線は風月の股間に向けられている。
必死で我慢しているのだろうが、少しばかり盛り上がっている。
幸恵の体の疼きがより強くなり、最終手段を行使すると決めた。
「話は変わるけど、今日は寄りたいところがあるんだけどついてきてくれる?」
「もちろんだよ」
「ちょっと待って! ダメって言ったでしょ!」
「ここまで来て往生際が悪いわよ!」
「だって僕らは本当はただのクラスメイトじゃない。こんなのおかしいよ」
「もうフリとかそんなのどうだって良いの!」
「なんで!?」
幸恵がとった手段は直接的なものだった。
ホテルに連れ込んじゃえ。
「いただきま~す!」
「なんでええええええええ!?」
哀れ陰キャ君は助けた肉食獣に喰われ…………撃退したのであった。
「こんなの知ったらもう戻れない!」
私立晴創館中央学園高等部。
やはりこの学校に通いたいと思う女の子は普通では無かった。
エロティックな表現は書いてないからセーフですよね!