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人として生きられない精霊の話  作者: 無気力
精霊樹と周囲
10/15

幻獣と成樹

クーレゥには鱗を何枚か貰う事で話がついた。

「だって、行かなそうだったから」

「そうだけど。精霊樹が有るし」


「そう言えば、今有る精霊樹はドラゴンが守ってるけどここは良いんだね」

「別に良い。僕が守り切れなかったらソレはソレだから」

「いや、精霊樹が増える事は悪い事じゃないし、滅多な事では折り倒される事も無いのだけどね。ドラゴンには精霊自身が付いてる事を周知しておくけど、馬鹿が来たら遠慮無く殺っちゃって良いよ」

「え~。ドラゴンは無理」

強いわ。


「あはは。本気の精霊と勝負になるわけ無いじゃないか。どうせ中級竜以下の小物しか来ないよ」

「来るんだ」

本気の精霊ねぇ。


「きちんと知識が有れば本来は小精霊だって、中級竜を殺せると思う。上級精霊(ニホ)程成長した精霊ならなおさらね。精霊は世界(魔素)を操るんだよ?」

「そんなものか。でも、精霊樹を攻撃してくる訳じゃないなら別に良いかな。(精神的にも)落ち着きたいだけだし、僕が攻撃される位なら逃げる」

「ニホだってそうでしょ。だから本気になる精霊は少ないんだ」

なるほど。


クーレゥは色々話して飛んでいった。













100年。

クーレゥの紹介だとかで、5種の幻獣がやって来た。

蜂。ミミズ。馬。馬。カラス。


幻獣と言っても様々で、ユニコーンとペガサスは別種の馬の幻獣だ。

元々、植物や魔物が増えてきた所だったのだが、幻獣が居ると言う事は森と化した精霊樹の周辺の安定化につながった。


5種は上手く住み分けも出来たようで、しかも時に協力して暮らした。

クーレゥにどんな繋がりが有るのか知らないが。


蜂の幻獣は、巣立ち後新しい縄張りを作る時に紹介されたらしい。始めは女王一体だったが働き蜂が増えてきた。


ミミズ、カラスの幻獣も似たようなモノで、縄張りでの数が増えすぎた所を紹介。それぞれ30体前後が移住?してきた。


ユニコーンとペガサスは、夫婦だった。当然、それぞれの種に反対されての交際。因みに、異種同士の子は両方の性質を受け継いで生まれるが、その子に繁殖能力はない。


「器を変える?」

妖精になれば、精霊結晶の身体に入れば夫婦の子は繁殖能力を得る。子から生まれるのはユニコーンかペガサスになるが。


『……いえ、子は作る予定はありません』

『私達の都合で子に辛い思いをさせる訳にはいきませんから』

馬の幻獣夫婦はそう言った。



ハニーワスプ(蜂の幻獣)は蜜を創る能力の有る、形はスズメバチである。大きさは女王で1m級。働き蜂(1cm~50cm)もよく魔物を肉団子にしている所を見るし、猛毒を出せる。

そしてたまに蜂蜜を貰う。原材料……?


ジュエルワーム(ミミズの幻獣)はうん。大きなミミズである。全長5~6m。土の分解、或いは土中の魔物の消化、そして宝石を生む。宝石……。


ミラークロウ(カラスの幻獣)は3つ脚の1,5m程のカラスだ。一度見た攻撃、魔法を半分の威力で撃った相手に返す。見れば良い上、素早いのでだいたい攻撃する側だけが消耗する。カラスの攻撃は基本上空からの魔法。

よく、蜂と連携をとったり、ミミズと物々交換したりしている。ヒカリモノが好き。




僕が良く話をするのはユニコーン、ペガサス夫妻だ。僕も彼らから見えるよう魔法()で姿を現す。

彼らは僕と幻獣達の伝令役をかってくれている。完全に植物食動物であることも一因である。尚、ここの幻獣の中では単体で最も強い。


そして、これだけ。特に厄介な蜂とカラスの幻獣が居る事でドラゴンが手を出してくる事もほとんど無かった。5回程、下級竜がカラス達の腹に消えた事も有った気がする。



僕は時に蜜を舐め、宝石を飾ったりして理想的な日々を過ごした。勿論、森の整備を請け負った対価だ。


精霊樹はいよいよ大きくなり、気持ちの良い木陰を作り出す。付近には泉が在りユニコーンとペガサスが佇む。泉はユニコーンが水魔法で作り、好みの草を育てているらしい。たまにカラス達も水を飲みに来る。








ふっと、精霊樹の気配が変わった。



「えっ!?ここ何処?」

「荒野のド真ん中」

「あ、ニホじゃん。久しぶり。荒野?え?ニホが作ったの?」

「うん。僕が作った。だからあんまり騒がしくしないで、フィース」

「へぇ~……。あ、私契約してるニンゲンの所の(ペット)が居るから、じゃあね!」

フィース、スラットした白猫に猫の毛で出来たような羽の生えた精霊が便利便利~と呟きながら飛んでいった。


フィースは前世鳥だったらしい。死因は猫。

結構長生き(万年単位)の精霊らしい。が、やっぱりよく身体を壊されるらしい。猫に。

実に精霊らしい精霊と幻獣に評判だ。アレと同じにされるのは微妙なのだが。



『いえ、ニホさんも十分精霊らしいと思います。その興味無いモノには動かない姿とか』

『興味有るモノには行動力を発揮する所ですかね。私達もこちらに来てから随分と毛艶が良くなりました』

「……」

うっすら金を纏った角を持つ純白の馬に、白い猛禽の翼を持つ純白の馬。

この生き物が薄汚れていたらガッカリすると思う。


硬質的にも見える黒銀の艶やかなカラスに、黄金の蜂。ミミズは……まあ、ずっと土の中に居るから。

総じて幻獣とは美しいモノなのだ。



まあ、とにかく。精霊樹は成樹に至りやがて精霊が増え始めた。

多様な生き方をする人。精霊樹が人里の近くに出来て、都市は精霊の人気スポットになりつつあった。

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