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大学生編

ゲームオーバーかと思いきやまだ終わっていなかった。

ゲームの時間が進み今度はミキヨシは大学生になっていた。

「高校編が丸々飛んだのか…」

大学編で出た選択肢と紙に書かれている選択肢を照らし合わせて解った。

流石に2回も物語が飛んでしまうとバグとしか思えない。

「飛ぶ原因は一体なんだろう?1回目は川に流され、2回目は車に轢かれた。」

2つを結びつける事柄は簡単に解った。

「事故関係のイベントで失敗すると物語が飛ぶって事でいいんだろうか?」

紙を見てこの先何か事故イベントが起こるか探す。

「大学4年生の時にまた事故イベントがあるな。もう一度試してみるか」

俺の中でこの飛ぶ原因について調べてみたいという衝動が生まれた。

ミキヨシは今大学2年生。

事故イベントが起こるのは4年生の夏のようだ。

中学編の時は2年進むのに大体2時間ほどかかった事を考えると2時間ちょっとだろう。

話は選択肢以外のほとんどを飛ばす事にした。



ミキヨシはどうやら高校時代にその足の速さからプロの陸上選手としてスカウトされていたらしい。

プロになるかどうかは選択できたみたいだけれどこのバグでは大学生を選択したようだ。

また、同時期に海外の大学に進学するかどうかも選択できた。

ここまで紙に書かれた選択肢通りになっているとどういう基準で選択しているのか気になる。

「所々で固定ルートに入る設定になってたりするんだろうか?」

俺はゲームを作るための知識はまったく無いのでいくら考えても解らないだろうけど気になる。

後で森崎さんに聞いてみよう。

5月の教授に呼ばれるイベントが起こった。

<9ガツからカイガイにリュウガクしにイッてみないか?>

[イク]、[イカナイ]、[カンガエル]

ここの選択肢は[イカナイ]だ。

教授はもう2回同じ質問をしてきたが何度聞いても答えは変わらない。

合計3回の質問を全て断り部屋を後にする。



<サークルカツドウをしますか?>と出てきた。

ミキヨシはどうやら何かのサークルに入っているようだった。

ここの選択肢は紙に書かれていなかったから行っても行かなくてもいいようだ。

「先を進みたいけど一応何のサークルに入ったかだけは確認しておくか」

サークル活動をしに行く事にした。

大学から場面が変わり田舎っぽい所になった。

「サークル活動って現地集合なのか?」

<ミキヨシクンよくキタねぇ〜>

身なりの良いおじさんが話しかけてきた。

「このおじさんが大学生?」

<おじさんキョウはイイシャシントレてる?>

<キョウはときたか。これなんかどうだい?>

おじさんはデジカメで撮った写真をミキヨシに見せる。

<けっこういいんじゃないかな>

ミキヨシとおじさんは写真について話し合う仲らしい。

<ミキヨシクンにアドバイスしてモラッテからグングンウマクナッタよ>

<おじさんのノミコミがヨカッタからですよ>

「このおじさんと2人で写真部って事なのか?」

<コンドのニチヨウビまたミンナでシャシントリにイカナイカ?>

<どうしますか?>

[イク]、[イカナイ]

紙に書かれていない選択肢がまた出てきた。

「このイベントに関わりすぎて最後に影響出たら困るな」

俺は[イカナイ]を選択した。

<そうかい。ザンネンだなあ、ミキヨシクンがクルとミンナヨロコブのに…>

おじさんは本当に残念そうだったけれど、紙に書かれていない事をこれ以上するわけにはいかない。

その後世間話をしてミキヨシはその場を去った。



それから特に大きなイベントは起こらずただ時間が経過していった。

そしてついにミキヨシは大学4年生になった。

ミキヨシは今、以前カメラを教えていたおじさんの紹介で議員事務所の手伝いをしていた。

そうする様に紙に書かれていたからだ。

「世界の王になるためには世界に認識されてなきゃいけないよな。政治家とかになって海外に名を売ったりするようになるんだろうか?」

大学編の選択肢の部分を流し見しても海外で名を売るような選択肢は見つからなかった。

因みにミキヨシは4年生になってもまだ内定を貰えていなかった。

俺がそうなるように面接などを一切しないようにしてきたせいなのだけけれど・・・。

普通の学生ならば焦っているはずだけれど、ミキヨシの場合自分が動かなくても様々な業界から声がかかってきて引く手あまた状態だったため本人は全く焦っている様子は無かった。

そんなミキヨシが自分の将来を決める事になったのは夏。

事故イベントが起こる季節と同じ時期だった。

手伝いをしていた事務所の議員がミキヨシの経歴に目を付けた事が始まりだった。

<キミ、ワタシとアイサツマワリをしにイッテくれないか?>

[イク]、[イカナイ]

ここでは[イク]を選択する。

それから大学の無い日はほとんどこの議員と挨拶回りするようになった。

この挨拶回りの中で議員よりもミキヨシの方を気に入った人が大勢増えた。

ミキヨシは中学時代から色々とテレビなどで取り沙汰されて、名前を聞けばほとんどの人が噂の青年かと言って相手の方から色々とよくしてくれる。

ミキヨシが人気者になると議員の所属している党の党首から将来我が党から立候補してくれないかという話を直々に持ち掛けられた。

この出来事でミキヨシは議員という職業を強く意識するようになった。



ミキヨシは将来を決めその道へと踏み出そうとしていた。

そんなる日、イベントが起きた。

そのイベントは待ちに待った事故イベントだ。

それはとても暑く、蜃気楼が見えるような日の出来事だった。

いつもの様にミキヨシが議員事務所に向う途中の出来事。

あまりの暑さにボーっとしながら信号を待っていたミキヨシの方へ熱中症で意識を失った運転手の乗る車が近づいてきたのだ。

<クルマからニゲロ!!>と見慣れた指令が出てきた。

普通なら車から逃げるのだろう。

けれど俺はそんな事をしようとは思わなかった。

バグの発生条件が何なのかを確かめたかったから。

ミニゲームが始まるとミキヨシはフラフラと遅いスピードで車から逃げようとした。

このミニゲームは連打で逃げる速度を早くするゲームだったらしい。

ミキヨシと車の距離がどんどん縮まっていく。

そしてミキヨシは車に轢かれ、画面が暗くなった。


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