女神との出会い
「アトラさんはもう一度人生をやり直す事が出来ます。」
「ですよね。」
俺は死んでしまったというショックはあったが自分がもう一度人生をやり直す事が出来る事を知っていたので冷静だった。
だか、死んでしまう寸前のラックの事が気になってしょうがなかった。
そしてあの言葉も。目の前の美少女が口を開く。
「アトラさん、私はあなたのせいでとても苦労しました。何をしたかあなたは覚えていらっしゃいますか?」
「いや、全く心当たりがないんですけど……」
「嘘、ですよね?」
「嘘、じゃないです。」
「あんなことを願っておいて心当たりがないなんて言わせませんよ。だってあのとき言ったじゃないですか。」
「えっ?本当に心当たりが無いですって。」
ここで俺は転生する前のことを頑張って思い出す。
過去
『あなたは死んでしまいました。ですが、ご安心下さい。あなたの記憶はそのままで異世界へと転生させます。』
『ちょっと待って下さい。いきなり死んだとか言われても頭の整理が追いつかないですし、異世界に転生なんてことも言われると……』
『ですがいいんですか?記憶を初期化し、またイチから元の世界で人生を始めるのですよ?』
『だからそんなに速く話を進められても追いついていけませんよ。』
『分かりました。この内容をあなたの頭の中に入れるので黙っていてください。』
その瞬間に頭の中にさっきまで話していた内容が降ってきたような気がした。
『すごい……頭の中に内容が入って来た。』
『そのようなことはどうでもいいのです。次の話に移ります。』
『待って下さい。ん?昨日は忙しくてシャワー出来ていないかな?アトラさんに汗臭いと思われてないでしょうか……って?』
目の前の美少女はポカンのした表情をした後に自分がやってしまったことの恥ずかしさがわかったのか顔を手で隠し小声で
『間違えてしまいました。あなたが話について来ないからです。』
『あの…なんか……ごめんなさい。』
『本当ですよ!わざわざ声に出さなくてもいいのに。』
『話の続きを早くしましょ!うん、しましょう!』
『そうですね。さっき私が言おうとしていたことは異世界へと転生する際に願い事を叶えましょう。
ただし、元の世界に記憶を初期化せずに戻りたいというのは禁止です。』
『話を一旦 整理します。俺は死んでしまった。だが、記憶はそのままで異世界へと転生することが出来る。
その際に願い事を叶えられる、ということですね。』
俺は死んでしまったという現実を受けきれていないが転生出来ることの喜びや期待が大きかった。
この願い事とは今後の異世界生活に大きく関わることだと分かった。
よくあるのは勇者にしてくれ、自分のみが使用できる剣が欲しい、チート的存在になりたい。俺は昔から人と同じになることをあまり好んでいなかったから少しズレたことを叶えたい。
そこで思いついたと同時に口に出した。
『異世界で殺されてしまった場合自分が好きなタイミングに戻る。その時に殺されてしまう前に持っていた持ち物の中で一つだけ戻った後も自分の所持品として存在していてほしい。』
このときは不意に口に出していた為このことについてじっくりとは考えていなかったことに今 感謝している。
『随分と長い願い事でしたが、叶えてあげましょう。では、異世界転生を楽しんで下さい!』
『いやまだ細かいことを教えてもらってないけど〜。』
俺の下に魔法陣が現れ、光に灯される。体が宙に浮かび目の前が一瞬にして明るくなる。




