不安な男
あるところにいつも不安な男の子Aがいました。A君はいろんなことを不安に思って毎日が憂鬱な日々でした。そんな時一人の陽気な老人にであいました。
今日はそんな話です。
A君「あ〜!今日もいろんなことが不安で何も手につかない!あのダムが決壊して村に水が流れ込んでくるかもしれない、隕石が落ちてきて村がなくなるかもしれない、蛇に噛まれて死んでしまうかもしれない、」
そうやって今日もA君は不安と闘っていました。
老人「やあ、A君、君は何が不安なんだね??」
A君「なにって、世の中のこと全部ですよ!!雷が落ちて明日死ぬかもしれない、寝ている間に誰かに殺されるかもしれない、地震が起きて潰されて死ぬかもしれない、そういった数え切れないほどの不安と僕は毎日たたかっているんですよ!」
その話を聞いて老人が「なるほど、そうかそうか」と頷き少しの間をあけて話始めました。
老人「いいかい?たしかに君が思っている不安は実際に起きないとは限らない、したがって君の不安は一生おさまらない。しかし、君が頭であれこれ不安なことを熱心に考えても実際にその不安に思っていることが起きた場合君はその状況に抗う術なくのまれるだろう。」
老人は続けた。
老人「どうせ状況なんておきてからじゃないとわからない、蛇にかまれた場合だってすぐ近くに医者がいればたすかるし、その蛇に毒がなかったら大丈夫じゃないか。未来は誰にもわからない。僕たちはそういう不確実な世界でいきているんだ。
だから、君が不安に思うことは仕方ないかもしれない、でも、不安に思ったとしてもその出来事が起こらなければそれについて考えた時間は無意味じゃ。もっと今を生きなさい。」
こうしてA君は不安から解放された。
めでたしめでたし。