別れ。
ものすごい勢いで廊下を走り抜け、3年5組の教室の前へとたどり着く。荒らげた息を整え、何事もなかったような素振りで、毎日開けていた木のドアを今日も思い切り開ける。
「今日も遅刻ですか……! いつも早く来いって言ってるのに……。」
毎日のように遅刻している自分に、いつも聞かされているお説教を今日も聞かされる。しかし、その文句に自分はいつも、決まった文で先生に返す。
『いつも言ってるだろ! 明日の分来てるから遅刻じゃねーの!』
このセリフを、今日も言うはずだった。だけど、言葉に詰まって言えなかった。
視界がボヤけ、唇は唐突にしょっぱくなり、先生の声が震えていた事にたった今気がつく。
明日が来ないことを改めて実感する。
制服の胸にコサージュを付けたクラスメイト達は号泣し、遅刻を咎める人はクラスには居なかった。
僕も高校を卒業しました。色々あって小説書いていませんでしたが、自分のペースでまた書きたいと思います。
死んでないよ。という報告も兼ねてこれを書きました。