歩幅
私は一歩一歩、踏み出すことの出来る距離が短い
それは物理的にも、精神的にも。
小柄で小心者な私
現実での歩みも大きいものではないけど
恋の歩みで言うのなら、それこそもっと大きいものではない
臆病者で一歩踏み出すことすら辛いのに、
ましてやその一歩の幅など高が知れたものになってしまう
本当は貴方にこんなにも近付きたいと思っているのに
日常では、頑張れば貴方と歩を共にすることは出来るけれど
それは本当に額面通りの意味だけで
その額面通りの意味を達成するためにも、
歩幅の短い私は速足で歩かないといけない時があるのに
ましてや本当に貴方の隣に寄り添って歩けている訳ではない
それが辛いほどに自覚させられる
今も貴方との距離は開いていくばかり
だけど、きっと貴方は振り返らない
後ろを振り返って見える過ぎ去った光景よりも、
新しい何かを求め、挑戦するのが好きな貴方だから
でも自分の恋の事なのに、他者本位の状態で、
貴方が私のことを振り返ってくれる日を待つだけでは
そんなままじゃ駄目だって分かってるから
いつ追いつけるかなんて分からないけど
そして、そもそも追いつけるかどうかすらも分からないけれども
――今日も私は速足で歩き続ける