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If you do do?

作者: 南 春輝

twitterで垂れ流したものの編集版です。

pixivにも上げさせていただこうかと思ってます。

お前は俺のことが好きだと言った。

だけど、それは一時の迷いだ。こんな俺なんて誰も好きになってくれるはずがない。

自分でさえ好きでないのだから。他人のことを汚いと言っておきながら、一番汚いのは俺の心だ。一生かけても浄化できないくらいに俺の心は汚れている。




いつからかはよく覚えていない。数年前から願望と言うわけでもないが漠然と自殺を考えるようになった。いや、死ぬことは怖いし死にたいわけでもない。ただ、刃物を持ったり高い場所にいると、どうしても死ぬことについて考えてしまうのだ。

そういう気分になると大抵、「そうか。俺は汚れていてきっと誰にも必要とされていないんだ」と考える。なぜそう考え始めたのか。




それはきっと、愛していた彼女を亡くした時からだ。本当に甘く愛し合った。まだ世間を知らない子供であったが、大人の真似事なんかもしたり酸いも甘いも全て共有した。


彼女と付き合っていた頃の親友に彼女を寝取られる前までは。


その一部始終を目撃してしまった俺はもう二人とは顔を合わせられず、逃げるようにして関係を絶った。それくらいからだったはずだ。


急に俺の目の前に神様が現れて「お前なんて端からいない。ただ惰性で生きろ」と言われた気がした。




勿論、俺はお前からのアプローチに応えるつもりはない。恋愛はもうできないのだ。心に傷を負うくらいなら、大切な日々に鍵をかけて大切にしまって。記憶に残らぬように。




俺を綺麗だと言ったお前には、俺のことがどう見えている?お前は、俺のことを全て見透かす眼で見て「眼に秘めた影が美しい、全てを飲み込む研ぎ澄まされた黒」と表現した。生憎のところ俺はその様な崇高なものではない。汚い豚が良いところだ。


そんな俺がどんなことをしたって、俺がしがみつく記憶に意味なんてないのに。




皆が俺を愛そうが、未来に永久に残るわけではない。俺が欲しいのは、許してくれる掌だけなのだから。

ああそうか、俺は悲しいのか毎日。




急に、お前が俺を抱き締めた。無言で、ただ、慈しむように。

不意に涙が出た。今まで溜め続けてきたものは一度決壊するとなかなか収まらないらしい。


無意識のうちに、「嫌だ」と声が出た。そうだ、嫌なのだ。優しくされて生殺しにされて。その優しさがまた、俺を傷付ける。

ああ、もうどうにでもなれだ。全部無くなれ。自暴自棄なった俺はお前の顔を見上げて言った。


「●●●●●●?」


お前は泣きそうな眼で俺を見た。


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