ゆうひ
「ねえココ、私たちの心の中に変わらないものがあるとしたら、なにかな! 」
私は思い立って、縁側で一緒に日向ぼっこする三毛猫のココに声をかける。
お前みたいなやつが何諭そうとしてんだ
とでも言うように、すっごい怪訝な顔をされた。
「私たちの身体でさえ、皮膚は代謝で入れ替わっちゃう。
髪の毛も爪も、肉眼ではわからないけど、ちょっとずつ伸びてる。
だったら、私たちの変わらないものって、何かなって思ったんだ。」
ほほう、面白いことを考える。でも、今のお前には必要な情報ではないだろ?
と、ヒゲとミミをピクピク動かす。
でも、だって私は真剣に考えてるんだもん……。
「ココ〜、なんだと思う〜? 」
俺はそういう風に考えたことがないからなぁ……。
と、呑気に昼下がりの金の太陽を見る。
白い毛もヤマブキイロだっけ? に染まってて、なんだか不思議な感じ。
昼下がり……って、もう夕方かぁ……。
「みんな顔が染まってるよ! 夕陽に! 」
ふぅん、そうか。まあ俺には関係ないことだな。
と、そっぽを向く。
「今日は空が綺麗だねぇ……。こうやって太陽みたいなものはずっとなくならないんだろうな。ずっと中心にあって輝いてるものは。」
哲学か?
と左目をウィンクしてこちらを向く。
「なんかね、なんか、うん、思っちゃった!」
そうか……。
と、夕陽に顔を向けた。
知ってるか?このお天道様にも、寿命ってのがあるらしい。
でも、お天道様がある限り、輝き続けるんだ。
って、目を細めながらニャオと鳴く。
「うん、うん!
そうなのかもね!」
私の中の太陽は、それは、きっと、私の中輝き続けるのかもな。
きっと、変わらずに。