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妹と彼女-ケツイ-
彼女は
妹にそっくりなのだ。
彼女は施設にいた。
親を亡くし
記憶を無くし
ひとりになった彼女を
僕が引き取った。
僕も
ひとりだったから――。
妹が殺される瞬間
どんな表情をしたのか、
ときどき気になってしまう。
どんなに怯え
どんなに素敵な目を
していたのだろうか――?
そんな素朴な疑問を
知りたいと、
その表情を見てみたいと、
それを見た快感に溺れたいと、
そんな欲求に
耐えられなくなった僕は
決心した。
彼女を殺し、
彼女の目に
妹を探す決心だった。