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ちょっとありそうな恋の唄  作者: 祥眞 遊汰
4/10

いつか届かなくなるなら


少しBL気味です。

お気をつけください

ありがとうって君に伝えたら、


「なにいきなり、気持ち悪っ」


って怪訝そうな顔されたっけ?

酷いよね。僕、本気だったのにさ。

あの言葉もその言葉も、全部全部本気だったのに。


「ねぇ、好きだよ」


そういってギュッと後ろから抱きつけば、遠慮がちに僕の腕に触れる君の手。

僕より仄かに温かい君の手が、なんだか心地よくて。


「好きだよ」

「…なに、さっきから」

「愛してる」


嘘じゃない。

僕はずっとずっと愛してる。


「やめろよ」

「なんで?」

「…なんか」

「んー?」

「なんか、一生の別れみたいだろ」

「えー」

「だってお前、戦争に行く前の兵士みたいな顔してんぞ」

「…っはは。なにそれ。どんな顔だよ」


僕は笑うと、君は不機嫌そうにそっぽを向いた。

ほんとはね、ちょっと図星で焦っちゃった。

バレたらどうしようって僕だって結構必死だったんだよ?

今いうのもズルいんだけどさ。


「可愛いなぁ」

「…どうせ馬鹿にしてるんだろ」

「してないよ、してない。ほんとに可愛いって思ったんだ。ほんとに好きって思ったんだ。ほんとに、ほんとに…」


伝えたいこと、沢山あるのに…沢山ありすぎて伝えられないみたい。

君と居て感じた幸せは、僕の中に溢れているのに。

君を見ると伝えられなくて…。

ギュッと抱きしめる力をもう一度強めれば、不思議そうに僕の顔を覗き込む君の顔。


「なんかあった?」

「なんにもないよ」

「ほんとに?」

「ほんとに」


納得いかなそうに君は僕を見て少しした後、満面の笑みで言ってくれた。


「何かあったら言えよ?俺だってお前が好きなんだから。お前の力になりてーし。先に逝かれたら悲しいからな。俺、泣いちゃうからな!俺より先に逝ったりしないよな…?」


どんどん君の顔が曇って、最後の言葉はかすかに震えていた。

君の言葉が僕の心に刺さって痛い。

ごめんね、君のその問いには答えられないや。

答えの変わりに君の不安そうな顔にそっと口づけて、もう一度君を抱きしめた。

忘れないように。

君の温もりを、その笑顔を。


「お前さ、猫みたいだからさ」

「そ?」

「気まぐれで気分屋で…」

「んー、そうかもね」

「だから俺さ、怖いんだよね」

「なにが?」

「猫って誰にも見られないように死ぬっていうだろ?だからお前もそうなっちゃうんじゃないかなーって」

「そっか」

「なぁ、我侭いってもいい?」


珍しく君が甘えるように僕に抱きついて上目で僕を見る。

もしかしてあの時、君は気づいてたのかな?

ま、僕には分からないんだけどね。

今になっては君に真相を聞くこともできないし。

でもあのときの僕は、君に幸せをあげたかった。

今だって君の幸せを願っているけど。


「僕にかなえられることならなんでもどうぞ」


僕は沢山君から幸せを貰った。

だから、それ以上の幸せを僕から君にあげたかったんだ。


「先に死ぬなとは言わないから…だから、だから…死ぬ前に消えないで?」


嗚呼、ズルいなぁ。

そんなの…


「ねぇ」

「なに?」

「愛してるよ」

「答えになってな…」

「好きだよ」

「…やめ、ろ」

「ずっとずっと僕は君を想ってる」

「…聞きたくない」

「ちゃんと聞いて?僕は君が好き。これから先もずっとずっと」

「…」

「ありがとう」

「…」

「僕、幸せだったよ」


君に出逢えて、

君を好きになれて、

君に愛されて、

君を愛せて。


「君を世界で一番想ってる」


ずっと、ずっと。

君から僕が消えても。

僕が君の思い出になっても。

ずっと、ずっと。







「泣かないでよ」

「…ほんっとズルいよな、お前」

「全部ほんとのことだよ?」

「ばーか」



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