虚勢
カーテンを引けば
水色の空が
窓を開け放てば
ほがらかな鳥の声が
一目散に
飛び込んできて
慌てて
両腕を広げ
抱きとめようとしたところで
なすすべもなく
すぐさま世界に
のみ込まれてしまうというのに
このからだは
つとめて平然と
振る舞いたがる
大きく伸びをしたり
空を見上げ
鳥のさえずりに
耳をすませたりしながら
けれど
ゆるゆると
あくびをひとつ
する時だけは
奥歯がのぞくまで
口をあけ
目一杯 風を肺に吸い込んで
これ見よがしに
平らげてみせたりも する