表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

あの日から

作者: 夜毱

川上桃那かわかみももな森崎湊もりさきみなとの恋物語。二人の恋のキューピートとは!?甘ずっぱいお話しです。


side桃那


私、川上桃那!青春が目標の中学2年生。金星学院に通ってます!ところで、今私には、悩みがあります、それはズバリ、『イケメンがいない』彼氏ができて、手なんか繋いで…

って考えてたのに!相手がいない。いなすぎる。訴えてやりたいぐらいいない。

小学校と中学一年生合わせて告白された回数は15回、顔はいい方?だと思う。でも、

私なんかよりかわいい子はたぁ〜くさんいる。なんで私なんだろって何回も思った。

いつものように休み時間になり、1組に

ダッシュ!

芽色(めい)ちゃん、真緒」

(通学路が似てる仲良し3人組なんだー!芽色ちゃんがあわてて口を開く

「あのね、あのね!…」

って芽色ちゃんがもったいぶって言葉を

続ける、

「イケメンがいたぁ〜!ねぇ真緒ちゃん」

真緒が大きく頷く。

(えっ念願のイケメン!神様がついに私たちに味方してくれた!)

ルンルンの気分で1組を後にした。

午後からの授業全く身が入らない。

(どんな子だろう?優しいのかな?)とにかく期待で胸が熱くなる。(私より身長高いかなぁ?)私は、小学校の時から背が高くって、だいたいの男子を見下ろしてしまうんだ。私はそれが結構、苦痛。お願い、私より背が高くあって!いつのまにか終礼までもが終わっていて、慌ててバックに荷物を詰め込む。イケメントークを早く聞きたくて、集合場所の昇降口に向かって全力疾走、途中で

「こらぁ〜川上走らない」

と大きな声で注意されてしまった。

(うぅ〜恥ずかしい、)

思わず顔から耳にかけてが真っ赤になる。

でも、注意されても私の足は止まらない、

昇降口目指してダッシュ、さっきより

スピード速いかも……、急いでローファーに履き替えて、芽色ちゃんと真緒のところに飛び込んだ。

「桃那、飛ばし過ぎぃ!、下道先生に注意されてたじゃん!」

ちょっと呆れ顔の芽色ちゃんが言う、

「まっしかたないよぉ、イケメン絡みなんだから、」

とまんざらでもなさそうに真緒が言う。

「イケメントークと聞いてこの乙女桃那様が走って来ない訳ないでしょぉ〜」

と自信満々に言った、それから3人で同時に

『ぷっ』

って吹き出して、笑いあった。

「で、乙女桃那さんが気になってるイケメン情報について発表したいと思いまぁす」

ってニコニコしながら真緒が言った、

「ちょっと真緒、その呼び方やめてぇ〜」

って慌て言ったけど真緒はスルー

(絶対聞こえてたはずなのにぃ〜)

「乙女桃那!いいねぇ〜」

(芽色ちゃんまで‼︎)

「名前は、森崎 湊」

(み、湊、カッコヨ!)

思わず顔がほころぶ。

(あぁ絶対ニヤニヤしてるだろうなぁ〜)

「おぉ早速桃那ちゃんが食いついてるよ」

芽色ちゃんがニヤニヤ、

「だってぇ、湊って名前カッコヨ過ぎない?」

皆んな大きく何回も頷いた。

「でねぇ〜、ここポイント桃那より背が高いって‼︎」

ズッキューン

「ちょい、ちょい、いっ今な、なんて言った?」

(私より背が高いってほんとに言った?)

「だ、か、ら、桃那より背が高いって言ったの‼︎」

(幻聴じゃないよね!やったー!)

「えっ桃那より背が高い!ヤバッ!」

「本当?本当に本当????」

しつこいって分かってるけどたまらず聞いてしまう。

「ほんとだよぉ〜」

って芽色ちゃんが笑った。その笑顔で確信した、背が高いんだって、

イケメントークがずっと続いて、私の頭の中ピンク‼︎あぁ〜ヤバい、森崎君の情報を

聞くたびに、可愛いだとか、王子様だとか

わいわい言って盛り上がった。

気がついたらいつも芽色ちゃんとお別れする交差点まで来てしまっていた。

(残念、もっと聞きたかったなぁ〜)

「桃那、そんな残念な顔しないで!

最高のイケメントークを私がしてあげるから」

真緒のその言葉に、上機嫌になる私。

「いいなぁ〜、真緒ちゃんのイケメントーク聞いてて、すごいドキドキするんだもん!」

って羨ましそうに、芽色ちゃんがつぶやいた。

芽色ちゃんの言葉に私はふかぁ〜く頷く

事実、たいした恋愛トークでは、私をドキッとさせる事はできない。でも、真緒の恋愛トークには必ずドキッとしてしまうのだ。

「そりゃ恋愛小説読みまくってるんだから

当然よ!」

って真緒がやんわりと笑った。

「じゃ、また明日ね!」

『また明日!』

って、芽色ちゃんに別れを告げて、駅に向かって歩き出す、

「あっ、後1分で快速来るよ、急がないと

間にあわないよぉ〜桃那」

真緒がいきなり走り出した。

(えぇっ、走るのかぁ〜)

しかたなく走った。

見事に電車に乗る

「ゼェゼェゼェ、ちゅかぁでぇたぁ(つか

 れた)〜」

って真緒が嘆く

「あんたが、走ったせいでしょ!」

って思わず突っ込む。

真緒はヘラって笑って、

「だって、走らなかったら、間に合わなかったでしょ?」

(なっこいっ〜シレッと正論ぶつけてきよって!)

「で、ほ・ん・だ・い!桃那、森崎くんの事

 気になってるんでしょおー??、

 この真緒様の目に狂いは、無い‼︎」

「えっ!」

(ずっ図星、真緒ってエスパァー?特殊能力⁇)ぽって音が聞こえるぐらい、あかっ〜くなっていった。

「で、会ってみたいでしょ?」

私は、恥ずかしくって、小さく頷く。

「明日の昼食タイム1組に来て‼︎森崎君に会わせてあげる。絶対来てよぉ!」

そう言い残して、電車を真緒は降りて行った。それから一人で帰宅して、着替えて

ベッドにだぁ〜いぶ!

「あした、森崎君に会えるんだぁ〜」

考えただけで、ヤバイ。ベッドに潜り込んで、イヤホンを耳にセット大好きなアイドルの曲を大音量で聴く!(さいっっこう)

それから何時間も経っただろう、

「桃那。ご飯できたわよー」

ってお母さんが階段の下から呼んでいる

「今行くぅ〜」

ご飯を食べて、お風呂に入って、慌ただしく

時間が過ぎていった。

「おやすみ、ママ、パパ」

自分の部屋へとあがった。

自分の布団に潜り込んだ。

(明日、森崎くんに会える)考えただけで、顔が熱を持つ。(今日はもう、森崎くんの事を考えるのは、やめておこう)

そこから私は、ゆっくりと眠りに落ちた。


ー流れに身を任せて ステップを踏んで

 踊るように人生を。ー

大好きなアイドルの曲がなって、目を覚ます。(良い朝だなぁ〜)ベランダに出ると

太陽が丁度良いぐらいに差していた。

急いで着替えて、階段を下る。

「ママ、おはよう」

「おはよう、桃那」

朝ご飯のパンケーキを急いで、食べた。

「ご馳走様、美味しかったよ!」

ママにそう言い残して家を出た。自転車で

駅までいって真緒と合流

「おはよう、桃那」

「おはよう、真緒」

二人の声が重なった。二人で声を殺して笑った。

「昨日の約束覚えてるよね?」

真緒が聞いてきた。(私が忘れる訳ないでしょ?)って心の中で言いながら

「もっちろん、覚えてるよ!」

って返した。

「良かったぁ〜」

真緒が嬉しそうに笑った。

(どうしてそんな風に笑うんだろう?)

なんて考えてたら真緒が

「最近デビューした、イケメングループなんて言うんだって?」

って聞いてきた。

イケメンアイドルの事を私は全て知っているぐらいの大ファン!

「あぁ、あのグループ、’’STAR"(スター)の事?」

STARとは最近デビューしたイケメンアイドルグループで、メンバー全員の名前に

’’星"と言う漢字が入ってるからと、ずっと輝いていられますように、っていう願いが

こもってるんだって‼︎イケメンアイドルの

話になると私の口は止まらない。

「一星はね、リーダシップがあって……」

それからメンバー全員の良いところを言いまくっていると、

「桃那、駅もうすぐだよ」

って真緒がいってきた。(ヤバッ、電車に乗ってる事すら忘れてた。)私のイケメンアイドル好き流石ぁ〜‼︎

「桃那のイケメン好きには、参っちゃうよぉ〜」

って真緒が苦笑している。

「ごめん、ごめん‼︎」

改札を通って階段を降りたら、芽色ちゃんが大きく手を振っていた。

慌てて、駆け寄った。

「もぉ〜二人ともおそぉ〜い!心配したん

だから‼︎」

って芽色ちゃんがいってきた。(1分ぐらいでしょ?)って軽く毒突きながら、

「心配かけてごめんね、」

って言ったら、芽色ちゃんはニコニコ。

「心配したんだから!」

ってもう一回いってきた。その顔が可愛くってたまらない。3人で雑談をしながら歩き出した。喋り出したら止まらない。

すぐに学校に着いてしまった。教室に

向かって歩いてたら真緒がこっそり耳打ちしてきた

「お昼休憩絶対来てね!」

うむを言わさない顔でそう言うと、早足で

行ってしまった。

「ちょ、真緒〜」

自分の教室に入ったら早速、玲香と陽菜が声をかけてきた。

「桃那おっはよ〜」

この二人は、私と仲が良いクラスメイトで

とっても優しいんだぁ!こんな二人と友達になれて私って幸せ者だなぁ〜ってつくづく思う。

「STARのメンバーで誰か好き?」

って陽菜が聞いて来た。

普段イケメンに興味が無い二人がアイドルグループの話題をふっかけてきた事に少しびっくりした。

「もちろん、一星君、もうたまん無い陽菜と玲香は?」

(二人の推しめっちゃ気になる)

「私、星夜君、高身長のイケメンボイスがたまん無い‼︎」

って陽菜(めっちゃ分かる)思いっきり首を縦に振って同意。

「勇星君、可愛い過ぎてやばい‼︎」

って玲香(それもめっちゃ分かる!)

でも少し不思議に思ったんだどうして二人がSTARについて知っているのか、思い切って聞いてみたら…

「桃那が良いって言うから二人で少し勉強したんだぁ〜」

って玲香

「そしたら見事にハマったと言う訳だ‼︎」

と陽菜。それからSTARの話で盛り上がっていたら先生が入って来た。(ヤバッ早く座らないと)スライディングで椅子に座る

(ギリギリセーフ)と心の中で安堵した。

「来週の中間テストについて説明するよ」

先生の話が全く耳に入って来ない。考えるのは、お昼休みの事ばっかり(そもそも真緒はどうやって私と森崎くんを会わせるつもりなんだろう⁇)そんな事を考えていたら3時間目の終わりを告げる号令が聞こえた。

「起立、きおつけ、例、」

『ありがとうございました』

金星学院では、3時間目が終わるとお昼休みなのである。森崎くんに早く会いたくてお弁当を早めに食べる。それから1組にダッシュそしたら、待ってましたっていう顔で真緒が出迎えてくれた。

「桃那こっちこっち‼︎」

そう言って勢い良く引っ張ってきた。そしたら急に真緒が手を放した。

(えっ)

私は前に転びそうになった。覚悟して目を瞑る、でも想像していた痛みは、やってこない。おそるおそる目を開けると……

私は誰かに抱きとめられていた。少し目線を上げると、名札に“森崎“と書いてあった。

(もっもっ森崎君‼︎)

「大丈夫???」

と森崎に顔を覗き込まれた。

(イケメン)

「ごっごめんなさい」

ある意味大丈夫じゃ無い。顔を赤くしていると

「君、かわいいね、」

そっと耳打ちしてきた。

そう言い残して、森崎君は行ってしまった。森崎くんと交代にいたずらに成功した

幼子のような顔で真緒が出て来た。その顔をみて、真緒の作戦に引っ掛かってしまったという事をつうかんした。

「かっこ良かったでしょ?」

かっこいいなんてレベルじゃ無い。森崎くんの顔、言葉を思い出す度に顔に熱が帯びる。あぁ〜気になる、気になり過ぎる。

森崎君のことを考えているといつの間にか

昼休憩が終わっていた。こんな状態で授業をまともに受けられるはずがない。結局

玲香と陽菜にノートを見せてもらった。

次の休み時間、早速一組を覗いた。そしたら森崎君の隣には、女の子がいた。二人が何を話しているのかはわからないけれど、なんだか楽しそうだった。なんとなくもやもやしてしまって、なんだか女の子に対する嫉妬心が出て来てしまった。なんでこんな気持ちになるのか自分でもよく分からない。それから最後の授業まで私は上の空だった。気づいたら終礼も終わっていた。

帰り自宅を済ませていつもの集合場所に向かう、その途中、森崎くんに会ってしまった。彼も私に気がついたのか、軽くウインクしてきた。私は大慌て、一礼を返した。

森崎くんはそんな私をみて、クスッと笑ったんだ。思い出しただけで心臓がやばい。

それから、真緒たちに今までにあった一連の流れを話した。勿論、私が感じた事も洗いざらいはいた。そしたら

「それ、恋だよ」

「間違い無いね」

って、真緒と芽色ちゃん。

(そうなのかなぁ〜森崎君に恋かぁ)

自覚はあまり無いがそうなのかもしれないと感じた。その後は、何にもなくねむることができたんだ。 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

次の日、電車で真緒に会った。そしたら

「桃那、強力過ぎるライバル登場よ‼︎」

って肩を揺らしてきた。

「???」

(なんの事)

「昨日桃那が言ってた森崎くんと親しくしてたって子の情報、つかんだよ」

(ライバルって、こっ恋のライバル‼︎強力ってどういう事⁇)

「あの子の名前は愛喜アキちゃん、

 愛に喜ぶって書くみたい。運動神経が

 抜群で、……」

真緒が少しためらっている。(どうしたんだろう⁇)

「非常に申し上げにくいんですけど、

 森崎くんと、森崎くんと、幼馴染らしい」

私はしばらくフリーズして

「えぇ〜」

って叫んだ。回りは驚いて白い目で私を見ている。(ごめんなさい)と心の中で呟く

なんやかんやで学校に行って、身が全くはいら無い授業を受けて、休み時間には、真緒と芽色ちゃんと話に行くふりをして、

森崎くんを拝んで、(さいっこう!!)

気がついたら放課後になっていて、

「川上、ちょっと来い」

担任のはっちゃん先生に呼ばれた。

(めんどくさそう)心で思ってると的中

国語係だからノートを下道先生まで持って行けと言うザ・雑用だった。私はまだ知らない。雑用を任せてきたはっちゃん先生に感謝するなんて、

「分かりました…」

その足で1組に向かった。

「真緒、はっちゃん先生に雑用任されたから先帰っといて」

そう告げると

「分かった。大変だねー」

と心配そうに言って来た。バイバイって手を振って二組に戻った。

「……40.41.42.よし揃った。」

教室を見回しても誰もいない当たり前か、

「よっこいしょ」

42人分のノートを持ち上げる。

「おっも‼︎」

お腹にノートが刺さる(重い。)こんなのを5階の職員室まで持って行くと思ったら

気が遠くなる。足を進めるが全く進んだ気がしない。階段を登りながら涙が出そうになった。1人が怖い私は、足の震えが止まらない。(国語係なんてならなければよかった)本気でそう思った。やっと3階に着いた。後2階、頑張って震える足を進める。ーガタッー

「キャッ」

いつもはなんとも無い物音がものすごく怖く感じる。(怖い、怖い、怖い)

「だいじょぶ⁇」

(誰、もし幽霊だったら…)

思い切って振り返るとそこには幽霊なんかじゃ無い。森崎くんがいたんだ。頭の中パニックはてなマークのオンパレード。

「……」

何も言えないでいると

「こういうのは男に任せてよ」

そういうなり国語ノートを私から取った。

「ありがとうございます。」

何度も何度も頭を下げた。

「この間ちょっとドヂッタ子だよね?」

(覚えててくれたんだ)

「はい。この間はすいませんでした。」

とっさに謝った。

「良いよ、全然そんなことより名前は⁇」

(名前、聞かれたちゃった)

「か、川上 桃那といいます」

(ちょっとつっかえちゃった‼︎)

「桃那ちゃんか、じゃ“桃ちゃん“で良いね

 俺、森崎湊、改めてよろしく」

(桃ちゃん‼︎森崎くんにそう呼ばれたら

 心臓持たないんですけど!)

「よ、よろしくおねがいします。

 森崎君はどうしてここにいたんです  か?」

最も気になっていたことを聞いてみる

「うぅ〜ん、桃ちゃんになら教えてもいっか」

(????)

「三階って図書室あるだろ。ちょっと勉強

 してたんだ。帰ろうとしたら桃ちゃんが

 泣いてたからきたんだ」

(私、知らない間に涙出てたの?)

慌てて後ろを振りかえるとポタポタと涙が落ちていた。

「目っ真っ赤だよ」

(森崎君に不細工な泣き顔を見せてしまった)

「なんで泣いてたんだ⁇」

私は恐る恐る事情を話し始めた

「1人で誰も居ない所が苦手で、信じられないぐらい怖いんです」

いうと、森崎くんは、

「かわいいな」

って、言ったんだ。私は、頬を赤く染めた。

そうやって森崎君と2人で歩いていると五階なんてあっとういうまで、できればずっーと続いていて欲しいな、なんて思っちゃったんだ。(森崎君はどう思ってるんだろ?)上の空でいると、

「ついた」

森崎君の声が降ってきた。

「はい、国語ノート持って、俺が持ってたってバレたら桃ちゃん怒られちゃうでしょ?」

(やっやさし過ぎる。)

しっかりと国語ノートを受け止めた。

「ありがとうございました」

国語ノートには、森崎くんのぬくもりが

残っているような気がしたんだ。

「ほんじゃ、」

そう言って駆け出して行く森崎くん。

「待って、」

気がついた声が出ていた。

「ありがとう」

そう言ったら、森崎くんがニカッて笑ったんだ。それから彼は、走って行ってしまった。森崎くんの笑顔を見て私は確信した。

私は、森崎くんが好きなんだと

コンコンコン、

「失礼します。一年二組の川上です。

 下道先生いらっしゃいますか?」

無事国語ノートの提出を終えると、

私は夢見心地で階段を軽やかに降りて行った。(森崎君と一緒にいたんだ)その喜びを噛み締めていた。昇降口に来るまでは、

昇降口に来た瞬間、誰も居ない。ーカタカターどこからか聞こえるその音に悪寒が

した。(怖い、怖い、誰か助けて、森崎くん)なぜここで森崎くんかわ分からないけど、森崎くんに会いたい。それだけが確証事項だった。怖さのあまり私は昇降口にへたり込んでしまった。膝をガクガク震わせながら……

「やっぱ桃ちゃん震えてる」

この声は……

「もっ森崎くん‼︎‼︎」

驚きのあまり思考回路が停止。

「どうしてここえ?」

単刀直入に聞くと

「階段降りながらさ、桃ちゃんが一人怖い

 って言って他のを思い出してさぁ〜

 また震えるんじゃないかと思って、」

(覚えててくれたんだ)

その瞬間私の頬に生温かい物がツゥーって

走った。

「桃ちゃんどうした⁇そんなに俺が来た事

 嫌だった⁇」

(違う違う、嬉しいんだよ)

思いっきり首を横に振った。

「良かったぁ〜、よく頑張ったなここまで」

私は小さく頷いて、立とうとした。なぜか足に力が入らない。何回挑戦してもダメ

(どぉしよぉ)

スッと視界に何かが入ってきた。パッと顔を上げると森崎君が手を差し出してくれていた。私が少しためらっていると

「速く握れよ」

トクントクンと鼓動が波打つ

「う、うん」

私が手を取るとグィッて引っ張り起こしてくれたんだ。その顔はすこぉし赤くなっていた。(かわいい)心の中で呟いた。そこから森崎くんはバス停まで送ってくれた。

「ありがとう」

お礼を言うと…

「礼なんて良いよ、俺がこうしたかったん

 だからさ」

「でも……」

(こんなのわるいよ)

ジッと考え込んでいると、

「バス来たよ」

森崎くんからそんな声が聞こえた。さっきまで気まずかったのにもうさよならなんだと思うとなんだかさみしいなって、思ったんだ。気がつくとバスはバス停に停まっていた。

「じゃ‼︎」

森崎くんが挨拶してくれたのに、はずかしくって手を振る事しか出来なかった。心の中で(森崎くん、今日はありがとう。また明日)と呟いた。これが本人にも聴こえて

くれれば良いのに……とあり得ない事を思った。帰り道、脳裏を横切るのは、森崎くんの笑顔、森崎くんと過ごしていた時間。思い出しただけで心臓がヤバイ。改めて

森崎くんが好きなんだと痛感されられる。

家に帰ってテスト勉強をしなければいけないのに私はすぐにその場にへたり込んでしまった。

「もり、さき、く、ん」

家の天上を見上げながらボソッとボヤいた。頭がボォーとしてしまって、基本的な

事柄を終わらせてさっさと布団に入ってしまった。全然寝付け無い。おもいっきり

毛布を頭からかぶって、無理矢理寝た。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

次の日、いつものように真緒に会った。

「桃那、森崎くんの事、どう思ってるの?」

真緒の質問に思わず顔が赤くなる。

「……す、、き……」

消え入りそうな小さな声が出てしまった。

「やっぱり‼︎告らないの?」

真緒の目がキラキラと輝いている。

「告りたいけど、……私なんかじゃ森崎くんと釣り合わないよ。」

(あんなかっこいい子と、私なんかが

 歩いたら皆んなに白い目で見られちゃう

 森崎くんが可哀想)

「あのね、桃那、あんたは釣り合わない、

 たかがそれだけで諦めるの?」

「釣り合う、釣り合わない、それは桃那が決めることじゃ無いそれは森崎くんが決めること、自信持ってやってみたら?」

語尾に真緒が力を込める。真緒は私のためにここまで強い言葉をかけてくれる。なら

私も……

「私、森崎くんに告白する」

そしたら、真緒が今までに見た事が無い

明るい笑顔を浮かべていた。

「でもぉ、どうしたら…」

「私に任せてよ‼︎金星学院では、○月△日  

 に告白したら、成功する確率が高く

 なるんだって‼︎」

(ほっほんと‼︎)

○月△日まで後一日。急がなくっちゃ!

「告白プランは、自分で考える」

私の口からいつの間にかこんな言葉が漏れていた。

「わかった、頑張って、桃那なりのやり方でファイト‼︎」

真緒は優しく笑っていた。(真緒、こんな笑い方もするんだ)いつのまにか学校で、

授業を受けていた。全く駄目。頭が回らない。いつの間にか1日が終わったいた。

「起立、礼」

『さよなら』

私、いつからこんなになっちゃったんだろう⁇いつから⁇(あぁきっと、ううん絶対

あの日からだ)家に帰って、私は森崎くん当ての手紙を書いた。ラブレターというものだ。(私の思い伝わって……)書きながらそんな願いを込める。(明日、頑張ろう、)ふと、真緒の笑顔が浮かんだ。

「私頑張るよ」

そう言って深い眠りについた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

朝、いつもより早く目が覚めた。

「頑張るぞ!」

思いっきり顔を叩いて、意識をはっきりと

させる。時間がいつもより数倍も速く感じた。あっという間に学校で、どうしたらいいかわからない。でも、目的を達成する‼︎

それだけはしっかりとしていた。短い休み時間(森崎くんに声かけるぞ、)そう誓って一組に行った。

「も、もりさきく……」

「み・な・と、♡こっち来て!」

はっと振り返ると愛喜ちゃんだった。愛喜ちゃんについて行く森崎くん。(あぁ〜声かけれなかった)私はどぉしても愛喜ちゃんが気になってしまったのでこっそり後をついて行った。

「ここなら誰も居ないよね、」

愛喜ちゃんが安堵する。ースゥーと息を吸う音がきこえた。

「愛喜、湊の事が好き。だから湊私と付き合って下さい。」

私の心臓に何かがかすめた。

(聞くんじゃ無かった)

森崎くんの返事が怖くって、急いで逃げてしまった。私はトイレにかけて行った。個室に入ってわっと泣いた。イヤでも涙が出てきてしまう。私は、休み時間ギリギリに

教室に戻った。(森崎くん、なんて返事したんだろう)頭の中はそれしか無い。

等々昼休みになってしまった。最後に真緒に相談しよう。

「真緒、不安を消せる場所無い?」

そしたら真緒がニッコリ笑って

「四階のバルコニーかなぁ!」

って言ったんだ。それから私は不安をなんとか追い払うために四階のバルコニーに

向かう。四階のバルコニーは静かだと有名なのだ。まず四階に行く。長い渡り廊下、

その先がバルコニーだ。バルコニーに向けて歩いていると、……バルコニーからなんと森崎くんが出てきた。後森崎くんまで5m(声、かけなきゃ、せっかくのチャンスなのに……)頭の中で分かっていても体が全く動いてくれない。気づくと森崎くんとすれ違いかけていた。(声、かけなきゃ)

もうすれ違っていた。ーバシッー手首に何かが触れる。何かに拘束される

「待って」

その声の主は…森崎くんだった。

森崎くんが私の前に移動する。(ダメ、恥ずかしい)そう思って視線を落とした。

「下、向くな」

(そんな事言われても…)視線を落としていたら、急に視界に森崎くんが入ってきた。視線を落とそうとしても顎をしっかりと何かに支えられている感覚。

(顎くいっ)心臓が変な音を立ててる。

ードクン、ドクン、ドクンー

唐突を自分がなんでここに来ているか思い出した。(告白するんだった。)慌てて口を開く。でも喉がカラカラで言葉が出ない。

「スゥ〜」

息を吸う音が聞こえた。

「桃ちゃん、好きだよ。」

(!!!!!!!!!!)

「わた、しも…」

そう言ってラブレターを森崎くんの胸に押しつけた。それと同時に森崎くんが抱き締めてきた。

「悪い、桃ちゃんが俺のものになったって

 噛み締めさせて」

顔は、りんごに負けまいぐらい赤いと思う

(こんなんじゃ、心臓がヤバイ。私の

 寿命5年は縮んだよぉ〜)

「桃ちゃん、俺、あの日からずっと桃ちゃんが好きだった。一目惚れってヤツだと思う。」

(森崎くんが私に一目惚れ‼︎)

「絶対放してあげないから、覚悟しといて」

(放さないで欲しい。)バカげたことを考えていた。

「キス、しても良い⁇」

(えっえっえええー)なんて返したら良いかわからなくて、コクンと首を縦に小さく振った。

そしたら森崎くんの顔がドンドン近づいて来て…そっと柔らかいものがおでこに触れた。(森崎くんがおでこにキスしたんだ)

カッと顔が赤くなる。でも、森崎くんもほんのり赤くなってたから可愛いなって思ったんだ。

「今はおでこで我慢、俺が桃ちゃんのベールをめくった時に唇もらうから桃ちゃん絶対唇触れさせちゃダメだよ俺も必死で我慢するから」

「約束します」  〜完〜


side湊 運命

俺は最近明らかにおかしい。多分あの子の

せいだ。名前も知らない女子。分かってるのは同じクラスの"真緒"って子と"芽色"って子と仲が良いって事ぐらい。女子に余り

興味がない自分がなぜここまでしてあの子の事を知りたいかは自分が一番分かっている。恋だろう。あの子の事が知りたくたまらない。(でも俺恋愛経験ないんだよなぁ〜)あの子との出会いは俺でも驚く

ものだった。俺が喋っていたらあの子が急に漫画みたいに転びそうになっていた。

俺はとっさに体の向きを変えその子を受け止めた。

「大丈夫⁇」

俺はその子の顔を覗きこんだ。

「ごめんなさい」

恥ずかしいのだろう顔が桃色に染まっていた。(かわいい)なぜかそう思った。今まで恋なんてした事は無い。でも分かる第六感で分かるこれは"恋"だ。そうやって思っていると

「君、かわいいね、」

思いっきり声に出てしまっていた。俺は少し恥ずかしくって、クルリとあの子に背を向けて歩いていった。もうこの子には会わないだろぉと思っていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー俺の日課は決まっている。家に帰ったらうるさいけどかわいい弟が居るから毎日図書館で勉強

している。あの日図書館で勉強してて本当によかったと思った。

「あぁ〜おっわった‼︎」

1日のやるべき事を終えて図書館を後にして昇降口に向かっていると雫がポタポタと落ちていた。俺は少し気になったのでその先をたどる。そこには、あの子がいた。どうやら担任に任された荷物を運んでいるようだった。(バカ担任。なんであの子に雑用させてんダァ)俺はどうしたらいいんだ。頭で考える前に勝手に体が動いていた。

「だいじょうぶ⁇」

その子に近寄る。その子は慌てている。(可愛い)今すぐにでも抱きしめたい。俺のものにしたい。

「こういうのは男に任せてよ」

その子からノートを取る。(俺からしたらなんとも無い重さだけど女子からしたら重たいだろうなぁ)

「ありがとうございます」

そう言って来る顔が可愛い過ぎて俺の心臓がヤバイ。頼むから俺以外の男にそんな顔見せんな。その子はものすごく怖がりらしい。(あぁヤバイ可愛すぎる)名前は川上桃那というらしい。俺は名前がわかって舞い上がっていた。桃那の笑顔が一回一回

俺の心臓を壊して行く。本人の前では桃ちゃんと呼んでいるが、心の中では桃那だ。それから恥ずい事もあったけど幸せ過ぎた。俺の頭の中は桃那で埋め尽くされている。(相当ヤバイな、俺)(俺だけの桃那になってくれないかなぁ)その希望は、

どの男も思っているという事を俺はまだ知らなかった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

次の日の休み時間。俺はさりげなく、友達のに桃那の事を聞いてみた。

「なぁ〜2組に川上っていう美人が居るらしいぞ」

よしよし、さりげなく出来てる。

「湊知らなかったのか⁇川上ってめちゃくちゃモテるぞ!川上に告られたら彼女持ちでもオッケーするぐらい。どの男でも川上に告られるの夢見てるよ。」

俺は内心冷汗をかいていた。可愛いけどさぁかわいいけどさぁ、ライバル少なくしといてよ桃那!それから俺はこそこそと

2組に足を運んだ。可愛く笑ってる桃那を

見て、心が癒されると同時に俺の前以外でかわいい顔をしないで欲しいという彼氏でも無いのに勝手な独占欲が頭をよぎる。(思ったより重症だなぁ、俺)休み時間

米倉が俺の方にかけよって来た。米倉真緒

桃那の仲の良い友達だと思う。来たと思ったら急に口を開いた。

「森崎君。桃那、気になる感じですかぁ〜」

俺はぐっと言葉に詰まる。

「あらま!図星でしたか、これはこれは失礼しましたぁ〜」

コイツ、見かけによらんな、小柄で人付き合いが苦手そうだから煽りはしてこないだろうとどこかで安心していたのだろう。自分を恨む。

「で、なんか用か?」

これまでの会話?一方的な会話を無視して

言う。

「これまでの質問無視ですかぁ、桃那に

 言いつけてやろう」

(おいおい、米倉やめてくれ‼︎)

「焦った顔してますねぇ!、」

コイツ、煽る時はとことん煽るらしい。

あぁもうイライラする。

「もう一度聞く。なんの用だ」

「あっ忘れてた。」

うっかりしてたと言う顔で言うこいつ天然かぁ???米倉がどういうやつか全く分からん。

「告るんだったら速くしないとダメですよ。最近桃那、気になる人見つけたみたいですから」

と至近距離でコソッと耳打ちしてきた。

それはマズイ気になる人が好きに変わってしまったら、俺に勝ち目は無くなる。

「せいぜい頑張って下さい」

米倉はそう言い残してスタスタと行ってしまった。(俺は桃那に告白する)明日告ると決意をした。いつも通授業を終えて、図書館に向かう。いつもなら宿題をしているが今日は桃那への告白文を考えた。家に帰って何をしても桃那で頭がいっぱい。

「はぁ〜」

いつの間にか声が漏れていた。

「にいに、どうしたの?」

弟がテクテクと歩いて来た。両親はまだ家に帰って来ていない。 

「なんでも……」

なんでもねぇって言おうとしたのに

「分かった‼︎にいに、こい、してるんだねぇ」

小さい子はカンが良いでも、(図星過ぎないかァ〜〜)ふっと顔が染まる。

「どうしたの、にいにお熱でもあるの」

心配そうな顔で見てくる弟は悪魔だ。

(あぁ〜恥ずい。穴があったら入りたい)

明日、桃那に告るんだ。壁に自室の壁に向かって告白の練習をする。

「桃ちゃん俺、……」

ふと目線をドアにやると弟が盗み見をしていた。

「にいに、やっぱこいしてるんだ」

うるさい悪魔‼︎

「勝手に入ってくるな‼︎」

少し軽めに睨む。

「おやすみなさい」

(なんだよ、あいさつしに来ただけかよ)

心の中で安堵する。もしかしたら俺の状況を知りたくて来たのか思ったぁ。

「おぅ、おやすみよく寝るんだぞ」

「はーい」

俺も弟を見習ってさっさと風呂入って寝よう。そこから俺はねむった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今日は、一世一代の大勝負。告白の日。朝から心臓の鼓動が速い。朝日を横目で感じながら着替える。

「湊、ご飯、置いとくから食べといて‼︎」

お母さんの声がした。今日は、朝早いらしい。

「はい、はーい」

軽めに返事して弟を起こしに向かう。

「おーい、起きろ〜」

「ううっ、」

中々こいつは起きない。布団を引き剥がしてもびくともしない。

「最終奥義使ってやろうかなぁ〜」

すると、パチっと目を開けた弟。

「おばぁよぉう」

「飯、食うぞ」

「はーい」

ダダダダっていう音と共に弟がご飯めがけて一直線に走る。(飯だけはぇーな)弟に負けないように俺も食いだす。クロワッサンを二つ食べるのが俺の日課。

「ご馳走様」

(そろそろ出発だぁ〜)

自転車で駅まで行って、電車に乗る。

ーガタンゴトンーという規則正しい音が気持ち良く感じる。電車の音とわ反対に

俺の心臓は学校が近づくにつれて、波打つ速度が速くなる。(桃那どんな顔するだろう)実際、俺が一方的に好意がある事は、

分かっている。他の男に桃那を守らせたく無い。何がなんでも、俺が桃那の隣の男になってやる。ついに学校に着いた。

(おねがします神様)

桃那が俺のになってくれます様に。一礼して校門をくぐった。

「今から一時間目始めんぞー」

「起立、きおつけ、礼」

『お願いします』

「えっーはい、それでは皆さん、今から文節

 の説明をしますねぇ〜」

いつもなら必死でノートを取ってるけど今日は別。というか、全然授業に集中できない。(桃那告ったらどんな顔するかなぁ)

考える事は告白の事ばっか。正直自分でも自分のことがヤバイと思っている。ってかこの前米倉がいってた桃那の気になる人って誰だ。そいつ羨ましすぎるだろ。呪い殺すわ。あぁ〜自分の頭の中が桃那の色に染まって行く。ー次の休み時間ー告る告るこの文字で頭が埋まっていた。辺りをキョロキョロ見回していたら、なんと、桃那がもそこにいた。(大大大チャンス)思い切って声をかけようとしたら

「み・な・と、こっち来て」

と愛喜が手招きしていた。(おい、なんで今なんだよお)軽く睨みながら愛喜について行った。(どこまで歩く気だ)

「ここなら誰も居ないよね、」

愛喜がつぶやいた。(なんの事だ。それよりいま、頭の中は桃那だけ。1組で何をしてたんだろう⁇、今日も可愛い過ぎたな。)

「愛喜、湊の事が好き。だから湊私と付きあって下さい。」

まさかの告白だった。正直嬉しいけど…

「悪い。俺、好きな人いる」

「…やだよ、…ずっとーずっとー好きだったのに……」

愛喜が目に大粒の涙を溜めて訴えてくる。

「ごめん」

俺はクルリと向きを変え教室に向かった。

ードサッーと愛喜が泣き崩れる音が聞こえた。なんとなく頭が回らなくって、ボォーとしている。効果音ありそうなぐらい。

やっぱ、桃那の事、好きだなぁ、俺。

桃那どこにいるんだろう?俺の事見てくれてるかなぁ、見てくれてなくても良い。

俺のものにしたい。俺、独占欲強いかも⁉︎

「皆さん、先生忘れ物取りに行って来るから自習しててね」

いつの間にか授業を始めていた先生がそんな事を言って教室を出ていった。そしたらみんなが人間から動物に大変身。俺は相変わらずボォーとしていた。

「森崎く〜ん」

俺を呼ぶ声がした。(聞き覚えあるな)

パッと振り返ると米倉だった。俺の頭の中は米倉=ウザイやつ、認定されている。

「なんだよ、」

冷た目にあしらっていると

「森崎君どうしたの⁇上の空だけど?落ち着きたい時は四階のバルコニーに行く事をオススメするよ」

それからというもの俺は空気みたいだったと思う。いつのまにか授業が終わっていて、気づいたら昼休みだった。桃那に告白する時間だった。飯も食えない。俺はすっと立ち上がって(四階のバルコニーに行ってみよう)それから足取りが少し軽かった。バルコニーについてゆっくり外の空気を吸う。(きもちぃーー‼︎)爽快だった。

桃那に今からなら告白できそうな気がする。そしてバルコニーを出たら……!!!

(も、ももも、桃那‼︎)俺は白目をむきそうなぐらい驚いた。でも同時に(運命)なんて恥ずかしい事を考えていたのは絶対に秘密。そこから一歩一歩、桃那に近づいた。

桃那もこっちに来る。歩数を重ねる内に俺はとんでもない事に気がついた。(どうやって告白するか考えて無い‼︎言葉はかんがえたけど…かんじんな所が抜けてる)

段々と焦りを感じてきた俺。気がつくともう後一歩も進めば桃那がいた。一歩、もう一歩(桃那が俺の横を通る)ーパシッー

体が勝手に動いて気がついたら桃那の腕を掴んでいた。

「待って」

そう言って桃那を呼び止めた。すると桃那は立ち止まって下を向いてしまった。

「下、向くな」

俺は桃那の顎をそっと持ち上げた。(俺、何してるんだ)だけど体は止まらない。(今、告白する‼︎)

「スゥ〜」

深く息を吸い込んで

「桃ちゃん、好きだよ。」

(言った、言った‼︎)少し恥ずくて顔が少しだけ熱を帯びる。

「わた、しも…」

その言葉を聞いた瞬間俺をきつく抱きしめた。

「悪い、桃ちゃんが俺のものになったって

 噛み締めさせて」

永遠に俺の胸の中で閉じ込めていたいのを我慢して、桃那に桃那を好きになった訳を語り始めた。

「桃ちゃん、俺、あの日からずっと桃ちゃんが好きだった。一目惚れってヤツだと思う。」

「絶対放してあげないから、覚悟しといて」

俺は桃那以外有り得ない。

「キス、しても良い⁇」

そう言ったら小さく可愛く頷く桃那(可愛いすぎるだろ‼︎反則級だよ)

ーチューとリップ音を立てておでこにキスを落とした。

「今はおでこで我慢、俺が桃ちゃんのベールをめくった時に唇もらうから桃ちゃん絶対唇触れさせちゃダメだよ俺も必死で我慢するから」

「約束します」

そんな誓いを今ここで成立させた。(俺の世界で一番可愛い俺の彼女よ、俺のものになってくれてありがとう。俺は君以外何も要らない。)       

              〜完〜




こんちには!はじめまして!夜毱よまりです。

これからよろしくお願いします!少しでもキュンキュンしてもらえたら嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ