表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/12

3ページ目【はじめての金縛り】

     3ページ目【はじめての金縛り】



 今日、この家に引っ越してきてはじめて金縛りにあった。

 お経がきかない。こわかったぁ。


 



 日記は短文で終わっている。




 どうした、どうした?

今まで細かく書いてたのに短すぎんか?


そうか、三日坊主か。子供の頃から色んな趣味に手を出して、ちょっとかじったら満足しちゃう飽き性だもんな。




 いやまて、なぜ紙が波打ってるのか…。あっ、泣いてるわコレ。涙の跡が点々と残っている。


 泣きながら書いたんだな。詳細に書いてしまったらまた夢でも怖い体験を繰り返してしまうと思って詳しくかけなかったんだ。


 うん、今、思い出した。


 

 父が買った家は一戸建てで、私はもう何回も引っ越さなくていいんだとよろこんでいた。自分の部屋(妹と兼用)ができたから、どんな可愛い部屋にしょうかワクワクしていた。


 妹と布団を並べて敷いて寝ていたある日の夜。


 

 寝付きの良い妹に比べて私は寝付きが悪い。布団に入ってからしばらく天井を見つめてた。

 


 そしたら、急に空気が重くなって、布団圧縮袋に自分ごと入れられたみたいにジワジワ身動き取れなくなった。天井を見つめて固まる体。

 辛うじて息はできるのよ。目も眼球は動かせる、耳はキーンと飛行機乗ったときのような圧がかかる。体だけがなぜか動かない。そりゃあもう焦るよね。


 

 

 しばらくしたらガサガサと足元のちょうど見えないところでうずくまって何かを探している人の気配がする。


 最初は、夢かと思った。でもビニール袋を擦り合わせるようなガサガサ漁っている音がずっと続くから、私達が寝てると思って盗人が居るんじゃないかと思った。

 盗れるものなんて何もないし、ここは二階。一階の親と弟は無事なのか?とにかく起きてるとバレたらまずい。だから妹は起こせない。


 体は動かないのに冷や汗がつつーっと額を流れる。怖い気持ち悪い。不快感が続く。


 あれ?この人いつから居たの?扉が開いたら音がするのに開閉音しなかったよな。


 怖い怖いコワイコワイ。半ばパニックで、これは盗人じゃないと思った。


 これは噂に聞く霊じゃないか。


 私は固まったまま記憶を総動員した。怖い目にあったとき

お経を唱えたら助かったってテレビでみたような気がした。


 部屋に時計が無いから、どれくらい経ったかわからないけど早くどこかに行ってほしい。でもまだガサガサ漁ってる。

 


 意を決して思いつく限りのお経(うろ覚え)を念じた。



 あっ、音が止まった。伝わったのかな。何処かに去ってくれただろうか。



 

























 「そんなのが効くわけねぇだろ」


 












耳元でドスの聞いた低い男の声で言われて、ヒイィィィと声が出ない悲鳴というより息を吐き出しすぎて気絶したのか、寝たのか、夢を見たのか、気付けば朝だった。

 


 飛び起きてまわりを見たけれど、電気をつけた部屋の中は荒されていなくて、寝る前のまま。誰も居ない。

妹もすやすや寝て無事だった。


 一階に降りて、お母さんたちも無事だった。

聞いても怖い夢を見たんじゃないの?体調悪いの?って凄く心配されてしまった。


 近所に住んでるおばあちゃんに聞いたら、

 「お経を唱えるより、数珠つけて寝てみたら」って言うので、おばあちゃん家から借りてつけて寝てみた。


 一つでも身につけたまま寝るのが嫌いな私が何故か自分スッと寝落ちした。


 金縛りにはあったけど、声は聞こえなくなった。気の持ちようだとおもうけど、声が聞こえないだけましだった。


 



この家は住み始めから本当にありとあらゆる怪現象が起こった。パラパラと日記帳をめくると、この家の内容が多い。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ