その3 金の斧と銀の斧は捨てる
とまぁ、こんな感じになったのだが、松井塾長が驚愕の行動を起こす。
松井塾長「というわけで、金の斧と銀の斧は湖に捨てよう。」
ドボーン
賢い男「えーーーーーーー。何すんのよあんた。」
女神様「いや、ありえないでしょう。さすがに。」
松井塾長「おいおい。お前ら。この金の斧と銀の斧が大変な事態を引き起こすことがわからんのか?一歩間違えれば世界の均衡が崩れて世界が崩壊するぞ?」
賢い男「え?全然わからないです。」
松井塾長「金と銀の需要と供給のバランスが崩れてしまうぞ。」
賢い男「へ?なんですか?」
松井塾長「おいおいそっからかよ。やべぇーなお前。中学で習う内容だぞ。」
賢い男「いや、木こりですから・・・。学校に行けなかったんです・・・。行きたかったんですけど。」
松井塾長「なに!それは、大変だな。正確ではないがわかりやすく説明しよう。」
ジール「(長くなるぞーーーこれ・・・)」
需要:買いたいと思うこと 供給:売りたいと思うこと
賢い男「ほうほう。」
松井塾長「金はなぜ価値があって、石は、なぜ価値が低い。」
賢い男「金は、数が少ない。石は、どこにでもある。」
松井塾長「そうだ。数が少ないが欲しがる人がいっぱいいると高くで売れる。数が多いが、欲しがる人がいなければ、安くなる。単純に説明するとそうだ。」
女神様「それが、どうしたんです?」
松井塾長「バカか。お前。これだから、金で苦労したことのないやつは困るんだよ!」
賢い男「あーそうか。もし、この湖で鉄の斧を投げ入れて金の斧や銀の斧を手に入れる人が増える場合。現在流通している。金貨と銀貨の価値がなくなる。つまり、貨幣が、石ころと同じになる。」
松井塾長「そうだ!」
賢い男「そんなことが起これば革命どころの騒ぎではなくなります!!!」
松井塾長「名を聞こう!お主は才能に愛されている。」
賢い男「マッカートンです。」
松井塾長「そうだ。まず、君はいくつかの才能を持っている。仕事したくないできれば簡単にお金も受けたらいいのにな!って思っている。」
マッカートン「思ってます。」
松井塾長「そうだ!その考えが大事なんだ!まず、仕事したくないなら考えろ。ただ、単純に同じように木を切って店に売りに行ってはダメだ。木を切って、売り方を考えろ。」
マッカートン「じゃあこういうのはどうでしょう?木を切って、暖炉用の薪として売るのは。」
松井塾長「いいだろう。その作戦で行こう。」
とこうして、暖炉用の薪を作ったのですが、全然売れなかったのである。
マッカートン「全然売れなかったんです。」
松井塾長「まぁ、しゃあない。ところで、お前は、勤勉でも勤労でもないのにどうやって、生活している?」
マッカートン「いやーそれが、日がな一日適当に働いてですね。えーと、カンナちゃんに飯食わせてもらっているんです。」
松井塾長「じゃあ、家のことは?」
マッカートン「してません。(キッパリ)」
女神様「(クズだな。)」ジール「(殺したい!)」
松井塾長「どうやって、生活しているんですか?」
マッカートン「褒めるんです。食事おいしいねとか、仕事できるねーとか。まぁ、そうやって。まぁ、そうやってるからダメなんでしょうけど・・・」
松井塾長「それだよ!!!マッカートンくん。それを薪を売るときにも使えばいいんじゃないかよ!君、営業力あるじゃないか!!!」
マッカートン「へ?」
とまぁ、こんな感じで、マッカートンくんは松井塾長の口車にのったのだが・・・
マッカートンくん「お嬢さんお嬢さんそこのお嬢さん。」
おばはん「???」
マッカートンくん「あなたですよ。」
おばはん「あらやだ。お上手ね。」
マッカートンくん「奥さん。お家のこと大変でしょう。」
おばはん「えーもう大変なのよ。旦那は家のことやってくれないし、大変なのよ。」
マッカートンくん「えーわかります。そんな時、家の薪割りやってくれていたらなって思ったら、どうですか?」
おばはん「そりゃあ。まぁ、便利よね。でもそんなうまい話が・・・」
マッカートンくん「あるんです。それが。ほら見てください。薪割りセットでこちらになるんです。」
おばはん「あら、本当便利だわ。このサイズだったら。でも・・・お値段高いんでしょ。」
マッカートンくん「いえ、それがなんと、銅貨10枚でご提供させていただきます。」
おばはん「あらやだ。買おう。」
マッカートンくん「ありがとうございます。いえ、今ならなんと、お買い上げいただいたお嬢様には、期間限定の半額サービスで提供させていただきます。」
おばはん「えーそうなの。」
マッカートンくん「さらに、お友達をご紹介させていただいた方は、ポイントカードを差し上げます。また、お友達の薪もなんと半額でご提供させていただきます。」
おばはん「えーそうなの。すごいわーー。どんどん紹介させてもらうわね。」
以降はマッカートンくんの店は繁盛するのだった。
それからはというものの、マッカートンくんはどんどん商売を大きくさせていったのだった。
マッカートン「松井さん。学校を作りたいんです。馬鹿げた夢ですかね。こーう。実際、教育があるか無いかって、チャンスを掴めるか否かって大きいと思うんです。でも、無理ですかね?」
松井塾長「やってみればいいんじゃねぇーのか?やってみれば!やってみてダメだったらまたがんばればいいじゃねぇーかよ。」
マッカートン「はい。」
松井塾長「ジール・女神様。じゃあ帰るぞ。」
ジール「はい。」
女神様「いいんですか?最後まで彼の物語を見届けなくて?せっかくここまでがんばったのに?」
松井塾長「あいつの物語はあいつが決める。あいつが終わりと思えば、そこで物語はおわりだし、あいつが、物語を終わらせねぇーと思えば、志を継いだ人間が、物語を続けていく。ただそれだけのことだ。」
ジール「そうですね。」
女神様「では次の物語へ・ワープ」
金の斧と銀の斧(完)