その2 正直者は本当に正しいのだろうか?
すると、あ~ら不思議。湖の中から女神様が現れるではありませんか・・・
女神様「木こりよ。泣くではありません。あなたが落としたのは金の斧ですか?」
松井塾長「・・・あんたフローラじゃない?」
女神様「・・・違います。」
松井塾長「あれ、おかしくないですか?違いますって。普通なら誰ですかそれってなるんじゃないですか?」
女神様「そうですけど。予算の都合で私が兼任してますけど!そういう余計なことに一々気がつかなくていいんです!」
ジール「うちの松井がすいません。おバカなんです。笑」
松井塾長「え、お前そっち側なの。」
ジール「話進まないだろ!」
女神様「木こりよ。泣くではありません。あなたが落としたのは金の斧ですか?」
松井塾長「あのさーまず、一つ言いたいこと言っていいかな?」
女神様「ダメです。」
松井塾長「まず、俺泣いてないと思うんですけど。」
女神様「そういうちょっと細かいことは一旦こっちにおいておいてくれるかな。」
松井塾長「第二に、俺が落としたんじゃなくて、ジールが故意に湖に投げ込んだというのが正しいですよね。」
女神様「えーそれは確かに・・・」
松井塾長「第三に、あなたが落としたのは金の斧ですかって質問してくる女神いたらおかしくね?この人、ひょっとして世間知らずが、頭おかしい人じゃないですか?ってなりません?」
女神様「えーと。それは。」
松井塾長「この時代って木こりってめっちゃ儲かる職業なの?俺が見ている限り、食うのに困っている人いっぱいいる世界線に見えるけど・・・」
女神様「それは、まぁ、そうですね。」
松井塾長「ですよね。その状況で、斧が純金でできている?ありえなくないですか?仮に、この時代の斧の重さを3.5キログラムだとする。2022年09月16日における店頭小売価格は、1グラム当たり8486円ということになる。8500✕3500をすると現在価値で換算したとしても、3000万円にもなる。」
松井塾長「お前・・・木を切るか?百歩譲ったとして、木こりとして生計を立てている。そして、木こりということに生きがいがあるとわかっていたとしても・・・都内でもマンションが買えてしまうかも知れない価格の斧使って、木を切るか?」
女神様「・・・まぁ、それは確かに・・・。」
松井塾長「ということで違いますよね。」
しばらく経過して・・・
女神様「あなたが落としたのは、銀の斧ですかね・・・」
松井塾長「はぁ、だからあのさー。銀の1グラムあたりの2022年09月16日における店頭小売価格は、99.44 円。その斧が、3.5キログラムだから・・・」
ジール「おい!そういうことじゃねぇーだろ。」
松井塾長「何が?ここまで、俺は正直にしか言ってないぞ!そりゃあ確かに情報が不正確なことはあるかも知れない。さすがに、この時代の斧の平均重量までは知らない。」
ジール「そこじゃない!断じて違う!そういうことをいいたいんじゃない!金の斧と銀の斧っていう話は、正直さの大切さと強欲への戒めとして創られた作品が、金の斧と銀の斧。」
松井塾長「じゃあ、俺のあってんじゃねーかよ。今まで正直にしか喋っていないし、強欲にそれくれって言ったわけではなく、現実的かつ冷静に分析した結果を相手に伝えているじゃねーかよ。」
ジール「アホ?アホ?アホ?童話って意味わかってる?アホ?幼稚園や保育所から帰ってきた子どもが、パパー今日はね。幼稚園の先生が、金1グラムのお値段について話ししてたよって言ったらどう思う。」
松井塾長「た・たしかに。それは、問題だ。」
女神様「何でもかんでも正直に言えばいいってことではないんですよ!」
ジール「というかお前、言わなくていいことを言ってるから!何なら加えて言うと、気がつかなくていいことばっかり気がつくから。彼女に少し太ったねとか言わないだろ?え!気にしてることを言っていいってもんじゃねーんだよ人間社会は!」
松井塾長「納得できんわーーー。じゃあ、要するに銀の斧は俺のじゃねぇーわ。」
しばらく経過して・・・
女神様「あなたが落としたのは、この鉄の斧ですか?」
松井塾長「そうそれそれ。」
女神様「正直なあなたには、金の斧も銀の斧も差し上げましょう。」
ジール「やったー」
松井塾長「ヤッター(棒)」
その一部始終を隠れて見ていた不誠実な男がいました。
不誠実な男は、ボロボロに錆びた斧を湖に投げ入れました。
不正直な男「あーこの斧が、なければ、私は生活に困ってしまうどうしよう。」
女神様「何を泣いているのですか。」
不正直な男「私は、この湖に斧を落としてしまったんです。」
女神様「あなたが落としたのはこの金の斧ですか?」
不正直な男「はい。そうです。それが私の斧です。」
松井塾長「バカか?お前?」
不正直な男「え?」
松井塾長「お前、一部始終見てた?え?流れちゃんと見た?金の斧と銀の斧違う言ってからの鉄の斧が私のですって流れやったやろ?」
不正直な男「あーたしかに・・・」
女神様「あなたは、不正直な男なので、斧はわたしません!」
不正直な男「そんなーーー。」
男はたいそう後悔しました。めでたし・めでたし・
松井塾長「待った!」ジール「始まったよ(汗)」
松井塾長「おい!フローラ女神。冴えないフローラ女神とりあえず出てこい。」
女神様「・・・・・はい。何でしょう?」
松井塾長「本当にこれでいい?この物語?この物語これダメだよね?」
不正直な男「・・・と、いいますと・・・」
松井塾長「まず、この男。不正直な男じゃないよね。そして、この男、損失どころか得してるよね?」
不正直な男「え?なんで?」
松井塾長「まず、君は、ボロボロに錆びた斧を湖に投げ込んだだよね。」
不正直な男「えーそうです。」
松井塾長「それは何で?」
不正直な男「それは、湖に斧を投げ込んだら、金の斧と銀の斧がもらえると思ったので・・・」
松井塾長「だよね。かしこい男だよね。」
女神様「え、なんでですか?」
松井塾長「だってよ。湖に斧を投げたら、金の斧と銀の斧が手に入るってわかったら、基本みんな投げ込むぜ。というか投げ込まなかったら、金儲けする可能性があるのに全く挑戦もしないし、行動にも移さないことになるぜ。しかも彼は、ひょっとすると鉄の斧が帰ってこないかもしれないってことになるので、使い物にならない錆びた斧を投げてるんだぜ?それが賢い男じゃなかったら何なんだ?」
女神様「それは、まぁ、たしかに・・・。」
ジール「(やめろ!奴の口車にのるな!納得させられるな!)」
松井塾長「それと、男。お前は、錆びた斧どうするつもりだったんだ?」
不正直な男「いや普通に捨てるつもりでした・・・。あ!」
松井塾長「そうだ!お前、得しかしてないぞ!」
女神様「いや、しかしですね。人間、生きていくのには正直さが必要だと思うんです。確かに、そのなにかに気がついたり、それで挑戦することも大事ですけど、正直に生きていくことが素晴らしいんですよ。」
松井塾長「俺に嘘ついたのに?俺に嘘ついて時の勇者やらせようとしたのに?」
女神様「・・・・・・。」
松井塾長「じゃあ、俺みたいに全部、正直に言うのがいい?」
女神様「それは・・・。」
松井塾長「大事なことはさ!嘘も方便って言うけど、許される嘘と許されない嘘の境界線ってあるやろ。それを伝えて、自分たちで考えさせていくのが、教育じゃねぇーかなって俺は思う。」
女神様「確かに。」賢い男「それは、そうですね。何事もバランスってありますからね。」
松井塾長「決まったぜ!俺たちの方向性が!この木こりの男を湖の力に頼らないで成功させるために、俺と女神様が力を貸すのが、この金の斧と銀の斧のテーマにするべきじゃないか?それが、子どもたちへの教育ではないか!」
賢い男「でも、そんなこと俺にできますかね。」女神様「私も不安です。」
松井塾長「安心しろ!俺がいるじゃないか!」
賢い男「やれる気がしてきた!」女神様「私もやれる気がしてきた!」
ジール「(汗)(まず、この話。寓話だから!寓話だから!物語って、現実逃避のための作品だから!そして、そのやれる気がしてきたって・・・根拠、何!!!)」