表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

とじる鍵

作者: 涼吹 翼


あける鍵のほぼ続編といってもいいものなので、

これを読む前にあける鍵を読んで下さると幸いです。

あるところに鍵があった。


その鍵はこの世の物のすべてをとじる事ができた。


どんな家の扉や窓、どんな大きな金庫や小さな箱でも、


さらには人の心の扉さえもとじることができた。


今、その鍵はある子供の手に握られている。


その鍵はさっきそこの街角で拾ったもの。




町の中心の辺りが騒がしくなってきていた。


そこには人々がお互いを憎みあい、殴り、盗み、殺しあっていた。


その子供は鍵を使い、憎しみの心の扉をとじていった。


人々は正気に戻り、街がすべて元の形に戻っていった。


けがをした人のキズはふさがり、盗まれたものはすべて戻り、殺された人はよみがえった。




子供はいつも遊びに行く草原を見に行った


そこには草原の草を食べつくした虫や動物が飢えに苦しんでいた。


その子供は鍵を使い、虫や動物の食欲の扉をとじていった。


すると草原に草は生い茂り、花は咲き誇り、温かい風が草原を包み込んだ。




子供は草原を越えて海に出た。


そこには港町は海に飲み込まれ、船は沈み、空は暗雲に覆われていた。


その子供は鍵を使い、嵐の扉をとじていった。


すると海に飲み込まれた港町は元に戻り、沈んだ船は再び動き出し、空は真っ青に晴れ渡った。




子供は世界の果てまでたどり着いた。


そこには雷鳴が轟き地面が真っ二つに割れ、下には真っ赤なマグマが流れていた。


その子供は鍵をつかい、


最後の扉をとじた。




すべてをあける事のできる鍵とともに。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 閉じるより、開ける方が魅力的ですが、あえて憎しみを閉じたところに独創性を感じます。憎しみが開いたら、世界が大惨事になるというオチを、もう少しわかりやすく描写すれば、名作になるでしょう。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ