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世界をSFにするのは  作者: オダヤカニクツログ
9/70

    ②不精者の土曜日

当節目安(6分程度)※400字1分計算

 ピピピピピピピ・・・カチャッ。


 昨日比呂(ひろ)から両親のこと言われたからかな。


 今日は土曜。


 本来は休みなのでゆっくりしようと目覚ましなんかセットしないつもりだったが昨日、比呂との予定ができたのでやむを得ず。


 お陰で嫌な夢からは脱出できたけど。


 俺っていつから僕やめたんだ?


 洗顔を済ませ、適当に服を選び鏡の前。


 寝癖を整えて、平日同様にスプレータイプのワックスではい、いつもの髪型。


 別に女子と会うから気を使ってるわけじゃないんだからな!


 身なりを整えるのは最低限のマナーなんだからな!


 昨日は今後の具体的な話しはせずに取引の成立で終わったため、それが今日になった。


 まあ、女子との休日会う予定はちょっと嬉しい。


 ましては可愛い子だし。


 ただ行くのは面倒臭いな。


 ここからそう遠くはないが。


 今俺の住んでいる所は学校が提携している徒歩圏内のマンション。


 結構高級そうで普通に契約したらそこそこするが当校の生徒なら家賃は学校が全額負担してくれる。


 さてと、『ここから【良有ショッピングモール】まで』っと。


 徒歩20分。


 もしくは電車利用で7分、待ち時間も入れると21分。


 うわー。


 どうせ駅まで歩くなら直接歩いて向かうか。


 ちょっと早くに着きそうだけどゆっくり行くか。




 さすが学校に近いショッピングモールだな。


 まだ10時半なのに学校で見かけたことのある生徒が多い。


 約束は11時半。


 1時間前はちょっとどころではないくらい早くない?


 張り切ってるって思われないか?


 さてどう時間を潰すか。


 昼飯も一緒にするらしいから飲食店はもとより、カフェでもなにか食べてしまいそうだからな。


 飯のないところがいいか。


 本屋は立って読むの怠いし、1人でゲーセンはガラじゃないし。


 うーん、・・・ってあれ?


「こんにちわ。守仁くん」


「・・・んあ、よう」


 早!


 なんでいるんだよ。


 早すぎて第1声考えてなかったよ。


「お早いですね!」


「特に家ですることもなかったからな」


「あらそうですか。私はどうやら気が浮ついてしまって」


 へへっとウィンクをかまされ危うくときめいてしまいそうに。


 こんな自然にウィンクをできる子はアニメでしかみたことねーよ!


「まあ、それもあるかもな・・・」


「そうですか。ではこれからどう致しましょうか。お昼にはまだ早いですね」


 ーっな!


 ・・・しれっと、・・・だと?


「では1つお付き合いお願いできますか?」


「了解、なに?」


「本屋さんに行きたいです」


「なら3階だな、行こう」


 出会った場所から本屋までの道のり、近いのに長い。


 何話せばいいんだ?


「なんか読みたい本でも?」


「んー、確認ですかね?」


「気になること?」


「ええ」


 わざわざ確認するんだから気になることに決まってるだろこの口下手。


「結構大きいですね」


「な。探すのが大変そうだ」


「えっと、・・・あ!あちらです」


 ほーい。


 ・・・ん?


【理工学書コーナー】?


「少々失礼に値しますが、確認させて頂きたいことがありまして。守仁くんの得意分野はなんですか?」


「聞きたいのは理科か?なら物理の力学かな」


 まあ全科目に置いても得意なものは理科の物理で力学だが。


「・・・では・・・」


 まさかその分厚い本から出題する気か?


 比呂は適当に物理の欄から絶対に読みたくない様な学本を手に取り、嬉しそうにページを捲る。


「非圧縮流体として近似され、ストークス流として扱うことのできるその液体の粘度ηの測定法は?」


 そういうことか。


「実力を測るにしてもまた面倒なものを・・・」


「すごい!おわかりになるのですか?では完結に私にでもわかるようにお願い致しますね!」


「それはわからないが、・・・液体中の小球が重力によって落ちる速度を測定し、その液体の効力Fは『F=η・6π・r・v』。また小球の浮力を考慮し、小球の下方向の力fは『f=4π/3・r^3・(ρo-ρ)・g』。終端速度の時、Fとfが釣り合い、『η=2/0・r^2・(ρo-ρ)・g・1/v』」


「全く、本当に無作為に選んだのですが、・・・やはり理科の入試で学年首席には敵いませんね。私はまるっきり存じ上げない測定法です」


 そう微笑みながら本を棚に戻した。


 この1問でいいのか。


 ちなみに続きもあるが満足した様だからいいか。


「数問伺わせて頂こうと思っていたのですが、どうやら時間の無駄みたいですね」


「理科だけはな」


「その様でしたね。それ以外の教科は手を抜かれたのですか?」


 失礼だぞ!


 割と本気だったさ!


 てか本当になんでも知ってるな!


「そう思われてる方が格好はつくが残念ながら実力だ」


「その方が良いです。これで他の教科まで私より上なら立場がありませんからね!」


 ふふって。


 ふふってなんだよ!


 あれか?


 取り立てる側の立場ってことか?


「ごめんなさい。つい嫌味を言ってしまいましたね」


「そんな嬉しそうな表情で謝罪をされたのは初めてだよ」


「しかしながら改めて申し訳ありませんでした。お力を試す様な真似をして」


 今度は真剣に頭を下げてきた。


「いーよ、得意なことを披露するのは気分が良いから」


「そう仰って頂ければ幸いです」


「比呂は得意な科目はあるのか?」


「そうですね、強いて言えば数学でしょうか」


 数学かー、楽しくないんだよなー・・・っお。


「フラッシュ暗算とかできる?」


 さっきの物理の本の反対側の棚にフラッシュ暗算の本が目に入った。


「望む所ですわ」


 キリッとした、また頑張るぞお!って表情。


「じゃあ」


 適当に開いたページからペラペラと見せた。


「この問題」


「3574」


「おお、すごいな」


「守仁くん、捲るの少々遅かったですわ?」


「あそうなの?大体あんなもんかなーって」


 あれで遅いのか。


 じゃあ俺には到底無理だな。


 とかなんとか2人で目につく本から話題を貰いつつ程なくして。


「やはりまだ早いですが当初の目的地に行ってしまいましょうか」


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