④委員長の悪印象
当節目安(3分程度)※400字1分計算
「まずは医療委員を希望する者」
一斉に、ではないがすぐに3人が挙手をした。
「窓側から順に」
「私は両親が救急隊員です。両親の仕事は何回も手伝ったことがあるので、医療委員として協力したいです」
「俺は将来医療機器を開発する仕事を目指してる!だから医療委員としての経験が必要だ!」
「あたしは特に経験とかはないけど、勉強して皆んなの精神面?とか支えられたらなーって思ってまーす!」
人数も揃ったし次は諜報か、だと思っていたら。
「宇流、だったか。動機も薄く、経験がなくてお前にメンタルヘルスケアができるのか?」
「は?なにそれ、だから勉強するって言ってんじゃん、」
こっわっ、委員長高圧すぎ。
宇流さんも目が怖い!
「まっ、まあ!・・・この3人以外に候補者がいないなら決まりで良いんじゃないかな!宇流さんも勉強してみんなを支えてくれるってことだし‼」
「さすが女子の委員長!仲良くしようね!」
「うん!宇流さんもよろしくお願いね!」
「まあ、確かにいないのであればしょうがないな。医療委員はこの3人で確定する。3人とも気張る様に。次、諜報委員」
この雰囲気で決めていくのか。
・・・きついな・・・。
以降各委員少なくとも2人は立候補があり立候補した人達は何人か紳士の方の委員長に質問?尋問?されていたが全員お眼鏡に叶った様だ。
残りの未確定枠は。
諜報委員、補給委員、制作委員か。
「決まっていない3人はどうしたい?」
「では私は、諜報委員を希望します」
「その中なら僕は補給かな」
仕方ない、俺は制作か。
「2人のことは知っている。満を持して俺が推そう。諜報希望の比呂 瑚珠は俺と同じ中学出身でその時からずっと天才と言われていた」
なんだそれは。
「補給の間部 大智は皆も知っていると思うが競艇やサーキットなど、多種目のレースに最年少で参加してきたこの国では有名なレーサーだからな。乗り物を扱う委員として不足はないだろう」
間部選手。
聞いた事は俺でもある。
まさかそんな有名な選手がこのクラスにいるとは。
そんなことを考えているとある危機感を思い出す。
「残りの制作委員だが・・・自動的に守仁 工、お前になるのだがなぜ最後まで立候補しなかった?このクラスで役に立つ気がないか、それとも役に立てるスキルがなかったか」
理由と言われても。
てか2人には立候補しなかった理由聞かなかったじゃん。
しかも比呂さんに関してはすげー私情だし。
「後者だな。与えられた役割で切磋琢磨するよ」
「ふん。なんとも頼り難いことだ。まあいい。これですべての役職は決まった。これからは各々の役職で最大限の成果を出していこう。皆、改めて宜しく」
あの紳士のお陰で俺は大したことのないやつ、と言う印象になっただろうが実際のところは前者である。
恐らくどの役職でもクラスに貢献することはできるだろう。
中学まででそれこそ医療、諜報、広報、運輸とどれ程の社会経験をあのくそ野郎のせいでする羽目になったことか。
とかなんとか真剣に楽できる役職を絞り出していたら思いのほか皆んな立候補してたことで残り者の何もできない人となった。
まあクラスからの反感は買わなくて済んだけど。