ゲーム配信
【注】作者はFPSをした事がありません、差異などがあるかもしれませんがご了承ください
だけど書いてて楽しい
第六話、始まります
パラシュートで降下して、地面に着いた瞬間に近くの物資を回収しに走る
二つの物資郡が俺の近くにはあった
…一つ目はハンドガンに回復と弾薬、手榴弾あとはシールド
シールドーーーPSYではアーマーのほかにもシールドといって全方位に防御を張れるものがある
いかにも、SF感溢れる仕様だ
シールドを展開しながら二つ目の物資に走る
二つ目はアサルトライフルに弾薬、こっちにはスモークグレネードが入っていた
「近くの物資回収し終わりました」
『こっちも終わりました』
よし、紅葉もちゃんと教えた通り報告している
『分かりました、回復とシールドは各自で、火器はどうでしたか?』
「ハンドガンとアサルトライフルでした」
『ショットガンとハンドガンです』
『私はサブマシンガンでした、皆さん、自分が使えるもしくは使いたい武器を交換しましょう、集合場所は私が今いる建物の中でお願いします』
その場所ならもうすぐ着く
「了解」
『分かりました』
「とりあえず、着いたらアサルトライフルをクレハなに渡します、あと…」
『なんでしょうか?』
「サブマシンガンと投げ物が欲しいです」
『分かりました、それでは私はショットガンを』
『こっちはサブマシンガンの弾が大量にあるからソラに渡すね』
「ありがとう」
必要なやり取りを済ませたところで神綺さんの場所にたどり着く
紅葉はまだみたいだ
『サブマシンガンとあとスモークがあったので』
と言いながら、彼は流れるように物資を足元に置いていく
「ありがとうございます」
『遅れました』
そこに紅葉も到着する
…うん、最初にしてはよく動けている
『大丈夫ですよ、こっちの受け渡しが丁度終わったところでしたから』
『それって、遅れたのでは…いえ!なんでもありません!』
慣れないゲームと先輩のダブルパンチで完全に紅葉は緊張しているな
三人の装備が整ったタイミングでストームが発生する
『これは…中央市街が中心になる可能性もありますね』
中央市街は文字通り、マップの中央に位置していて建物が乱立している地帯…らしい
その場合、入り組んだ地形など面倒なことが多くなる
「それじゃーーー?!」
『気がつきましたか?さすがにやっていただけはありますね』
足音だ、ヘッドホンから反響する音、二人いる
一人は走っている、普通に考えて分かりやすすぎる
もう一人は潜むように歩いている
ヘッドホンの感度が良いおかげで拾えた音だ
もしかしたら、歩いている方は二人いるかもしれない
ここでとるべき行動は…
「俺が走っているのをやります」
『おまかせしてよろしいのですね?』
『なら私も』
「クレハは神綺さんと一緒に動いてくれ、絶対に一人になるな」
『…分かった』
「それじゃあ」
『よろしくお願いします』
ーーーーーーーーーーーーーーー
このPSYでは九種類のキャラを使って戦える
もちろん、そのキャラごとに特徴もある(神綺さんに教えて貰った)
キャラには名前もちゃんとついており
『ノルマンディー』
『ソロモン』
『トラファルガー』
『アリューシャン』
『サラトガ』
『ミッドウェー』
『レイテ』
『キスカ』
『バレンツ』
となっている
その中でも、レイテは特殊で
超能力が前提のこのゲームにおいて、一切の能力を持たないのである
代わりにあるのは全ステータスが他のキャラより少し高いというところだ
これを俺本人は有能だと思って使っている
が、派手な戦いをしたいプレイヤー達にとって
レイテは目立たないキャラである…不遇だな
そう考えながら、敵を追いかけていると
突然、相手がUターンしてこちらに走ってきた
そして、『俺を軽く飛び越えた』
「ノルマンディーか?!」
ノルマンディーの能力は『身体能力の一時的上昇』
青いオーラを纏っている間は移動速度も桁外れに上昇する
もちろん、他の能力同様時間制限もクールタイムもある、更には明確な弱点もある
まあ、その弱点もプレイヤースキルがあれば関係ないんだけど
そう思って、振り返った瞬間、
相手は壁にぶつかっていた
…この能力の弱点はこれだ
動きが早すぎて、キャラを制御しきれない
さらに相手は能力を発動するタイミングを間違えたのか、青いオーラは既に消えていた
「なら、何とかなるな」
手に持ったサブマシンガンの照準を相手が落下してくるであろう場所に合わせる
そして、落ちてきた瞬間、引き金を引く
近距離フルオートで放たれたサブマシンガンの弾の雨に耐えられるわけもなく相手は即座に気絶
そのまま俺のキルポイントになった
「終わりました」
『こっちもちょうど終わったわ、凄かったのよ!神綺さんの動き、二人まとめてショットガンでドン!って』
『あはは、そんな大げさにしなくても』
「とりあえず、集合しますか?」
『ストームが少し近くなってきたので中央市街に移動しながらどこかで合流しましょう』
「了解」
さっき倒したノルマンディーの物資を見るとどうやら銃が無かったようだ
弾薬と投げ物だけ拝借しておいた
ーーーーーーーーーーーーーーー
紅葉が凄いと言っていた、神綺さんの動きだが
確かに見事なものだ
相手の懐に滑り込んでゼロ距離からショットガンを叩き込む
思い切りのよい戦い方だ、見ていて楽しくなる
『ソラさんの動きも理にかなっていて素晴らしいものですよ』
「ありがとうございます」
上手い人から褒められるとさらに自分が無力に感じる現象って辛いよね
「そういえば、クレハは…」
『はい、回復とシールド』
「あっ、ありがとう…って、援護に徹しすぎだろ!もうちょっと頑張ろうよ!」
『え〜』
配信画面のクレハも紅い髪をブンブン振り回して駄々っ子みたいな動きをする
『だって、出来ないんだもん!』
「だってじゃありません!するの!下手でも当てる練習するのが大事なの!」
『下手って言った!』
『あはは、楽しそうで何よりです』
ーーー次の安置が決定しました
機械的な音声が流れたあと、マップに決定された範囲が反映される
…予想通り、中央市街が残った
「あとは…」
『私がメテオを撃ちます』
神綺さんの使っている、ソロモンの能力は『隕石』
文字通り、指定した場所を中心に広範囲を巻き込む大技で一試合一回しか使えない能力だ
逆に言うと、ソロモンはメテオを撃ったあとは何の能力も持たないレイテ未満のキャラになる
そのクセの強さから使用者は大抵、玄人だ
『いきますよ』
「お願いします」
次の瞬間、
ピリリリリリリリ!!と警報音が鳴る
これは、メテオが落ちてくるということを伝えるための通知音だ
メテオの落下予想地点を中心に流れるようになっている
そして、
ーーードン!
と小気味よい音をたてて、隕石が落ちてきた
その直後にはキルログに複数人の名前が載る
『残りは…私たち含めて六人ね』
「多分、相手もチームだな」
『つまり、最終局面ということですね?少々滾ってきました』
「それじゃあ、俺が偵察してくるのであとから来てください」
『お願いします』
ーーーーーーーーーーーーーーー
乱立する建物、入り組んだ道
どこにでも潜める
こういう場合は視覚より聴覚の方が頼れる
…耳をすまして、音を聞く
懐かしい感覚がする
中学生の頃はこんな高いヘッドホンじゃなかった
それでも、この音を聞く癖は変わらない
そして、
撃ち抜かれた
「スナイパー?!」
スモークグレネードを投げて煙の中に逃げる
『ソラ、大丈夫?!』
「何とかな…」
白煙を抜けて、少し狭い路地に入る
そこでシールドを再展開する
正直、シールドが無かったら即死だった
無音で撃ち抜かれたかつ射線が見えなかったということは
「キスカ…」
能力は『射線隠蔽』
文字通り、クールタイム毎に一発だけ射線を視認されずに撃てる完全スナイパー向きの能力
今回のように、消音器を付けていると発見は困難だ
「神綺さん!」
『ある程度の場所は把握しました、私がスナイパーをやります』
さすがだ、今の一瞬でキスカが唯一隠せない発射時の閃光を見逃していなかった
『私は?』
「今からそっちに行くから、クレハは俺の援護を頼む」
『分かったわ…って、キャッ』
「?!どうした」
今どきキャッとか言うんだな
『敵!敵!』
「了解、今すぐ…?!」
咄嗟にスモークグレネードを投げようとしたのをキャンセルして回避する
その直後、俺がいた場所を弾丸が通り過ぎる
リロード音が聞こえたからこそ出来た回避だ
「…サラトガ」
サラトガは今、紅葉も使っているキャラだ
能力は『隠密移動』
要は足音と着地音が出なくなる奇襲型のキャラだ
どうやら、俺に襲いかかるタイミングで弾が切れていたのだろう
「運がよかった」
としか言いようがない
とりあえず、今は紅葉だ
スモークを投げてスナイパーから隠れる余裕はない
即座に道へ飛び出す
狙撃はこない、上手に神綺さんが押さえてくれたらしい
走りながら手榴弾のピンを抜いて、角度を調整して投げる
さっきの路地のちょうど真向かいの壁にぶつかり、手榴弾はバウンドして路地の中に転がりこんでいった
そして、パン!っと少し軽く感じる音をたてて爆発した
敵の生死は関係ない、今大事なのは紅葉の場所まで走ること
彼女までの距離はさほど遠くない、すぐに彼女がいる建物の近くまで着いた
しかし同時に問題が発生した
「どうして、二階なんだよ!」
『逃げてたら、こうなったの!』
彼女がいた建物は二階建てで二階は昔のデパートの屋上のようになっている
二階へ上がるという動作をしている時間ももったいない
「今どこだ!」
『二階の外に出たところ!』
…見えた!相手はノルマンディー、だけど青い光は纏ってない
インベントリから最速で火炎瓶を取り出す
訓練所で火炎瓶は他の投げ物より遠くに飛ぶのは分かっている
「おらよ!!」
紅葉を追うことに夢中の敵は突然、横から飛んできた火炎瓶には反応出来なかった
パリン、という音とともに敵の身体が燃える
「これで…終わりだ!」
手元の手榴弾二個のピンを抜いて向かいの建物の壁に投げる
火炎瓶より飛距離が短い手榴弾は直接二階に放り込むことが出来ない
だが、建物の壁に当たった手榴弾は反射してもっと高く上がるようになる
そして、燃えて混乱している相手の近くに落下した
「飛び降りろ!」
『うん!』
二階から紅葉がジャンプした直後に爆発する
キルログが更新された
…正直、成功するとは思っていなかった
前にやっていたFPSでは何の問題も無く出来る技だがPSYで出来る保証は無かった
まあ、成功したし結果オーライということで
『すごい…』
「そんなにすごいことでもないぞ、出来る人は出来る技だし」
『ソラって、こんなにゲーム上手だったの?』
「いや、FPSは中学のころやってたぐらいだぞ」
『そう…?!ソラ!』
突然、紅葉が叫んだ
理由は簡単…
先程のサラトガが追いついてきた
「避けろ!」
とは言ったものの避けきれずに数発当たる
紅葉はさらに多く被弾してから建物の影に隠れた
PSYでの基準が分からないが相手の実力はだいたい、中の上くらいだろう
野良では勝てるがランクマで勝てない程度だ
ならお膳立てすれば紅葉でもやれる
相手は余裕なのかそれとも奇襲を警戒しているのか、歩いてこちらに近寄ってきている
「クレハ、俺が合図を出したら道に出て相手を蜂の巣にしろ」
『えっ?!私、そんなに上手くないよ』
「こういう土壇場のときに一番成長できるんだぞ」
『う〜、やればいいんでしょ!やれば!』
「いい子だ」
即座に上体を傾けて覗き込む体勢…リーンで相手を確認、フルカスタムSMGを撃つ
ガキキ!という音と共に相手のシールドが削れていく
そして、割れる
ここから、相手のする可能性がある行動は二つ
後ろに下がってシールドを再展開するか
突撃してくるか
前者は冷静な人間、後者はシールドの替えがないか混乱している場合だ
「下がった」
今回は前者だった
よって、俺たちの勝ちだ
「クレハ!」
『了解!』
ーーー最後の一個だ!やるよ!
紅葉が動き出すのと同時に俺は手榴弾を投げる
手榴弾は俺の予想通り壁に反射して、シールドを再展開している相手の足元に転がる
そして、隣で始まった紅葉の連射と同時に爆発した
正直、反動制御もガバガバの連射だったが
さっきまで、訓練所で動かない的には当てれる程度にはなっていた彼女の弾は
手榴弾で気絶した相手に、一発、二発と吸い込まれていった
画面上に『WINNER』の文字が大きく出る
…あれ?
「神綺さん!」
『あっ、こちらですか?そっちでドンパチ始める前には終わっていました』
「なら手伝ってくださいよ!」
『いやはや失敬失敬、つい観察してみたくなりまして…そして、確信しました』
「ん?」
『観察…確信…?』
紅葉も俺も神綺さんが言った言葉が気になった
『はい』
彼は少し静かになった
楽しいことをもったいぶる子供のように
そしてこう言った
『お二人とも、PSYの《第五回Vライバー限定大会》に出場してみませんか?』
最終兵器『手榴弾』
戦場において投げ物こそ至高である(あくまで個人の感想です)
少々早いですがブックマーク登録と評価ありがとうございます!
そして、申し訳ございませんが次の投稿は二週間以上後になるかも知れません…
それまで、待っていてくださると幸いです!
それでは、また次の配信でお会いしましょう
I want to see you again…(もうちょっと続きます)
今回から後書きにキャラ設定を書きたいと思います
まず最初は主人公とヒロインから
黒月 空(天望 ソラ)
巻き込まれ体質、自称敏感系の鈍感系、金欠、過去に闇あり(?)といったよくラノベ主人公が持ち合わせている要素をこれでもかと詰め込んだバラエティーセット主人公、もやしゲーマー
紅葉とは幼稚園に入る前から知り合いという完成された幼なじみ、結婚の約束はしてない
生まれも育ちも三重、関東弁と関西弁が混じる場所
天望 ソラは茶色の髪と目をしており少しワックスつけた感のある髪型
クレハとは同じ高校に通う同級生という設定
紅葉による付け足しで巻き込まれ体質が公式設定化した
月葉 紅葉(葉月 クレハ)
容姿端麗、成績優秀、なにをやらせても完璧、金持ち、いい子等々、空君が可哀想なほどできたチョロイン、AよりのB…せめてツンデレだったら
幼稚園のころから通算百回を超える告白をされ絶賛記録更新中、その全ての告白を『好きな人がいる』の一言で切り捨てた剛の者、絶対その人は気づいていない、気づいていないのに周りが気づいているから彼は面倒事に巻き込まれる、一日の最高記録は五人切り
生まれは東京だが、物心つく前に三重に引っ越してきた…お前は立派な三重県民だ
葉月 クレハは紅色の髪と目を持っており少し天パがかったロングヘア、もふもふしてそう
将来の夢はあの人のお嫁さんというアイドル系VTuberとしては有るまじき目標を掲げている
しかしリスナーは訓練済みのため初見さんが困惑するくらい
たとえ、二次元にもう一つの自由に作れる体を手に入れても大事な部分を大きくし忘れた可哀想な子
ヤケクソのノーブラ設定
それでも揺れなかった