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【別視点】内調での一幕

 「なに?C国のスパイを捕まえた?」




 内閣情報官、山地悠平は眉を顰めた。


 珍しい報告であり、何かあったという事の裏返しでもあるからだ。




 「はい、昨日8名のC国スパイが捕まったと報告に上がっております。」




 部下の報告に、さらに渋い表情をする。


 8名ものスパイが一斉に捕まったとなると、もはやただ事ではない。




 日本はスパイを捕まえる法律が無く、逮捕がしにくい国家である。


 それゆえスパイを捕まえるには、不法侵入や器物損壊、誘拐など一般人にも適用される法律を用いなければならない。


 また、せっかく捕まえてもスパイ罪が無いため、他国のような死刑や無期懲役などの判決を下せず、1年やそこらで帰国することができてしまう。


 このため、スパイを捕まえることは非常に難しく、捕まえたとしても情報を吐かせるのは非常に困難な仕事となる。




 必然的に大量にスパイが捕まるとなると、集団で何か企んでいたか実行したかということと結び付けられるのだ。


 首相の交代や同盟国の大統領選挙が行われることにより忙しくなっている現在、聞きたくない報告だった。




 書類から目を離し、部下の顔を見やる。


 すると部下は微妙な顔をしていた。




 「なんだ……?どうした?」




 嫌な予感がするが聞かないわけにはいかない。


 胃薬を用意しないといけないかなと思いながら、山地は続きを促した。




 「それが、捕まえる際の状況がとても奇妙でして……」




 思わず書類を見やる。


 そこにはスパイは企業のオフィスに侵入しており、通報を受けて警官隊が突入した時には全員が昏睡状態だったこと、全員の体内から麻酔に使われるイソフルランが検出されたことが書かれていた。




 ここまで読んだ山地は頭を抱えて言葉を絞り出す。




 「……つまり、この企業はスパイに侵入されることを想定していたということか?」




 オフィス内カメラを使っての通報がスムーズだったこともそうだが、何よりもそのカメラが相手に発見されなかったということだ。


 わざわざ小型カメラをオフィスに配置しておく必要が、果たしてどこにあるのだろうか。


 極めつけに、全員にイソフルランを吸入させていることから侵入対策がばっちりだったと言う他ないだろう。


 よっぽど秘匿したいものでもあるのだろうか?




 「この会社は……個人事業主なのにフェイク=リベリオン・ファミリーなのか。事業内容は今はやりのVTuberと。あまりこれと言った特徴は見当たらないように感じるが?」




 山地が視線を向けると部下が口を開く。




 「はい。しかし調べたところ、この会社のVTuberの配信内容の技術が異様らしく、他のVTuberを扱う企業でさえ難しい内容の配信を行っているということでした。」




 そこまで聞くと山地は耐えきれないというように机に頭を打ち付けた。


 そして突っ伏したまま言葉を絞り出した。




 「……つまりなんだ、その会社の、たかが個人事業主の配信のための技術をC国は奪おうとしてスパイ8人も潜り込ませ、その会社はしっかり重要性を自覚し対策をしていたと?どんな技術なんだよ……」




 全く予想がつかないと困り果てる。


 しかし、そんな山地に部下が助け舟を差し出してくれた。




 「おそらくですが、C国がこれだけ重要視して狙うということはAIやその関連の技術じゃないかと推測いたします。」




 その言葉にハッとしたかのような顔をして山地は顔を上げる。




 C国は現在AI戦争とも言える、激化しているAIの技術競争をリードする一角だ。


 この技術競争を制する国が次の時代の覇権国家となるとも言われる現在、各国が死に物狂いでAIの開発に力を注いでいる。


 すなわちC国が危険を承知で奪おうとする技術はAI関連のものである可能性が極めて高いのである。




 見当がつきはじめると、山地はすぐに指示を出していく。




 「よし、VTuberの配信に関わるAIの介在する技術を洗い出していけ。そしてこの事業主の桜井詩音の身辺も洗っておけ。話も聞きたいところだが、できるようであれば何とかつながりを作っておいてほしい。あと、こちらはあまり期待しないでおくが、スパイから吐き出させられるものはできる限り出しておいてくれ。次の閣議に一旦報告を上げるので、それに間に合うように頼む。」




 そしてため息を吐きながら次の書類へと手を付けるのだった。

ご主人様、こんしろーでございます。(真の清楚の一角)


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