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侵入

 「まだなのか。進捗はどうだ?」




 男の声が深夜のビルの廊下に響く。


 扉の前には別の男が座り込み、小一時間ほど必死に鍵を壊そうとしている。


 その後ろには数人もの男が待機し、何やら荷物をそれぞれが抱えている。


 全員がアジア系のような顔立ちをしていた。




 「それが中々頑丈にできていてかなり厳しいかと思います!」




 鍵を必死にいじっていた男が振り向き、そう訴える。


 


 「そうか…」




 指揮官らしき男が考え込む。


 そして後ろを向き命令する。




 「よし、ドリルを持ってこい」




 「いいんですか!?そんなに派手にやって……」




 部下が焦ったような声を出すが、全く動じずに指揮官は答える。




 「どのみち鍵をこんな風にしてしまったのでは気づかれる。ならば早く開けてさっさと撤退した方が良い。なに、どうやらこの会社は女独りでやっているようだし、対応は遅いはずだ。警察が来る前にやればそれで任務完了だ。焦ることなく確実にやれ。」




 指揮官の落ち着いた様子に部下たちにも安堵の空気が広がっていく。


 やがて、堅い扉はドリルで確実に穴を空けられ、ついに開かれることとなった。




 「よし、あまり時間は残されてはいないが、慎重にやれ。この作戦は何としても成功させなければならない。このAI戦争の覇者は我が国でなければならないからだ!」




 部下を鼓舞し、作業を進めさせる。


 実際、この日までに彼らは慎重に準備を進めてきた。


 標的のAI2世が興した会社の所在地からそのオフィスが入っているビルのセキュリティ、従業員の数までを綿密に調査し、敵国のハッキングが激化している情報を掴んだその日のうちに決行することにした。




 一人だけだと思われる20代前後の女性がオフィスを後にするのを確認し、深夜になってから突入を試みた。


 そして今オフィスのPCの前にそれぞれが座り込み、作業を行っている。


 ハッキングでは埒が明かないので直接本拠地からデータを抜き取ろうという魂胆だ。


 これなら確実にデータが奪えるだろうと思われた。


 しかし……


 


 「パスワードが特定できません!リアルタイムで変わり続けているようです!」




 「こちらも同じです!全く読み取れません!」




 PCの権限を奪えないという声があちこちから上がる。


 指揮官もさすがに焦りを覚え始めたのか、表情から余裕が消え、真剣に考え始める。


 直接PCからいじれば大丈夫だと踏んでいただけに、この状況は思いもよらないものだったらしい。


 何も成果を得られずに帰った場合、どのような責任を取らされるか分かったものではない。


 指揮官はしばらく考えた後、口を開く。




 「よし、あの女を拉致するぞ。パスワードを吐かせるなり人質に取って交渉するなりしてどうにか我々がこのAI2世を手にするのだ!」




 そして、数人がエレベーター前に陣取り、いつ来ても捕まえられるように準備を始める。


 元々、失敗した時に備え、何か知っているはずのこの女性を捕まえる手筈も整えていたのだ。


 最悪外交問題にまで発展する可能性もあり、この判断は慎重にしなければならなかったが、指揮官はいずれは争いが起きると思い、決断することにした。




 そして、長い夜を過ごし、エレベーターの到着音と共に現れたのは……








 武装した警官隊だった。




 「大人しくしろ!貴様らが武器を所持し、窃盗を行おうとしていると通報があった。全員手を上げ、取り調べを受けてもらう!」




 全員がピストルと盾を持ち、エレベーターの中から出てくる。


 そして、対象に目を向けると……








 「寝ている……?」




 そう、全員が突っ伏していたのだ。


 エレベーター前にも何人かがあおむけになって寝ており、あちこちからいびきが聞こえてくる。


 警官たちが警戒し、様子を見るが明らかに寝ていた。




 「と、とりあえず捕縛するぞ……」




 気の抜けたような号令と共に、警官たちは装備品のチェックと捕縛を行っていった。

ちゃおーん(贖罪を聴きましょう)


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