格付けはワインと共に
どんどんと問題が進んでいく。
宝石のブランド当てや、カトラリーのブランド当て、テーブルマナーの問題など、お互いがどんどんと正解していく。
オーケストラの中に混ざったヴィオラの音や、流された曲の作品名を当てたときは驚かれたし、ミレイやターナーの作品解釈を答えたときも、チャット欄はとても盛り上がった。
順調に進んでいると言っても良いだろう。
そして次はいよいよ山場の問題だ。
「審美眼を測るのも良いが、みんなはこう思っていることだろう。舌の方はどうなのか?と。どんな鍛え方をしているのか、さぞかし気になっているはずだ。というわけで!いよいよ食の問題だ!」
チャット欄が待ってましたと沸く。
高級食材や高級料理がどんなものかと興味津々な面もあるのだろう。
まずはシオンからだ。
シオンがルーレットを回す。
出てきた問題はワインだ。
「レイフ君にはワインを飲み比べしてもらいます!今回用意したのは、なんと五大シャトーのシャトー・ラトゥールの2010年とシャトー・ラフィット・ロートシルトの2011年です!二つとも当たり年ですが、実は売価が店によっては2倍ほどまでに差がついてしまう二つのワインです。レイフ君にはどちらがどのシャトーで、どちらが高いのかを判断してもらいます。」
ワインに少しでも造詣のある人たちが強く反応するが無理もない。
シャトー・ラトゥールの2010年は中々出回らず、店によっては16万円ほどもするのだ。
一方のシャトー・ラフィット。ロートシルトの方も大体8万から9万ほどで売られており、こちらも一般人には中々手が出しにくい代物である。
1配信の1問題のために20万円前後もの費用を費やしていることになり、その派手さがよく分かるというものだ。
飲み頃には少し早いのでもったいないという意見もあるが……
そしてこの値段から見てわかる通り、一見難問に見えるが実は簡単な問題なのだ。
五大シャトーと言えば、ボルドーワインの最高峰であり、フランスの中でも1,2を争うブランドである。
その5つの中でもこの2つのシャトー、つまり生産者のことだが、これらには大きな違いがあり、しかもこの2010年と2011年のものは、その違いが特にはっきりされているものなのだ。
シャトー・ラトゥールの特徴を一言で言い表すならば、「重い」という2文字で解決できる。
酸味はそれほどなく、渋みと果実の風味がストレートに突き刺さるのだ。
肉料理とよく合うため、重いものを好む傾向にある日本人には馴染み深いシャトーであると言える。
一方でシャトー・ラフィット・ロートシルトの方は「優雅」という言葉が良く似合う。
最後に入っているロートシルト、つまりかつてヨーロッパの経済を牛耳ったロスチャイルド家のシャトーであり、「王」や「筆頭」という言葉が使われることもある。
その味は、バランスが非常に取れたものであり、渋みや酸味、甘さや果実の風味がどれも欠けることなく、繊細に仕上げられている。
ここまで言えば、その見分けがいかに容易いか分かるであろう。
飲まなくても品評ができるのだ。
これはボトルとグラスを見せて、僕が感想を言ってしまえば良いという出来レースなのだ。
しかし、じゃあ誰が飲むのかと言われるともちろん詩音なわけで……
「さあ!始めてもらいましょう!レイフ君どうぞ!」
満面の笑みで僕に合図を送ってくる。
この後シオンは肉料理の食べ比べもあるのだ。
このコーナーは誰よりも詩音が待ち望んでいたものだろう。
やっぱりこの身体が恨めしい…
「これはサービス問題だな。こちらが重めなのでシャトー・ラトゥール。そしてこちらは絶妙なバランスを保っているのでシャトー・ラフィット・ロートシルトだ。」
詩音がキャプチャエリアを出て、美味しそうに飲むのを虚しい気持ちで見ながら、用意したセリフを読み上げる。
この身体になる前でさえも、中々飲むことが叶わなかったワインなのに……
舌が肥えても使うことのできなかった20歳の夜を、きっとこれからも悔やみ続けることになるのだろう。
どうもホロライブの清楚担当みんなのアイドル夏色まつりです~(清楚…?)
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