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幼馴染

 「え………?」




 今なんて言った?


 急な言葉に、思考が停止する。


 正直、言われたことを受け止めきれない。




 信じられないという顔を向けると、詩音は頷いて、さらに話し始めた。




 「ちょうど検査に行った後だったかな。どうだった?って聞いたの。そうしたら反応が薄くて…。その日は疲れたのかなって思って放っておいたんだけど、次の日に会ったときもやっぱり全体的に反応が薄かった。なんか変なことでもあった?って聞いたんだけど、返事は返すけど気持ちがこもってないって感じで…。」




 なんだそれは…?


 僕が廃人みたいになったということか?


 思わず詩音に質問する。




 「つまり、廃人みたいになってるってこと?父さんや母さんと会って何か話はした?」




 「うん、お母様と少し話はしたよ。心ここに在らずって感じだけど心当たりある?って聞かれた。家の中でもそうみたい。普通に過ごしてるし、喋りもするけど感情の起伏が乏しいって感じだね。」




 やっぱり廃人になっているみたいだ。


 でもそれならあのふざけたようなツイートはなんだったんだ?




 「それで、どうしたら怜輔が元に戻るか考えているときに、趣味を私も共通で持てたらいいんじゃないかなって思ったの。確かこのVTuberが好きとか言ってたなって思い出して。そしたらハマっちゃって。レイフ君に会ったのはそんな時だったんだよ。」




 詩音は続ける。




 「最初は凄い技術を持ったVTuberがデビューしたんだって思って見てたんだけど、見てるうちに可愛く思えてきちゃって。気が付いたら見事に一番の推しになってた。まさか中身が怜輔だとは思わなかったけど。」




 そう言いながら苦笑する。


 その顔を見ていると、なぜかしばらく見ない内に、少し変わったような気がした。




 「それで見てるうちに、少しレイフ君とお話ししてみたいなって思い始めたの。ちょうど怜輔にVTuberの話題を振っても変わらないなら、自分がVTuberになってその様子を見せてみたら何か反応示すんじゃないかって思ってたところで。自分は推しのレイフ君と話せるようになるかもしれないし、一石二鳥だ!とも思ったの。」




 いや、それは逆じゃないか…?


 レイフと話したくてついでにって思ったような気がするぞ。


 ツッコもうとすると詩音がニヤけ顔で遮ってきた。




 「それにしても、名前の付け方どうにかならなかったの?レイフは分かるよ。怜輔りょうすけの違う読み方でしょ?古英語のラルフの読み方とも被るしカッコいいと思う。でも、フェイク=リベリオンって…!」




 そこまで言って耐えきれなくなったのか、PCを載せてるテーブルを叩き始める。


 カメラから入ってくる映像が縦揺れした。




 「いいだろ、そんなことは…!一人訳の分からない空間に閉じ込められて変なテンションだったんだ!」




 恥ずかしくなって叫ぶ。


 思い返したら恥ずかしいからやめてくれ。




 しかしその言葉を聞いた瞬間、詩音の動きはぴたりと止まった。


 ポツリと詩音が呟く。




 「そっか、怜輔も一人だったんだ…。そりゃそうだよね、そんな状態で自分に連絡は取りたくないだろうし。私だってそうすると思う。VTuberでデビューしたのもそういうことだったんでしょ?」




 さすがに20年ほどを一緒に過ごしてきてはいない、か。


 そうだ、誰にも助けを求められず、話すことすらできない時間というものは本当に苦痛だった。


 どうしていいのか分からない状態の中で、何もできない状態に陥っていた時間は本当に窮屈なものだった。




 そうした中でVTuberとしてデビューしたのは正解だったと思う。


 確かに人と話せたのは、コラボのときの一回だけだ。


 しかも初対面で緊張もしていたため、落ち着いて話せたというものではなかった。




 それでも、あの空間に閉じこもっているよりかは、どれだけ良かっただろう。


 Twitterやコメント欄、チャット欄でひっきりなしに来る賛辞を知らせる通知がどれほど心地よいものだっただろう。


 アンチに絡まれるのは辛かったが、それも許せてしまうくらいには楽しかった。




 ただ、やっぱり今はまた違う気持ちが心の中に渦巻いている。


 この顔を見れてどれだけ安心することができただろう。




 詩音は何も言わずに微笑んでいた。




 そして、僕は、きっと変な顔をしていた。

我は最果ての魔王ディープブリザードである(初期から活動するお絵かき魔王様。10万人おめでとうございます!)


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