再会
ラブコメ始めました(思い付きではないので安心してください)
「え…怜輔?なんで…?」
目の前で見知った女の子が、眼を見開いている。
この驚愕している女の子の名前は、桜井詩音。
僕の幼馴染で許嫁だ。
お互い名門の家に生まれ、家同士の結びつきを強めるために、生まれると分かったときに親同士が結婚の約束を決めたのだ。
小さい頃からいつも一緒で、半ば兄妹のようにして育ったために恋愛感情自体が芽生えることは無かったが、家族同然のように思っていた。
まあ、許嫁とはいえ、親も本人たちの意思に任せようというスタンスだったために、形だけのものではあったが、互いを知り尽くした関係だということもあり、将来結婚することに対する不満も無く、20年余りを一緒に過ごしてきた。
ただ、こんなことになってしまったために、ろくに話もできずに会えなくなってしまったことで寂しさを抱いていたところだった。
事情を説明しようにも、メールアドレスも知らず、LINEもスマホからの認証をごまかしきれる気がしなかったのだ。
それに本物の僕と会って何が起こるか分からなく、怖かったというのもあった。
だから安易に本物の僕とは接触するような真似をするわけにはいかなかった。
でもなんで詩音がこれを購入したんだ?
今までVTuberにハマっていた様子なんて見たことは無かった。
確かにアニメとかはそれなりに見ていたはずだが…
それにこんなスペックの高いPCを持ってただろうか…?
見ていない間に様子が変わったのかもしれない。
「なんで、レイフ君のところに怜輔が…?でも怜輔は何もそういう素振りは見せてなかったし…ええ…?」
今はまず混乱している詩音に事情を説明すべきだろう。
少し、怖いが思い切って口を開く。
「詩音、少し落ち着いて聞いて欲しい。あり得ないことを今から説明しないといけない。」
そう言って詩音をなだめる。
とりあえず話は聞いてくれそうだ。
こうなった事情を一から説明していく。
詩音は口を挟まず、黙って真剣な顔をしながら聞いてくれた。
「こういう訳で、何とか脱出を試みてこんなことになったんだ。信じてくれとは言わない。それに、本物の僕が幸せに今まで通りの人生を送っているなら干渉したくはない。まだ返品手続きは間に合うから、手続きをして消してくれ。詩音を巻き込みたくない。ここまで話しておいて何を今更と言うかもしれないが。顔を見たらそれだけで満足したんだ。」
我ながら中々ひどいことを言ってるなと思う。
けれどこれは本心だ。
気が動転して思わずレイフの姿ではなく、本体の姿を見せてしまったが、そうしなかったことを今更ながら後悔している。
もっと適当なことを言って、心配させるようなことを言わずに済んだのではないかとさえ思う。
話しているうちに落ち着いてきたのだ。
顔を見ているうちに満足してしまった。
しかし、気づいたときには、もうどうにもならないところまで話してしまっていった。
けど、やっぱり巻き込みたくないのだ。
そもそも自分が今どういう状況に立たされて、何に狙われているのかがわからない。
自分をこんな存在にした松殿のRoplarh社も、どんな組織なのかが分からない。
そんな中で家族のように思ってきた詩音を巻き込めるだろうか?
ましてや詩音は生身の人間だ。
自分みたいにコピーして配布できる存在などでは決して無く、取り返しのつかないことになる可能性がある。
どう説得しようかと悩んでいると詩音が口を開いた。
「納得しきれない部分はあるけど信じるよ。そして返品は絶対にしない。できるわけがない。」
やっぱりそうなるか。
自分でもそうするし、詩音だったらそう答えるだろうなというのは分かっていた。
でも信じてくれるんだな。
改めて説得する方法を探そうとすると、詩音がさらに続けた。
「信じるっていうのは、最近怜輔の様子がおかしいなと思ってたところだったんだ。それもちょうどMRIに行った日から。」
血がないはずなのに、血の気が引くという気分を久しぶりに味わった。
ようこそモスコミュール放送局へ(もう2年以上経つのか。技術力が本当にすごいおじさま)
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