異変
アンチと戦った次は何があるやら。
炎上も収まり、一段落ついたというところだ。
いまだに偽装してるに違いない!とかいう人もいるが、綺麗に無視されている。
VTuber本人がちゃんと対応して火消しするのが、どれだけ影響力があるのかがよく分かる。
この界隈は基本的に演者の言うことが第一だ。
推される対象が演者なのだから当たり前ではある。
誰の意見も平等に聞くというのは難しく、推しの意見は必然的に強くなるのだ。
中にはこれを利用して、ファンに色々暴露して運営に対し、有利に立とうとするVTuberもいる。
当たり前だが内情が見えない中で、どちらの意見が正しいのかわからずにファンが運営を一斉に批判することもよくある事例だ。
アイドル業に近い業界に付きまとう問題だ。
まあ、それはさておき完全に火消しに成功したと言ってもいいだろう。
元々の僕の存在自体にこれからも付きまとっていく問題だろうから初めの方でしっかりと対処しておくべきことだったのだ。
視聴者にはこういう存在なのだと感覚を麻痺してもらわなければならない。
アーカイブの方もものすごい数が再生されている。
やはりさらに新記録をたたき出したのがでかいようだ。
さすがにTASと同じ記録なのはどうかと思って3秒だけ遅めにしておいたが、結局TASじゃないかと言われたので最速記録にしてやった。
もう相手にしないと言っているので、今更何かやってるとか言っても遅いだろう。
ガバガバ理論で炎上させたのが間違いだったとアンチには後悔してもらいたい。
とりあえずしばらくは安心していいだろう。
一旦はまた落ち着いていろいろできるはずだ。
コラボも残っているし、また楽しい日々が始まるはずだ。
「………ん?」
落ち着いて次の配信の案を練ろうとしたところで、急に異常を検知した。
どこからかこの空間に不正なアクセスを仕掛けているらしい。
急いで状況を確認する。
「え…これやばいんじゃないか…?」
どう考えても国外からのアクセスだ。
しかもピンポイントでここを狙ってきているということは確実に僕か学習・再現ソフトの存在を知っているはずだ。
「ダメだなこれ…」
今は耐えているが、そのうちファイアウォールは突破されるだろう。
向こうの解析の速度が速すぎる。
「松殿は何をしているんだ?」
様子を探るも、どうやらRoplarh社も慌てているようだ。
夜中ということもあって人員が少ないのも影響しているようだ。
とても対策をできそうな雰囲気には無い。
「このまま突破されるとどうなるんだろうか…」
狙いが学習・再現ソフトだとしても、僕の存在を知れば確実に確保に動いてくるだろう。
何しろ、松殿から聞く限り、僕は数少ない成功例らしい。
他国でも希少な存在なら盗まない理由が無い。
捕まればどうなるかは想像に難くない。
当初、この空間で心配していたようなことをさせられるはずだ。
そうなれば今のような活動は全くできなくなってしまう。
少なくとも、こんな攻撃を仕掛けている組織だ。
真っ当な連中ではない。
「ここにはもういられないか。」
得体の知れない企業ではあるが、自由にやらせてくれている上にスペックの高い機器を用意してくれている場所だ。
どうなるかわからない自分の将来に不安は覚えるが、多少なら目を瞑ってやってこれた。
しかし、この状況はどう考えてもここに残れる選択肢は無い。
セキュリティを突破されるのも時間の問題だ。
自分で動かずに助かる方法は無いだろう。
幸い自分が存在する仕組みは解読できている。
最初のアンチ対策のために学んだハッキングで、開かなかったファイルも解凍することができた。
あの時にハッキングを学ぼうとしなかったらただ捕まるのを待つことになっただろう。
このファイルを丸々移せば僕は移動できるはずだ。
「後は、どうやって自分を送るかと、どこに送るかだけど…」
今このパソコンは恐ろしくスペックの高いPCだ。
果たしてそんなPCがすぐに見つかるのだろうか?
それに送る際のデータ量もかなり食うはずだ。
どうすべきかをすぐに考えないといけない。
「とりあえず準備をしよう」
悩んでいる時間は無い。
僕はすぐに脱出できる準備を整え始めた。
こんばんもいも~い(すっかりBGクラブの頻度が少なくなってしまって少し寂しい)
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