黒幕ってなんだ
ジャンル別の週間ランキング1位ありがとうございます!
「そして、我々は色々な実験を行った。その結果、データを採取する人間に適性があるということが判明したのだよ。」
「それは、2つの条件を満たす人間だということが分かった。一つは、異世界転生などのある日突然自分が異質なものとして生まれ変わってしまう物語に親しみがある人達。これはやはり、急な環境の変化についていける素養が作られているという面が強いね。年齢が低くなるほどその傾向が強いみたいだ。」
「ちなみに、この状況を完璧に理解できているということで我々自身を基に作ってみたが、自分が偽物の方だと認識すると壊れてしまった。状況をわかりすぎているというものも問題らしい。」
松殿はどんどんと説明を重ねていく。
「そして、もう一つの条件は、物事を冷静に認識できて行動に移せるというものだった。自分がどういう状況にあるかということを把握した際に、自分はどうあるべきかを冷静に判断できる人間の方が壊れにくいということが分かったのだ。」
なるほど、ただこれだけの条件なら他にも当てはまる人は多そうだ。
しかし、次の言葉によって僕の考えは否定される。
「しかし、この条件は思ったよりもシビアなものだった。若くて完璧に自分の感情をコントロールできる人間はそう多くない。逆に冷静に判断できる実行力のある大人は、急な環境の変化から今まで逃れることのできた人間が多く、自分の立たされた状況に理解が追い付かなかった。その上で当てはまるような人間を選ぶとするならば、比較的修羅場を潜り抜けてきた若者だったんだよ。」
「え…?」
ちょっと待て。
「そう、君のような莫大な資産のある家庭で育った若者は、新興宗教の勧誘や誘拐といった社会の闇から標的にされやすい。子供が円満な家庭にとっての弱点であるからこそ、そこに脅しや友情、崇拝といったあらゆる手段を使って財産をゆすろうとしてくる。そういった経験や親の教育を通して、比較的何事にも動じない急な変化を受け入れられる人間性が若者のうちから作られていく。もちろん何事もなく幸せな家庭も多いが、我々は何かありそうな家庭の若者、つまり定期検診を受けに来た君を狙った。」
なんということだ。
たまたまでは無く、僕は狙い撃ちされたということらしい。
確かに、友人が新興宗教にハマって隣国で結婚式を挙げさせられそうになったところを無理やり止めた覚えもあるし、誘拐されかけたことだって何度かある。
家の周りをうろつく男の影に怯えたこともある。
家の資産を狙ったトラブルは絶えず、修羅場を潜り抜けてきたと言われればそうなのだろうという自覚もある。
まさか資産以外のものを狙われていたとは思いもよらなかったが。
どうりで普段にないMRIの検査が入っていたわけだ。
「結果、君は自分が偽物だということを自覚したのにも関わらず見事耐えきった。それどころか、我々の思っていた使い道とは違うが、学習・再現ソフトも上手く使いこなして見せた。これは称賛に値することだ。」
そう言いながら松殿は手を叩く。
「それで、これから僕にどうさせたいんですか?」
釈然としない思いを抱えながら訪ねる。
なぜ僕がここにいるのかは理解した。
しかし、今はこれが一番重要なことだ。
思っていた使い道とは違うと言うなら、一体何を想定していたのだろうか。
「いや、何も。むしろ今回は、我々が君を支援したいと思って声をかけたんだよ。」
「………え?」
はたから見たらさぞかし間抜けであったろう顔をさらして僕は固まった。
やあ、諸君!ピンキーポップヘップバーンよ!(平田ァ!)
【Vニュース】
にじさんじから周央サンゴさんと北小路ヒスイさんがデビューしました!
常闇トワさん、鈴木勝さん、お誕生日おめでとうございます!
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