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ブラック(ボックス)企業

 「我々は物理空間に存在し、細胞の分裂によって生命機能が維持されている以上、そういった身体的な制約からは逃れられない。これは当然の事実だ。しかし、AIを使うに当たって、使う方向性を決めるツールがあると、一気に利用しやすくなると私は思いついた。そして人間的な思考法を電子情報に変換できないか?という方向からアプローチを始めた。」




 一気に胡散臭くなってきた。


 つまりこれは情報工学の分野ではなく、脳科学の分野で話が繰り広げられているということだ。


 しかし、脳科学ではまだ脳の全体の役割は明かされていない。


 そんな状態で、とてもその研究に進めるとは思えない。


 必要な先行研究がなさすぎるのだ。




 「納得できていないといった顔をしているね。多分想像していることだと思うが、この目的を達成するには余りにもデータが不足していた。何しろ感情というものがどういうものかすら、まだ一部しか明らかにされていないのだからね。こんな状態で人間の思考能力を完璧に再現できるわけがないというのは当然の結論だった。」




 「………?」


 話のオチが見えない。


 結論が研究ができませんでしたということなら、僕は今ここに存在していないからだ。




 「しかし、そんなことは研究を始める前から分かり切っていたことだし、何より我々は人間の脳の機能の全貌を明らかにしたいわけではなかった。人間の思考のプロセス、感情を全てコピーして正常に機能させることが目的であり、手段はなんでもよかったのだ。そして、我々はそれを実現できるツールを既に手に入れていた。」




 「学習・再現ソフトか…」


 なるほど話の流れが見えてきた。




 「そう、その通り。我々はそれを使って従来の論文をすべて読み込ませ、人間の思考プロセスの傾向を掴み、プログラム化することに成功した。そしてMRIを使って人間のすべての電気信号を計測し、再現することに成功したのだ。」




 「は…?」


 さも簡単そうに言っているが、かなりのハードルがあるはずだ。


 そのプログラムが正しいのかどうやって検証するのか、MRIで測れない電気信号がある可能性は無いのか等々、パッと思いつくだけでも様々な課題が存在している。


 そんな状態では成功とはとても言えないだろう。


 話が飛びすぎじゃないだろうか?


 


 「もちろんこれには色んなクリアしなければならない学術的な課題がある。しかし、もう一度思い出してほしい。我々はこのAIを使うのにふさわしい使い手を作ろうとしているのだ。必要なことは我々と大差ない方法でAIを使うことであり、その上で欠陥が見つかれば修正していくという方法で十分なのだ。我々はこの技術を学会に発表したいわけではないからね。」




 「うーん…」


 聞けば聞くほど不可解な企業だ。


 研究にかかると思われる莫大な費用をどこから調達しているのか、社会に技術を発表しないでどうやって利益を産み出そうとしているのかが分からない。


 技術的な面は理解したが、全然企業としての全貌が見えてこない。




 「色々と聞きたそうな顔をしているが、質問は後でまとめてしてくれ。とりあえず話を進めよう。」




 「まあ、そんなわけで我々の系列にある医療機器メーカーの商品であるMRIに必要な部品を取り付けてこっそりデータ収集して回っていたわけだ。そして収集したデータを基に再現を行っていったのだが、ここでさっそく問題が起きた。」

ハローボー!ロボ子だよ~!(ホロライブからデビューしたときはびっくりしました)


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