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第13話

移動式要塞基地ラグーナ。

世界最新鋭の最高技術と最高術式を織り交ぜて創り上げた防衛システム。

小さな田舎の国が一躍、世界に名を轟かせたのはこのラグーナを創り上げたからだ。

ラグーナの最大の特徴はあらゆる魔法や攻撃を防ぐフィールド展開である。

レムリア独自に研究され搭載されたフィールドシステムに他国は太刀打ちできないでいるのが現状である。


あの世界の中心アストレア帝国でさえ、ラグーナの装甲にキズ一つ与える事が出来なかったのだ。



★☆★☆


「どお?ラグーナの搭乗の感想は?」


「全然、基地とか母船とかそんな感じじゃなくて、普通のお城の中って感じです」


「中間層は居住スペースだからね。

上層階は司令部、下層階は機械系になっているわ」


「そ、そんなに大きいんですか!」


「まあ、簡単に言うと動く要塞ね!」


なるほどと納得しながら何度も頷くクロードとアイラ。目に映る全てが初めてであっちをキョロキョロ、こっちをキョロキョロと落ち着きなくて首を動かしていた。


「ふふふ、今は新鮮に映っているけどそのうち慣れるわよ。何せよあなた達はこれからずっとここに居る事になるんだから」


「ーーえっと…僕達は」


「そうよ、ここが今日からあなた達の家よ」


クロードとアイラは顔を見合わせて、笑顔が溢れた。


そんな二人を一歩下がった位置から見つめるシャルル。二人の兄妹が今どんな気持ちか分からない。けれど、二人にとってこれは良かったんだと思っていた。どんな困難な道のりでここまで辿り着いたのか。どんな生活をしてきたのか。いつか二人に話してもらいたい。自然とそんな会話ができる関係にーーそんな気持ちだった。



********************


イズミにひと通り案内をされて、それぞれが個室を与えられた。

シャルルだけは特別室でクロードとアイラとは別の階だった。シャルルは最後までみんなと同じが良いと粘っていたが、最後は折れる形となった。


「シャルル残念そうだったね」


「僕たちより良い部屋なのに何がそんなに不満なのかな?」


「部屋ってよりも私達と一緒にいたかったんじゃないの?」


「一緒にいたいって言っても部屋は個室だよ」


「もうお兄ちゃんにはこういうの分からないかな‼︎」


眉をハの字にして大きなため息を吐きながらアイラは肩を落とした。



クロード達兄妹がシャルルのいる特別室に向かおうと、居住階から出ようとした。

向かい側より嫌な男がニタニタと薄ら笑いを浮かべながら近寄って来た。


「よお! お前どうイカサマしてエアーレース優勝したんだよ」


顔をマジマジと見つめながらクロードに近寄るライアン。クロードは近寄って来るライアンとは視線を合わせない。


「い、イカサマってお兄ちゃんがそんな事する訳ないでしょ?」


ライアンの言葉に顔を真っ赤にして言いがかりだと反論する。


「どうだかな?聞けばオンボロのドルフィンで勝ったらしいじゃないか?しかも相手はあのシュナイデルだろ。お前如き野良が普通にやって勝てる訳ないだろ⁈」


目一杯顔をクロードに近づけて睨みつけるライアン。クロードは一切表情を変えずに聞き流す。


「聞いてるのか?オイ! 何とか言えよ?

それとも図星で反論も出来ないってか?」


「ちょっと‼︎お兄ちゃんはちゃんと正々堂々とエアーレースで戦って勝ったのよ!それは全世界に放送されたのはみんな観てる」


「正々堂々…ねえ?俺もこのレース観てはいたんだが…レース終盤の砂煙…」


「……」


「あれで映像が見えなくなっただろ?」


「ーーだからなんなのよ!」


「お前、シュナイデルにいくら渡したんだよ」


「は???」


「それとも主催側と裏で何か繋がってるのか?それともーー」


クロードが眉のピクリと動く。


「そのドルフィンに細工をしてるんじゃないか」


その言葉にアイラはカッとなりライアンに掴み掛かる。


「私が命より大切な船に細工をする訳ないじゃない!」


「ーー何だお前⁉︎」


「訂正しろ!訂正しろ!!訂正しろ!!!」


父親の大切なこと形見であるドルフィンを馬鹿にされる事は今まであった。しかし、イカサマの細工をしていると言われるのは整備士として一番の屈辱だった。

そんな気持ちを堪え切れず涙を浮べながらライアンに掴みかかるアイラ。


「ーーっなせ!!」


アイラを振り払い突き飛ばす。


その瞬間クロードがライアンの胸ぐらを掴み上げた。


「妹にこれ以上手を出したら殺すぞ!」


「ーーんだ⁈ あん?やんのか!」


睨み合う二人。


パンパンと二回手を叩く音が聞こえ、二人の視線は音のする方へと流れる。


「はーーいここまで、続きは空の上はどうかしら?お二人さん」


まるでおもちゃを見つけた子どもの様な満遍の笑みを浮かべた煌びやかなドレスを身に纏った女性がこちらを見つめていた。


「確かシャルルの……」


「アリア、それはナイスアイデアだぜ‼︎

コイツらのイカサマをこの目で暴いてやる‼︎」


「ああ、僕も頭にはきている。丁度良い機会だ。どっちが格上か白黒ハッキリさせてやるよ‼︎」




 ーー クロードvsライアン ーー

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