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第9話

ーー数日後のレムリア航空養成所。


「本日付けでレムリア飛行部隊に所属する新しいパイロットのクロードだ。そして、隣が皆もご存知であるシャルル様だ」


飛行部隊長アルベルトが皆の前でクロードとシャルルを紹介する。


「ウルカニア出身のクロードです。宜しくお願いします」


「シャルル・F・レムリアです。宜しくお願い致します」


表情の硬いクロードと和かに明らかに場慣れしているシャルル、二人は丁寧に頭を下げた。


アルベルトが何度もメモを確かめ首を傾げながら不思議そうな顔でシャルルに訪ねる。


「シャルル様の隣にいるのは?」


「私たちの専属の整備士ですわ」


「せ、整備士ですか・・・はあ」





「何が専属の整備士に貴族のパートナーまで付けて、更に厳しい訓練を免除だとよ。下民のくせに!!」


「ああ、エアーレース観てたがたまたま砂煙が舞い上がったから、勝てただけだろ?」


「腹立つよな! 焼き入れてやろーぜ」


トイレから出て来たクロードを三人のパイロットが囲む。


「おい! あんまり調子にのるなよ」


胸倉を掴み睨むパイロット。


「これが貴族流の激励ですか?」


クロードは呆れ顔で三人を睨む。


「テメェは黙って殴られてれば、良いんだよ!!」


クロードの腹部にパンチを入れるパイロット。


「ーーーー!!」


パイロット殴った自分の拳を見つめている。


「お、おい。どーした?」


「こ、こいつの・・・」


「お前らとは、鍛え方が違うのさ。金の翼の勲章がまぐれで本当に取れると思ってるの?」


「くっ・・・」


クロードは、三人組を睨み付ける。


「僕は、覚悟を持ってここに来てる。それを邪魔するなら本気で相手になる。遊び半分で喧嘩売るなら来ない方が良い・・・」


クロードは三人組とのすれ違いざまに、


「僕は、手加減出来ないからさ」


三人組の一人の肩にポンと手を乗せクロードは去って行ったーー。


「あ、あいつの腹・・・まるで鉄板でも入ってるかと思ったよ」


三人組は、呆然とその場に立ち尽くした。




「あっ、クロード。捜しましたわ」


シャルルが手を振り、アイラとやって来た。


「ちょっとトイレにーー」


「もしかしたら、エアーレースの決勝戦の活躍が認められてラグーナに乗れるかもしれないです」


「らぐーな?」


クロードとアイラは、顔を見合わせ首を傾げた。


「えっと、ラグーナとはレムリアが誇る最先端技術を駆使して作り上げた、基地戦艦です。選ばれた人材しか登場許可がおりませんし内部は機密情報になってます」


「そんな凄い物に、僕は乗らせてもらえるの?」


「んー、まだ確定ではーー」


「クロードさん・シャルル様ペアはほぼ確定ですよ」


その声に振り返る三人。


「イズミ。お久しぶりです」


「お久しぶりです、シャルル様」


「クロード、アイラちゃん。こちらラグーナの副官長のイズミ・キャンベルさんです」


「初めまして、イズミです。クロードさんの決勝戦での活躍は、耳にしてますよ。大変期待してます」


イズミ・キャンベル。金髪の長い髪に黒縁の眼鏡をかけている。ラグーナの副機長を任されている女性。


「あ、ありがとうございます」


「そうでしたらイズミ、ラグーナの登場許可は取れてるのですね?」


「ええ、大丈夫ですよ。私が案内しましょうか?」


「お願いしますわ」



世界最高の勢力、アストレア帝国の最大の武器はゼノギアスと呼ばれる機動要塞だ。有りとあらゆる攻撃を回避し、『魔導粒子砲』を搭載している。


世界は、アストレア帝国の独壇場かと思えた。


しかしーー、レムリア国は、アストレア帝国に気付かれずに密かに極秘プロジェクトを進行していた。そして作り上げたのが、母船基地ラグーナだ。


最大搭乗人数五百人。搭載航空機二十機。


ラグーナ最大の武器は魔導シールドと呼ばれる特殊なシールドを展開しあらゆる攻撃を無効化出来る。ーーレムリア国最強の盾なのだ。



最強の兵力のアストレア帝国と最強の盾のレムリア国、両国の激突はもはや誰も止めることは出来ないのであったーー。






この日、クロード、シャルル、アイラのラグーナ搭乗の許可が認められたのであった。

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