わい、空気になる。
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「ここは……」
「世界樹デュルカラーンの中です。」
「リーザ!?」
「そうです。世界樹の力を借り、具現化しております。」
初めてリーザを見たが、見た目は俺のイメージする女神だった。
もちろん超絶美人でボインボインだ。
「女神様お久しぶりです。転生の時以来ですね。」
「おやおや、アルデルシア様の前でそんな事を言ってもよろしいのですか?」
まあ、薄々知ってたけどな。
運命の子は皆転生者だって事をな。
「だって、アンディだって転生者でしょ?シャンプーとかコンディショナーとか、温水便座とか……絶対そうだよ。」
「う゛ぇはっ!」
「バレバレでしたね。」
『わーい、リーザ様だ!』『本当だリーザ様!』
『ヴァルディヴァラム様もいるー!』『本当だ!』
『わいわーい!』
何か集まってきた。
何だ?このちっこいのは?
「この子達は妖精です。デュルカラーンを内部で支える子供達です。」
ほう、これが妖精……神話にしか出てこない亜人か。
「世界樹の結晶をもらってもよろしいですか?」
『うん。いいよ!』『いいよ!』『うんうん!』
めっちゃ元気良いなコイツらw
「エルファーナ様どうぞ。これに水の精霊の力を込め、エミリオ様の魔力に混ぜ合わせるように流せば、精霊力は戻ります。」
「有難う御座います。」
「悪いなリーザ。」
「いえ、9年後に返して頂ければ結構ですから。」
「やっぱそこか!」
「やはり見返りはね?」
リーザはどんな姿になってもリーザであった……
目的を果たした俺達は外へ出た。
「まっまぶしい!とけ……」
「お帰りなさい、リーザ様、精霊神の愛娘!」
わ……わいは?
「只今戻りました。しかしこれから直ぐにでも戻らねばなりません。先を急ぎますので失礼いたします。」
「はい!今はその時では無いので……次来た時はお願いいたします!」
「ふふふ、ご縁があれば是非!では失礼します。」
……やべえ。俺、二人のスカ〇ターに反応してないじゃん。
「アンディ。いこ!」
「ぉぉぅ。」
こうして完全空気と化した事はさておきレムリア城に戻った。
城に戻る頃には深夜となっていた。
そんな夜更けに精霊力を注入してくれている方々達には感謝しかない。
「只今戻りました、お父様。」
「戻ったかティファルディア。エミリオ殿を救う方法は見つかったのか?」
「ええ。今すぐにでもエミリオ様のところへ向かわせて下さいませ。」
「うむ。」
ここでも完全空気とかした俺はファナについていきロビンが世話になっている部屋へ案内された。
部屋に着くと早速ファナは世界樹の結晶をロビンの腹の上に置き、魔力を集中させ水の精霊を集めていく……
すると世界樹の結晶は綺麗な水色に輝き始めた。
「水の精霊達よ!世界樹の結晶へと集い!この者に再び力を与え賜え!」
ファナの詠唱が完了すると青白い光がファナを包み込み、世界樹の結晶がロビンの腹の中へ吸い込まれていった。
ファナが倒れかけたので、俺は優しく抱き止めた。
「ふぅ、終わったよアンディ。私は大丈夫だからエミリオ様を見てあげて。」
「有難う……ファナ。」
俺はファナに頭を下げる。
俺はロビンの元に行き、完全回復を使う。
すると……
「うぅぅ。」
ロビンの意識が戻った。
「ロビン!大丈夫か!?」
「あ…ああ……まだ体が熱いけどね。ここは?」
「レムリアだ。あれから3日も寝込んだんだ。しばらくゆっくりしなよ。」
「どうしてここに……」
「砂漠の部族に体の水を抜かれて意識を失ったんだと。」
「そうだ!僕は勝ったと思ったが……彼が僕に触れた後から記憶がない……そういう事か……」
「まあ、後はゆっくりしてろよ。後は俺達で……」
「だめだ!僕は最後まで……ゲホッ、ゲホッ……」
「……無理すんな。体が回復したら戦列に復帰すればいい……最後まで戦いたい気持ちも分かる。」
「うっうっ……」
「俺の見立てでは、フィルハザードとの決着まで少なくとも、後6ヶ月はかかる。待ってるぜ。」
「……ああ。すまない。」
こうしてロビンは無事、一命を取り留めたのであった……
いつも有難う御座います。




