わい、グラール砦攻略の前に……
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ルシェルが戻ってきた。
「親父、何だって?」
「ウェルバは責任をと取り切腹。騎士団長3名はさらし首にするから国へ連行しろだってさ。また僕が運んで来いって、2往復だよぉ?美味しいお肉用意しておいてね。」
「ああ、とびっきりの肉を食わしてやるよ。」
「そうそう、ウェルバの事だけど……」
ルシェルはウェルバの顛末を説明した後、元騎士団長3名をくくりつけ再びヴェルコニアへ向かった。
兄貴達にも事の顛末を説明する。
「そうか……ウェルバは腹を切ったか。」
「フィルハザードはやはり卑劣だね。」
兄貴達が各々の感想を述べ苦々し表情をしている。
しかし、その話題は直ぐにグラール砦攻略へ移行した。
「明日、グラール砦に攻め入ろうと思う。お前達の意見を聞こう。」
「初陣だから派手に正面突破と行こうよ。」
「バーンは?」
「セブンナイツを投入してウェルバの家族がいるか探りたい。あと2日欲しいな。」
「ふむ……補給の問題もある。2日しか待てぬが良いか?」
「ああ、それで良い。」
俺はセブンナイツに指示を出した。
一つは、ウェルバの家族を探し連れてくる事。
二つ目は食料庫から根こそぎ食糧を奪ってくる。
三つ目は武器を奪えるだけ奪う事。
7名それぞれにマジックバッグを持たせ侵入させた。
次の日の明け方
セブンナイツ達は俺の与えたミッションを完遂しウェルバの嫁と娘2人を救出してきた。
体は痩せ細り、手足の腱が切られており、汚物まみれであった。
そのなりから家畜のような扱いを受けていた事が容易に想像がつく。
先程から小声で「もう…ころして……」と呟いている。
「浄化!完全回復!」
ウェルバの家族達は一瞬で綺麗になったが、体は痩せたままであった。
俺は次の手として時空魔法を使いウェルバの家族を6年前まで戻そうとする。
「時空逆流!」
ウェルバの家族は元に戻ったが急速に魔力を失った俺はその場にバタリと倒れこむ。
「「バーン大丈夫か!?」」
「ああ、時空魔法は魔力の消費が凄まじいんだ……少し横にならせてくれ。」
するとウェルバの嫁が起き上がり口を開く
「あの……私達は一体……」
「お前達の体を6年前まで、つまり監禁される前まで時を戻した。今まで受けた拷問も無かった事になっている。」
「それでは……」
「娘も綺麗な体に戻っている。」
「ああ、夢みたいだわ……悪夢から覚めたよう……」
俺達は自分達の素性を話し、ウェルバからの手紙を渡す。
「夫は、先に逝ったのですね……」
「ああ、アンタ達を守ってな。」
「フィルハザード……フィルハザードが憎い!」
ウェルバの嫁が声を荒げ憎しみを紡ぐ……
「お前達はヴェルコニアに帰還しろ。フィルハザードは我々が打倒する。」
「お願いします……お願いします……お願いします……」
これで自害したりはしないであろう。
こうしてフィルハザードを攻略する理由がもう一つ出来たのであった……
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