慈愛の女神3
一応エルファーナは終わりますが、ペドロ編を挟みこんで本編に戻ります。
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お父様が従者として選んだのはペドロと名乗る近衛騎士だった。
20歳になったばかりで近衛騎士に任命された天才騎士。
職業は剣聖との事で戦闘クラスでは最上級であり、お父様が自信を持って送り出したレイムリファウン王国の最強各だ。
「ペドロ、よろしくお願いいたします。」
「はっ!命に代えましてもお守りいたします。」
ペドロの第一印象は黒く、そして暗い。
黒髪に茶色い瞳、浅黒い肌に黒マント。
必要最低限しか話さない。
アンディとは真逆のタイプだ。
「ペドロ、血塗られた湖はここからどの程度ですか?」
「馬車で2日に御座います。」
2日かぁ……気が重いよぉ……
この寡黙な男と2日間が少しだけ不安だった。
けれど馬車の中でもリーザの特訓はあり退屈はしなかった。
道中なに事もなく血塗られた湖畔の村についた。
「こんにちは皆様、エルファーナ・マリアンヌ・ティファルディア・レイムリファウンに御座います。只今から湖を浄化いたしますので着替える場所と休む場所を貸して下さいませ。」
「おお、聖女様。浄化をしに遙々と村にお越し頂き有難う御座います。出来る事があえれば何でも仰って下さい。」
村長は私の手を握ろうとしたが…
「無礼者……マリアンヌ様は聖女であり、我が国の第三王女にあらせられるぞ。手を握ろう……」
「よろしくお願いいたします。」
私はペドロを退け村長の手をギュッと握った。
「ありがたや。」
村長は深々礼をした。
「ペドロ、国民あっての国です。我々に心のゆとりがなければ、民はどう思うか考えなさい。」
「……失礼いたしました。」
ペドロは私の注意に眉毛一つ動かさなかった。
私は純白の衣に着替え日が落ちた所で湖に向かう。
明かりとして下位の光の精霊を呼び出している。
暗闇の中で踊る光の精霊は蛍のようであった。
光の精霊に合わせ私は舞う。
すると湖に水の精霊が集まりだし水面がざわめきたつ。
「聖なる浄化の光よ!悪しき邪気を祓い賜え!」
私を中心に青白い光が広がり湖を覆う。
そして真っ赤な湖の水が聖水の様な輝きある透明の水に変わった。
「ふぅ。」
倒れそうになった私をペドロが支える。
「失礼ながら見とれてしまいました。私は貴方の評価を上方修正しなくてはならない。」
「それは良かった。」
どうやらペドロは私を認めてくれたようだ。
先程まで発していた威圧感が消えた。
そんなペドロに私はニコッと微笑かけ村へと向かった。
「湖は浄化されました。しばらくすれば魚も戻るでしょう。しかし自然を敬うことが大事です。自然に感謝し、生きる事に感謝を続ける事で真の浄化は成されるでしょう。」
「有難う御座いました聖女様。これは気持ちで御座います。」
「私は聖女と呼ばれておりますが聖職者では御座いません。この国の王族として当然の事をしたまでです。そのお金は村の復旧にご使用して下さい。貴方が豊かになる事が私への報酬となりますので。」
「あ、あ、ありが……とう。ございます……」
村長並びに村人は私に深々と頭を下げた。
「このペドロ、感服いたしました。」
「私は当然の事をしただけです。誠心誠意で接すれば相手に伝わるのです。そこに打算は不要です。」
戦慄の聖女マリアンヌとして恐れられたエルファーナであったが、この浄化いこう奇跡を目の当たりにした者達は彼女をこう呼ぶようになった。
慈愛の女神マリアンヌと……
いつも有難う御座います。




