慈愛の女神1
10年前に時を戻そう。
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アンディを送り出した後、精霊神リーザが私の中に入ってきた。
そして今後の事を色々相談をして暫くは城を出る事にした。
「陛下、宜しいでしょうか?」
「どうしたのじゃティファルディア改まって。」
「わたくし、教育を受けたく中央教会にて学びたいと考えております。」
「むぅ、あそこは王族や貴族も関係なく厳しい環境じゃ。体が戻ったばかりのお前には厳しかろう。」
『これをヒトの世界では親馬鹿と言うのですよね。』
『やめてよリーザ!』
「しかし、わたくしはアルデルシア様に相応しい女性になりたいのです。それには己を磨く必要があると考えます。」
「ぐぬぬ。アルデルシアか……ならばやむを得まい。手配するから部屋で待ちなさい。」
「有難う御座います陛下。」
やったー!パパ大好き!
こうして私は聖天上神教国ルルバヌにある中央教会の修道院に入った。
入寮初日
バタッ!バタッ!バタバタバタバタ!
「「「「「「「マリアンヌ様!」」」」」」
前回ここに来た時と同様に全員平伏した。
いや、やめてー。
「いっそう神気が増しましたね聖女マリアンヌ様。大司教ラクガランに御座います。」
「おはよう御座います。わたくしは修道女としてこちらへお世話になります。正規に手続きもしておりますので平等に扱って頂きますよう、お願いいたします。」
「な、何故そのような……」
「社会勉強に御座います。」
この日、中央教会は揺れた。
聖女という大きな爆弾にどう接するか朝まで議論が続いた……
私はさっそく寮へ入った。
ルームメイトは私を含め4名だ。
「こんにちは、私ミュールって言います!」
「わたくしはエルファーナと申します。以後よろしくお願いいたします。」
「お、新入りだね?あたいはメルザネだ。」
「よろしくお願いいたします。」
皆と仲良くしたいと思い挨拶をして回ったのだが、1人だけ難しそうな顔をしてツーンとしている女性がいた。
「わたくしはエルファーナと申します。貴方は?」
「気安く話し掛けないで頂けますかしら?私はネルビク王国第一王女、イヴェンヌ・ミナリュ・ネルビクですわ。」
お、お姫様だわ!しかもCawaii!(世界の共通語)
「なあ、あんた修道院では王族も貴族も関係ないだろ?」
「そうですよ!ぶぅ!」
メルザネとミュールが加勢するが事を荒立てたくない。
「いえ、本当の事ですから。王女様、失礼いたしました。」
「わ、分かれば良いのよ……」
つ、ツンデレだわ!抱きしめたい!
転生前の腐女子の血が騒ぐ。
そして次の日
修道女の朝は早い。
ベッドの片付け洗濯から始まる。
自分で使うものは自分で洗うのがルールらしい。
そこからランニング後に朝食となる。
ふぅ。走るなんて何年ぶりかしら……疲れたぁ
そして朝食は質素なもので美味しくはない。
食事が終わり食器を洗えば次は学問だ。
自室から教室へ向かい各々の席へ着き、私も自分の席へ着く。
そして暫くすると講師が壇上に立ち出欠が始まった。
「ミュールさん。」
「はい。」
「メルザネさん。」
「はい。」
……次々と名前がよばれる。
すると先生の動きが止まる。
「ま、マリアンヌ様!?」
「はい?」
一斉に私に注目が集まる。
後で分かった事だが講師に大司教から圧力がかかり、ゴッドネームプラス様付けで呼ぶように言われたらしい。
一時間目終了後……
「ちょっと貴方!聖女マリアンヌ様だったの?」
「ま、まぁそう呼ばれる事もございます。」
イヴェンヌが詰め寄ってくる。
「じゃあ私と同等でいいわ。特別にイヴェンヌって呼ばれてあげる。」
「え、エルファーナで結構ですよ。マリアンヌはゴッドネームですし。」
「バッカじゃないのアンタ!?ゴッドネームって天上神王ウヴァヌス様が与えた名前なのよ!?教会関係者はゴッドネーム持ちのヒトをゴッドネームで呼ぶ義務があるの!」
「へ、へー。」
へーボタンをフルに押したい気分だった。
エルファーナ編も15歳になるまで書きます。




