わい、涙の別れ。
涙の別れです。
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祝勝会から2日後、ギルドから使者が来たので俺達は冒険者ギルドに行く事になった。
ギルドマスターの部屋
いつものようにロヴェインさんが対応する。
「おう、良く来たな。例の件だがダンジョンの消滅を確認しダンジョンコアも本物だった。報奨金はそのうち国からお前達の口座に振り込まれるだろうよ。」
「有難う御座います。」
「……んで、お前さん達はAランクへ昇進だ。」
「お待ち下さいませ。ダンジョン攻略をすればSランクへ昇進では無いのですか?」
「……通常であればな。」
「不都合でも?」
「早過ぎるんだよ。お前らはこの間Cランクに上がったばかりだな。」
なるほど……俺は理解した。これはギルドが悪い訳じゃ無いな。
「言ってる事の意味が分かりませんわ!基準は竜を倒した時点で認められるはず!」
「もう良いミカエラ。これ以上は言わすな。」
「でも……」
俺達は無言で銀のスプーン亭に戻った。
「世間体だよ。いきなりCランクのメンバーが竜を倒したって聞いたらどう思うか?って話しだよ……」
「でも本当に倒したではないですか!」
「だから報奨金や買取金もちゃんと貰えただろ?でも俺達パーティには元貴族が二人もいる。買収した疑いが掛けられているって事さ。」
「酷い……」
ロヴェインさんとミカエラさんは項垂れている。
「じゃ、いくつもダンジョンを攻略すれば良いんじゃないですか?」
一回でダメなら何回でもやれば良い。
「そうだね。悩んでいても仕方ない!そうしよう!」
そして俺達パーティはダンジョンを攻略する前に人員を増員した。
ドワーフの戦士ガンダフと魔術師のミゲルと名乗る二名。
小柄だが、ムッキムキのガンダフは大きい斧を武器にガンガンに攻める前衛だ。
ミゲルは水の特能の持ち主で、若く才能ある魔術師だ。
ララミオが鑑定を駆使しスカウトしたメンバーなのでステータスはお墨付きだ。
何でだろう?嫌な予感しかしない。
そして増員した俺達パーティは、2つ目のダンジョンの攻略も無事完了した。
「いやー。お前さん達、本当に強いのう。陰で金で買収したと抜かしたバカ共に見せてやりたいわい!」
「本当ですね。術士のお二人も凄い魔力ですね。」
新戦力二人も舌をまく。
俺達パーティは街へ戻りギルドへ向かった。
「おう、こっちへ来い。」
ギルドへ入ると待っていたとばかりにギルドマスターの私室へ呼ばれた。
「で、どうだった。」
「どうも何ものないわい。わしら無しでも十分に攻略出来とったぞ。」
「ええ。皆様素晴らし連携、そして強さでした。」
「え?」
「悪いな、試させてもらった。コイツら二人は俺の後輩の冒険者でな。お前らに同行させたって訳さ。」
ララミオ姉ちゃん、ガッツリフラグ回収してくれたな。
ララミオ姉ちゃん、口笛を吹いて誤魔化そうとしてもダメだからね。
「それでは……」
「ああ、Sランクへ昇進だ。」
「「やった。」」
「それと国からも表彰される事になる。良かったな。」
自分達の功績が認められ、皆とても嬉しそうだった。
だが、俺は国主催の表彰式に出る訳にはいかない…
「明日、何着ていこうかなぁ♪」
ロヴェインさんは浮かれている。
「俺は明日、行けません。」
辺りが静まり返る。
「どうしたんだい?急に……」
「俺は表彰を受けれない理由があります。それは……僕はこの国の……」
理由を話そうとすると止められた。
「アンディ。冒険者は自分の素性を話さないものだぜ。皆分かっているさ……お前はお前の道をいけ!」
ノルーンさん……久々に登場しましたね……
っで俺の道とは何でしょう?
「アンディ様にはお世話になりっぱなしですので……うっうっ……」
「ミカエラちゃん。笑って送り出して上げないと坊やも辛いわよ。坊や有難うね、楽しかったわ。」
「アンディ君有難う。君のお陰でぼ、ほく……僕達は立ち直れたんだ!」
ん??あれあれ??何これ?何をみんなは勘違いしているんだろう?何で泣いているんだ??
「あ、いや…そうじゃなくてアンディって名は偽名で実は……」
「分かっている。この国を影で支える伝説の大地の騎士なんだろ?」
「あっ、いやいやいやいや!勘違い……じゃないですか…?」
「やはりこの反応は大地の騎士で間違いない!」
「「「「やっぱり!」」」」
何だ?大地の騎士って?
しかもやっぱりって……
「俺はアンディを……いや、大地の騎士をこれ以上束縛するわけにはいかない……悲しいが……これがネルビク王国の為なんだ……」
これって、パーティを抜けなきゃ行けない空気ですよね?
他国の王族だから偽名とかまずいでしょって話をしようとしただけなのに……
「世話になったな……あえて言わせてもらおう……アンディ!今までありがとう!」
「い、今までお世話になりました!いずれどこかで会いましょう!」
俺は泣きながらこの街を後にした……
本日BMを2件頂きました!
いつもご愛読、有難う御座います。




