わい、家路につく
書ける時に書く!
運命の子供達はそれぞれの帰路につき、俺達も自分の家であるバーニアムへと向かう。
するとどこで聞きつけたのかフィルハザードの凱旋時より多くの民達が俺達を待っていた。
「アンディが帰ってきたぞ!」
「お帰りなさい!王子!」
「アンディタイムはまだか!」
「様になってるぞ!今日は英雄っぽいぞ!」
「太陽の王子!いや、太陽のおっさんか?」
「やっぱりしゃべらなきゃイケメンだな!」
「遊ぶところをもっと増やしてくれよ!」
「新しいスイーツはまだですか!?」
「お帰り!アルデルシア様!」
「アルデルシア様!」
「アーンディー!アーンディー!アーンディー!アーンディー!アーンディー!」
民達がそれぞれの思いを紡ぎ、どこからともなくアンディコールが起こると、それは瞬く間に広がり地鳴りのような声援がこだました。
「ったく、相変わらず不敬なヤツらめ。」
「顔がニヤけてるよ、バーン。」
「フッ、まぁ悪い気はしねぇな。」
俺達は手を振りながら、時には民と触れ合いながら、数時間をかけ、バーニアムパレスへとたどり着いた。
するとそこには……
「遅いよ折夫君!いや、アンディ!」
「ルシェル……」
「全く、困った弟だね。お帰り、バーン。」
「ただいま、ロビン……」
「本当にやってくれたな、バーン。ミラルドは大変な事になっているのだぞ?」
久々に兄弟達と、感動の再開と行きたいところであったが、何だか不穏な空気だ。
「あ、兄貴!っん?大変ってどういうことだ?」
「お前は……全く……」
兄貴は大きなため息をつく。
「バーンよ、我々は死んだ時の記憶がある。」
「ふんふん。」
「だが、なぜか甦った。それはバーン、お前がやった事だな?」
「おうおう。んで?」
「だが、甦った者達の中には歴史上の人物、伝説になった英雄や勇者達までいた。分かるか?」
「まぁまぁ俺がやった事だからな。」
「はぁ……それが混乱の原因なのだ!初代ヴェルコニアのベルク陛下やその側近、オルガード一行、滅びたはずのネルビク王家やロヴァンヌ公国やフィルハザード、ヴァリエス帝国!上げれば切りがない程の重要人物達が甦ったのだ!それがどう言う意味か分かるだろ!」
「ハッピーエンド?」
「馬鹿者!」
「いでっ!」
俺は久々に兄貴から拳骨をくらった。
そんな懐かしい痛みを感じながら感傷に浸っていると、奥から数名が顔を出した。
「アホかお前は。初代ベルク陛下が甦ったっとなれば、城を明け渡す他ないだろう。それに英雄オルガードやモウツェ、大賢者ウィンドゥルガンだぞ?だから俺達はここで暮らす事になった。分かるか?バーン。」
「それに、ここならばバーンに色々お願いがしやすいしのう。」
「親父!レイムリファウンの親父!」
親父達も元気そうでなによりだ。
「アルデルシア、子供が産まれたら、あやしてくれよ?」
「エルティアナの姉ちゃん!」
エルティアナの姉ちゃんも、お腹の子も無事に甦って良かった……
「お二人とも、もう式を挙げなさい。そうすれば叫びながらベッドで転がる事も無くなるでしょう。」
「エカチェリアお姉様!それは二人だけの秘密ですわ!」
エルクレア姉ちゃんの言葉を皮切りに皆が俺達をあおり始めた。
「おお!そうだ!エカチェリアちゃん!良いことを言った!式を挙げよう!」
「バーンも年貢の納め時だね。」
「そうだな。俺も身をかためる時が……ん?だれだお前?」
マキュリファンスが平和になり、ティファとの結婚を本気で考えたその時であった。
どさくさに紛れ、いつの間にか紅い宇宙服に似た全身鎧を纏った女性騎士が跪いていた。
次回最終回予定!




