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わい、すっかり忘れてピンチになる。

本日分です。

俺が到着したら結界を縮めろって言ったのにあのジジイ!全然言う事を聞かねぇじゃねぇか!


【ステータス・スティール・チェーン】は触れたものの能力を奪う性質がある為、ここでいきなりブッ放した場合、結界の力まで吸収してしまう恐れがある事から俺はセリュニガランのオッサンに結界を小さくするように頼んだのだが【念話】すら通じねえんじゃどうしようもねぇ……


「まぁ、いっか。」


俺が結界からなるべく遠くへ飛び、そこから【ステータス・スティール・チェーン】を放てば被害は無いだろうからな。


ちぃとばかし面倒だがしゃーねぇ。

ここから戻るとなるともっと面倒くせぇしな。


俺は心を決め、結界の外へ出る事にした。


すると……


「おい!ガキ…ち…め…ても……のか?………ルは……えねえぞ!スキ……う…なら……結界…………神器…………発動し……ぞ!」


セリュニガランのオッサンから途切れ途切れの【念話】が聞こえてきた。


多分結界を縮めても良いのか?

って言いたいのだろう。


俺は両手で◯をつくり【念話】でいつでもやってくれと返す。


しかし結界は縮まらず、またオッサンの怒鳴りのような声が【念話】で響いた。


「オメェ……じゃ……ぬぞ!」


全くもってお節介なオヤジだな……何喋ってっか分かんねぇけどw


俺は大丈夫だと言い、念話を切断して結界から離れた。


そして予想通り多勢の侵略者に囲まれたので、俺はスキルを発動させた……つもりだった!


しかし【ステータス・スティール・チェーン】は発動せず、侵略者に追っかけ回された。

侵略者の個別の能力は大した強さでは無いが、いかんせん数が多い……否、多すぎる。


牽制に魔法を使用するがこれもまた発動しない。


俺は焦った。


結界外に出ればスキルが使えると思っていたからだ。


では何故出ないのか?


俺は自分のステータスを除く。

ふむ、スキルは正常だ。


以前、同じような事があったが、その時はスキルが灰色になっていたからな。

じゃあなんで発動しないんだ?


ʅ(◞‿◟)ʃ



隣にヴィグスがいたら間違いなく八つ当たりをしていただろう案件だ。


ん〜セリュニガランはもうちょっとなにか言ってなかったかな?


あっ。


そう言えばさっき、途切れ途切れに『スキルが』とか『結界に触れていないと』とか言ってたような……

まさか!?


【念話】が発動していたのは結界付近だけだった…

つまり結界付近にはスキルを使えるなにかが存在する……

それは……


あっ。


基本的な事を忘れてた。

マナが無ければスキルが発動するわけないじゃん。

よくよく考えれば分かるもんだろ……


デュルカラーンが様々な力を吸い上げてマナに変換していたから、マキュリファウンスはマナが豊かな世界だったんじゃねぇか……


そうか【念話】が発動していたのは結界付近、つまりオッサンの力=混沌の力があったからか……


だから【言語理解】が発動せずにセリュニガランとの会話も上手く出来なかったんだなぁ……ん?じゃあ俺は何でセリュニガランと会話が出来たんだ?


俺はもう一度、自分のステータスを見直してみる。


するとそこには『セリュニガランの加護(極小):セリュニガランと直接会話が出来る』が追加されていた。


「ああ、あの時か……ってもっと良い加護つけろやオッサン!」


俺は悪態をつきつつ、侵略者達をいなし、結界へ向かい全力で飛んだのだった。




一週間に1話できればと思っています。

引き続きお願いいたします。

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