わい、オッサンの手伝いをする。
本日分です。
「いやぁ〜迷子になっちまってよぉ〜帰るにも帰れねぇし、どうしたもんかと思って力を辿って来たってわよ!」
俺はあえてありのままを話した。
それは相手が相当な実力者であり、こちらの内心を隠せる相手ではないと判断したからだ。
「ほぅ……結界の隙間を抜けて来た……って訳じゃねえようだな。おいガキンチョ、テメェはどこから来やがった?」
伝わる伝わらないは別として、ここも素直に答える。
「マキュリファウンスって言って分かるのか?」
「マキュリファウンス……おぅテメェ、ヴァルのところのガキか。」
ふむ、どうやらマキュリファウンスの事もヴァルディバラムの事もご存知のようだ。
俺はオッサンの正体に概ねのあたりをつけたが下手な詮索はせず質問に答えた。
「ヴァル?ヴァルディバラムのことだな?そうだぞ。」
「あのガキ……とんでもねえヤツを送り込んできやがったな……ん?もしや……ユラ達の代わりに……」
オッサンはブツブツと呟くと、しばらく考えこんだ後に続けた。
「おうガキンチョ。オラァよう、ここいら一帯を仕切ってるセルって者なんだがよう、外から来る侵略者つうのが入ってこれねえように結界をズッと張り続けてよう、ここから手を離せねえんだわ。本当はオレのガキどもが侵略者ってのを少しずつ間引いてくれていたんだが……随分と昔に馬鹿どもがいなくなりやがってよう、オレもお手上げなんだ。そこでどうだ?ガキンチョ。オメェがある程度の数を減らしてくれるんだったら帰る手助けをしてやっていいぞ。」
セルwクソワロwもっと上手い偽名が思いつくだろw
っが、なんとなく話しは見えてきた。
何故ヴァルディバラムが俺をここに飛ばしたのか、何故ジェフォリュの兄弟達とあの場で戦わずに撤退したかも……
そんな事を考え同時に解決策も捻り出し、俺はセルのオッサンに対し返事をする。
「なんだ簡単じゃねぇか。」
「はあ?」
オッサンは俺のあっさりとした回答に何言ってんだコイツ的な返事で返してきた。
「何やっても良いんだろ?」
「お、おう。」
「じゃあ俺が結界についたら、オッサンが作った結界を一回り小さくしてくれ。あとは一瞬で終わる……あ、結界から離れている奴等もやっちゃっていいのか?」
「出来るもんならな。」
「おう、任せておけって!」
俺はさっそく行動に移そうとしたが、セルのオッサンが急に俺を呼び止めた
「おう待てガキよう!一応、名乗っておけ、覚えておいてやるよう。」
「俺か?ヴァルディバラムが付けた名だとマキュレストってんだ。」
「へっ、物騒な名前しやがって……死ぬんじゃねえぞう。」
「へへ、任せとけって言ったろ。」
こうして俺は張り切って結界へ向かったのであった。
いつも有難う御座います。




