わい、ヒノモトから出る。
書けちゃったので投稿します。
ヒノモト編完結です。
5/5修正
凄絶な勇者の生き様に言葉が出なかった。
「そんな事が……」
「ブラド様を解放してくれて有難う。」
これで、ヒノモトも解放されたのだ……
しかし、俺には心残りがあった。
「ハヤトの爺さん」
もはや敬語は使わない。
「封印の間で修行を積みたい。1年程貸してくれ。」
そう、あのソックリゲンガーだ!
アイツら相手に全力を尽くして修行をする。
戦術、魔法、接近戦、全てを見直す必要を感じた。
「許可しよう。」
「それとソツギョウショウショをもらっておくか。」
「準備はできとる。ほれ、持って行け。それとこれもじゃ。」
俺は一振りの刀をもらった。
「これは?」
「免許皆伝の祝いじゃ。天魔竜月刀、勇者が最期に使っていた刀じゃ。」
「縁起は良くねぇがもらっておくぜ。」
そして1年間みっちりと鍛え抜き、俺は10歳になった。
鍛え終わった俺はシンテンジを巣立ち、各地を旅して回ってからヴェルコニアへ帰る事を決めた。
「ディーア、世話になったな。」
「おう!達者でな!」
ガッチリとディーアと握手をする。
お互い免許皆伝、各々の道を歩む事になる。
「でアンディ、どっか行くあてはあるのか?」
「ねぇけど、せっかくだから観光してかねぇとな。」
まずはメシと風呂だろ。
「んじゃあ、アレだ!東に向かえばキリザクラの街があるから、そこから行けよ。結構でけぇ街だぞ。」
「お、そういうのだよ!地元のおすすめな!」
俺は他の慣れ親しんだ仲間たちへの挨拶をし、シンテンジを後にした。
さらばシンテンジ!俺の青春の1ページ!
その後、俺は1年をかけてゆっくりとヒノモトを回った。
時には八つの頭がある竜と戦ったり、ゆっくりと温泉につかったり、米や味噌、醤油を買い込んだり、普段できない観光を楽しんだ。
あれ?何か忘れているような……
まあとりあえず帰るか!
船ぇ~♪ふね?うぉおお!
そういやぁヒノモトの周りは海流が発生していて、水竜が周回してい……
水竜エブライムカ!!
すっかり忘れてたw
救ってさしがげねう゛ぁ。。。
俺は海辺に立っていた。
エブライムカ戦についてはもう考えてある。
「くる!!」
ヴァアアアア
荒波をたて水竜が泳いでくる。
「土竜壁!」
俺は地魔法で海に10km四方の岩壁を創る。
ヴァコォオン!
エブライムカは当たり前の様に岩壁を貫通する。
「ふん、動きが少し鈍れば十分だな。」
出口で待ち伏せをし……
「空破暫!」
俺はシンテンジ仕込みの技でエブライムカの巨体を海から陸へ上げる。
「カスタムマジック雷電!」
次に高圧の電流を魔法で生み出し、エブライムカを気絶させた。
「ふぅ。」
俺は軽く汗を拭うと、炎のオーブから思念を具現化し、エブライムカの前に出す。
『エブライムカ……聞こえるか?』
『ブラド様…いや、ブラドか!?』
『そうだ、皮肉な事に予言が当たって解放されたよ。』
『そうか、お前はやり遂げたのだな。』
『ああ。お前もこっちへ来い。もう離さないぞ……』
『ああ、嬉しい……』
『太陽の子よ、介錯してやってくれ。』
「ああ。」
俺はエブライムカの首を斬り、水のオーブを回収する。
そして俺は二人の魂を解放した。
「なぁ創造神さんよぉ。どこかでコレを見てると思うんだが、あの二人の魂を来世は普通に巡り逢えるようにしてくんねぇかなぁ。」
聞こえているかは分からないが、希望だけ伝えておいた。
さあ、ミラルド大陸に戻るか……
しかし、俺は船が無い事に気づき、泣きながら泳いで大陸に辿り着くのであった。
そして更に後で気付く、転移か風魔法で飛んで行けば良かった事に……
いつも有難う御座います。




