わい、優しく抱きしめられる。
1カ月は空けないように頑張ります。
シェンを消滅させた後ティファを探したが何処にもおらず、土壇場で使役を解除したリーザ達がうまくやってくれたのだと思い、俺は訓練場を出た。
俺が訓練場から出ると、精霊神のレヌとボルガラ、従者のヴィグス、ツッコミの巫女、ティファの従者の女、そしてティファが暗い表情で待っていた。
ティファの姿を見つけホッとしたが、よく見ると皆が目を腫らしており、涙を流した後が見てとれた。
するとティファがこちらにゆっくりと近づき、そっと俺を抱きしめ耳元で囁く。
「マキュレスト……やはり試練に打ち勝ちましたか。さすがですね。」
その口調ではティファでは無く、リーザである事に直ぐに気づいた。
そしてその声は微かに震えていた。
「ん?リーザか?どうしたんだ?おおげさだぞ?」
「……少しだけ……もう少しだけこのままにさせて……」
「お、おいおい……」
リーザは母親が自分の赤子を抱きしめるように、俺を力強く、そして優しく抱きしめ続けた……
俺にはサッパリこの行動の意味が理解できなかったが、リーザの好きにさせるようにした。
それからどれ程の時が経過してのであろうか?
俺を抱きしめたままリーザは語り始めた。
「そのまま聞きなさいマキュレスト……先ほど貴方を正気に戻す為、ミルーザは自分の力を全てを使い果たし、生命の危機に瀕しています。今は私が憑依し、命を取り留めていますが、それは時間の問題であり、蘇生は不可能です。」
「ま、まじかよ……」
俺はそこで自分が取り返しのつかない事をしてしまったと自覚した。
「安心なさいマキュレスト。ミルーザは私が助けます。」
「な、何だよ。蘇生不可能って言ってたじゃんかw焦らすんじゃねぇよ。」
しかし、リーザと周りの空気は張りつめたままであった……
そしてその重い空気の沈黙を破ったのはツッコミの巫女だ。
「リーザ様!やはり考え直して下さい!フェムリュ融合なんてあまりにも残酷過ぎます!私達はまだリーザ様の導きが必要なのです。」
「控えなさい!ドドライナ・ミフォルティナ!マキュリファウンス……いえ、ヴァルディバラム様が求めているのは私では無くこの子達なのです!」
「は?何だよそれ。フェムリュ融合だって?」
フェムリュとは魂、限りなく近い生命体と魂を融合し、その力を何倍にもする禁呪だ。
それをリーザがティファに使うっつうのか!?
アレは確か母体に入り込む方が消滅しちまうって……
俺はそんな事にならないよう、策をねる事にした。
「時間がありませんマキュレスト。恐らく貴方はヴェヌやシェンから情報を聞き出し、私が何をしようとしているか気づいているでしょう?であれば貴方は私の意思を継ぎ全てを成しなさい……マキュレスト……私は貴方の事を本当の自分の息子の様に思っていました……そして……」
「はっ!?こうすりゃ万事解決じゃね?てぃ!」
「「「「ふぁ?」」」」
リーザは大事そうな話しを続けていたが頭に何も入って来なかった。
このまま放置するとリーザとティファが融合しちまうって言うんだからよぉ。
そして俺はパッと閃き、ティファの身体から抜け落ちている力を創造し、パズルのピースのようにソッと埋めこんだ。
するとティファは生命力を元に戻す事に成功した。
この後、俺がこの場にいた全員から蜂の巣にされた事は言うまでもないだろう。。。
未更新期間中も誤字報告やご愛読して下さった皆様、誠に有難う御座います。
今後とも宜しくお願いいたします。
構想的には2章があと数話で3章(最終章)に突入する予定ですが、思った以上に時間が取れない状況です。
更新頻度はそうとうスローになりますが暫しお付き合い下さいませ。




