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わい、やっと本題を切り出す。

本日分です。

「おいおい、随分と落ち込んでいるみてぇだがこのままじゃ終わらせねぇぞ?国が滅んだとはいえ、俺はミラルド大陸の統一国家である、ヴェルコニアの正統な王位継承者だ。お前達の不敬は目に余るものがある。そうだろ?」


「…………」


俺の正論に転移者と騎士共はぐうの音も出ず、ただ全員がうつむいていた。

そこで俺は矛先をエルダエダへと向ける。


「おい、ヒトの神王。」


「む?」


「テメェ達が召喚したんだろ?コイツら。」


「そうじゃ。」


「それじゃあコイツらのケツはお前達が拭かなきゃいけねぇなぁ?おぉ?」


「そうじゃな……」


「んで、どうケジメをとるんだ?」


「ではお主達の世界のルールにのっとり最大限の謝罪をしよう。申し訳御座いませんでした。」


「え、エルダエダ様!!」


ヒトの神々の王であるエルダエダは他の神々の制止を振り払い、俺の目の前まで来て土下座をした。


だが俺はそこで許す態度を示さない。


「謝れば何でもやって良い訳じゃねぇだろ。俺はお前達の事を考えて話し合いの場を設けた。それを聞く耳を持たず、一方的にドブに捨て剣を向けた…それにソイツらは自分達の方が強いとの確信を持ちながら殺しても構わないとまで言ったろ?それに対しお前は良い薬になると言って放置した。違うか?」


「お主との真の戦力差は分かっておったがゆえに見守る事にしたのだ。」


「お前のそういう所がコイツらの慢心を生み、天上神共に敗れ去ったんだよ。」


「なに?」


俺の言葉が気に食わなかったのかエルダエダは鋭い眼光で俺を睨む。


「コイツらがマキュリファウンスに来たのは10代のガキの頃だろ?そんな奴らがいきなり力を持てば舞い上がるに決まっているだろ。お前も所詮はヒトの中身を見ず、ステータスの数字でしかものを見れないクソ野郎って事だ。」


「………」


「その者の本質を見極め短所を正し、長所を伸ばすのが指導者だ。甘やかすばかりが全てプラスになる訳じゃねぇ。お前は自主性を重んじたのかもしれねぇがそれはただの放置だ。そじゃあヒトは育たねぇんだよ。それに……」


「ま、まだあるのか……」


一度は気に食わない表情をしたヒトの神王であったが、次から次へと出てくる俺の口撃に勘弁して欲しいと言った表情をしていた。


「お前はバーニアムとレイダムにヒトの生き残りがいる事がわかっていながら何故地球人を召喚した?そのままリスクを背負わずに隠れていれば、ヒトが滅亡する事はないと確信していただろう。」


「我々にとってヒトは、全て我が子も同然じゃ。逃げ遅れたヒトが数多く残されておったがゆえ、我々は異世界の住人に助けを求めたのじゃ。」


「だったらその異世界人の面倒をとことんみろよ!今回の責任は全部テメェにある、ケジメをとれ!」


「ふむ、ではワシの命で勘弁してくれぬかマキュレスト。」


ほう、神々はもっと傲慢なものと思っていたがコイツは随分と大物だなぁ。

俺は自己犠牲の精神を持つヒトの神王……改めエルダエダを見直していた。


さて、エルダエダの意図が分かったところで話しをまとめますか。


「ヒトの神王の命か……まぁ、対価としては悪くねぇだろ。」

「お待ちになって下さいアルデルシア王子!エルダエダ様は……」


「うっせぇ!!外野はすっこんでろ!お前からぶっ殺すぞ!!」


俺は割り込んできたイヴェンヌに出来るだけ威力を抑えた威圧を放ち黙らせる。

すると芋虫状態の竜児君が口を開いた。


「ち、違う……イヴェンヌ王女もエルダエダも……」


「相楽君!安静にしていないと!」


「は…濱口。ここは俺に…しゃ…喋らせてくれ……」


「おう、何だ芋虫。特別に喋る権限をやるよ。ホレ。」


このままだと竜児君は本当に死んでしまうので、俺は四肢は蘇生させず傷だけを癒し話せる状態にしてやった。


「フッ。生殺与奪権は全てそちらと言う事か……」


「まぁ、そう言うこった。」


竜児君は自分の体調が回復した事を確認すると、キリッとした表情で俺の眼を見つめて続けた。


「失礼いたしました、アルデルシア様。今までの無礼は全て俺の責任です。エルダエダではなく俺に責任を取らせて下さい。お願いします!」


短い謝罪であったがその表情からは揺るぎない覚悟を感じて取れる。


「い、いえ!私も!私もアルデルシア王子にご無礼を働きました!私、イグニス•アークハイドもどんな罰も受け入れます!」


「ぼ、僕も同罪だ!僕も罰して欲しい……いえ!裁いて頂きたい!」


「お、俺も…」


「わたしも〜」


よしよし、やっと全員がこっちを向いてくれたか。

んじゃ、本題にいきましょかぁ〜。


「おう、そうか。それが全員の意見だな。エルダエダを救う為に全員俺の言う事を聞く。それでいいな?」


「はい!」


「じゃぁさっきも言ったが……」


皆が固唾を飲んで俺の言葉に注目をする。


「お前達は邪魔だからこの城の防衛をしておけ。あとは何もするな。以上だ。」


「「「「「は?」」」」


俺の答えに数名が気の抜けた返事をした。



またしばらく更新が鈍ると思いますが、引き続きお付き合い下さい。


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