わい、勇気を出す。
何気にもう一話できたので更新します。
結界から言うと捕虜は無事だった。
が、天使計画を行っていたジャグナスが消滅した事により、天使化が解けた元天使達はその時の記憶を全て失った上でヒトに戻っていた。
彼らはジャグナスの操り人形であった為、行き先が無くなってしまった経緯もあり、結局はヴェルコニアで預かる事になった。
幸いな事に、拷問された時の記憶も全て無くなっていた。
いやぁ〜!ご都合主義ですなぁ。
「まぁ、僕の心や彼らの潜在意識には悪臭に対するトラウマが残ったと思いますがね……」
「悪かったって言ったろ。」
「ゔゔゔゔ、消臭を浄化したと言うのにまだ臭い気がします。。。アルデルシア様、臭いませんよね?」
「大丈夫だっちゅうの。お、そうだそうだ、リーザから言われて骨休めにこれからティファと温泉にでも行こうと思うんだ。お前も一緒に来るか?」
「良いですね!………あ、でも何かあったら……(さすがはリーザ様だな。コレは絶対二人きりにしなきゃいけないヤツだ。)」
「ヒトの神もいるし大丈夫だろ?」
「いえ、お二人で行って来てください。僕はお城の浴場で洗い流しますから。」
「そうか。んじゃドドライナも誘ってみ……」
「いえ!お二人でどうぞ!僕もドドライナも難民達に対しての会議がありますので!」
「そうか……あんまり気を張るなよ?明日の夕方から今後の方針を決めるから、それまでは自由にして構わないぞ。」
「はい!(アルデルシア様がいない方が精神的に休まりますのでご安心下さい!)」
こうして俺とティファはゆっくりと温泉へ行く事にした。
場所はヴェルクハイブ家にとって始まりの地だ。
「ふわぁ〜懐かしいな〜フィユーラかぁ。ここは変わらないね〜バーン。」
「ああ、施設に対して他人から見つからないような幻術と、劣化しないように時の魔法をかけておいたからな。」
「フフ、用意周到だね。」
「まぁ、俺専用の隠れ家だからな。しっかし、お前も良く覚えていたな。」
「……忘れる訳ないじゃん。バーンに連れていってもらった場所は全部が私のかけがえの無い思い出だよ。」
「???あんだって??」
ポソっとティファは何かを呟いたが俺には良く聞き取れなかった。
「バーンこっちこっち!」
「うぉ!話しを逸らした!つうか置いてくんじゃねぇよw」
良かった……
ティファが楽しそうで何よりだ。
だが、俺は少し……いや、だいぶ緊張していた。
何故緊張しているかって?
それはこの話しの後半で分かるであろう。
それから俺達はたわいもない会話をしながら1時間ほどお湯につかり外へ出た。
日は既に落ちており、メドの花が暗闇の中で月に照らされ、蒼く発光しており、幻想的な風景が広がっていた。
「ティ、ティ、ティファルディア!!」
「どうしのバーン?顔が少し強張っているけど?」
メドの花の光に照らされたティファの瞳が俺をジッと見つめてくる。
この表情により俺の緊張はMAXへと駆け上がって行く。
「あ、あのさ、俺達はその……家が無くなってほら…許嫁とか解消した…じゃねぇか……」
「う、うん…」
なっ!何をいっているんだ俺!
ティファの表情が暗くなっちまったじゃねぇか!!
「けけけけけけ、けどよぅー!お、俺は…その〜なんて言うかその〜お前の事が……」
「うんうん!!」
くそ!ベルク!親父!そして兄貴達!俺に少しだけ勇気を分けてくれ!
ティファも初めてみるようなキラキラした瞳で俺を見つめてくる。
「その〜」
「うんうん!」
「すすすすすすす〜……」
「す!?」
「いや違うな……あああああああ、あいああああああいしああああ……」
「あいし!?」
「んんんんんんん、……コレも違う……」
「じゃ、じゃあもっとストレートに言っちゃおうよ!」
「けけけけけけ………」
「け!?けなの?けって何!?」
「あああああああああ!!もうダメだ!コレ!受け取ってくれ!」
「へっ?コレは!?」
俺は自分の思いを上手く伝えられず、オレンジダイヤでつくった指輪を渡した。
「ええ!?こ、コレはそういう事で良いの?バーン。」
「お、おう。俺を幸せにしてね。」
「それ、私の台詞だと思うけど……」
「ま、その言葉はなんだ…その…けけけ」
「バーン、結婚しよう。私がバーンを幸せにしてみせるよ。」
「いや、それは俺が言いたかった台詞だな……」
「フフフ。もう待てません。」
「じゃ、じゃあ、そのなんだ。よろしく頼むわ!式は当分先になると思うけど婚約って事だな。」
「うん。嬉しい!」
こうして無事?俺とティファは再び婚約をした。
結婚式は一区切りするまで出来ないけど、これで一つ気持ちの整理がついたのであった。
コレで天上神編は終了となります。
次回からは新たな種族との抗争にはいります。




