地球人、ダンジョンを攻略する。
今日の分です。
「じゃあイグニス、俺達が先行してみるから注意点だけ指摘してくれ。」
「畏まりました。斥候隊、前へ。」
「はっ!」
俺達(俺と省吾の二人だけだが……)はイグニス隊と共にクララルドのダンジョンへ来ていた。
他の学生グループに関しても旧ネルビク騎士団と組んでダンジョンへ出向いているが、上手くやっているかは疑問だ。
特に濱口と東条……
「ではリュージュ殿、シューゴ殿。ダンジョンについてご説明いたします。」
こちらの住人には竜児や省吾などの日本語発音が難しいらしく、何だか違う名前で呼ばれるが指摘するのも面倒なのでそのまま呼ばせる。
「ダンジョンには多くの魔物が棲息しており、下層に進む程に魔素が濃くなり魔物が強力になります。これは下層に進むにつれ魔界に近づくからだと言われております。また魔素が濃ければ濃いほど貴重な素材が入手できる事になりますがそれだけ危険が増します。」
「なるほど、じゃあズンズン下層に進んで行けば良いんだな。良し、行くか!」
「あ、ちょ、ちょっと!」
俺はあまり気の長い方じゃない。
軽く説明を受けたところで先へ進む。
「お、竜児。魔物がいるぜ。お先!」
「おいおい、先は長えぞ。」
「魔物!?気配を感じませんが……」
省吾はびゅんと走り出し、100m先の魔物を狩った。
「しゅ、縮地!?」
どうやらイグニスの目には省吾の動きが目に映らなかったらしい。
「いや、普通に走っていっただけだぞ。さ、ちゃっちゃと進むぞ。」
「さ、さすが殿下の客人だ。Bクラスの魔物の群れを瞬殺するとは……これは本当に大陸を統一できるのではないだろうか……」
イグニスは放心状態で何かを呟いていた。
「ほら、置いて行くぞ。」
「は、はい。」
そんなイグニス達を尻目に、俺達はさっさと先へと進んだ。
「おい、省吾。ハリキリ過ぎじゃねえか?」
「おう、そりゃそうだぜ。実はよう、イグニスが俺のど真ん中ストライクなんだよ。お前も協力しろよな。」
「まじか!?」
「どうしたのですか?リュージュ殿?」
「いや、何でもねえよ。」
「???」
そうか、省吾にも春がきたか……俺はサポートに回ろう。
こうして省吾の活躍もあり、俺達はあっという間に最下層へ到着した。
「たった一日で最下層へくるとは流石です。失礼な事に私は貴方達を甘くみておりました。」
「いや、俺は何もしてねよ、全部省吾がやった事だ。」
アシストしたぞ省吾!ここで決めろ!
「ふっ、さっさとダンジョンコアを抜いて地上へ戻るぞ。ついてこい。」
っておーい!お前、そんなキャラじゃねえだろ!
「ふっ」ってお前、産まれて初めて口にした言葉だろ!
あちゃ~……こりゃダメだ。
「はっ!皆の者!シューゴ殿に続け!」
ん?以外と上手くいってるのか?
うん省吾、そのまま頑張れ……
こうして俺達はダンジョンを攻略し、様々な素材を入手してクララルドの街へ戻る事となった。
だがその夜、会議は荒れた……
今日はここまでになりそうです。
明日は何話か更新いたします。




