地球人、種族の決定
更新します。
「では、さっそくじゃが種族を選んでもらおうかのぅ。」
「すっげえ!種族まで選べるのかよ!」
「私、何にしようかしら。」
ここに残った連中の大半はゲーム感覚でここにいるのであろうか?
種族だぞ?ゲームじゃないんだから一度決定したら元に戻れるかどうかも分からないんだぞ?
リセットも効かないんだろ?
コイツらは大事なものが欠けている……
ここは慎重に質問すべきだ。
「質問です、神様。」
「何かな?」
「うるせえぞ相楽!すっこんでろ!」
俺が神に質問しようとすると、野次が飛ぶが俺は構わず続ける。
これで異世界の生活が決定するのだ。
いちいち他人の事なんて気にしていられるか。
「種族の特徴や特性を教えて頂けますか?それから種類はどれだけ存在するのですか?」
「た、たしかに……」
先程ヤジを飛ばした者は押し黙る。
「ホッホッホ、全てはお主達のイメージじゃ。ワシがお主達にマナを送り込んだ時に、何になりたいかを頭にイメージし力を込めればその種族になれる。特徴や特性もイメージのまま……いな、イメージ以上の能力に目覚めはずじゃ。」
なるほど、そのイメージとやらが重要んだな。
俺は考え張り巡らせた。
その後、俺の質問を皮切りに、他の生徒達はたわいのない質問を神と名乗る老人に続けていた。
「み、見た目もそうなのか!?」
「もちろんじゃ。」
「おおお!すげぇじゃん!早く!早くやろうぜ!」
「空を飛ぶ事も出来るのか?」
「それは種族の特性もそうじゃがスキルやアビリティで可能じゃな。」
「うぉおお!ここに残ってよかったぜ!早く魔物を狩りてぇな!」
「もう、ええかのう?」
「敵は?どんな敵なんだ?」
俺の相方である伊丹翔吾からの質問で、場が静まりかえる。
そう、俺達はこのマキュリファウンスと言う世界の住人が手をあぐねる強敵と戦うのだ。
敵が分からねば種族を選びようがない。
「竜人や獣人、精霊じゃ。」
「お、同じ人間なの!?それって戦争じゃ…」
「同じなどという事はない!あ奴らが一方的に侵略してきたのじゃ。ワシらが創造神様から賜った楽園に……」
神と名乗る老人の剣幕に、怒鳴られた女子生徒は涙目だった。
「すまんのう取り乱してしもうたわい。他に質問はあるかのう?」
その後、いくつか質問は出たものの大したものは無く、皆は思い思いの種族へと進化を遂げていった。
そして俺がイメージしたもの、それは神々を超える者という漠然としたものであったが、それでも出来る限りの強い者をイメージしたつもりだ。
さて、どのような影響が出てくるか楽しみだ。
しばらくチュートリアル回が続きそうです。




