原始への帰還2
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降りてきたのは4匹。
精霊っぽいガキ、竜人族の大男、金色の獅子の獣人、白い翼の生えているイケメンの男。
「いや~久しぶりの楽園だね~あとでミフォルティナに褒美をあげないとね。」
「失礼いたします。ウヴァヌス様は?」
ルドルフは一行に跪き話し掛ける。
「ガッハッハ。ウヴァヌスは潔癖じゃからのう、自分の子に地上を浄化させてから降りると言っておったぞ。ホレ。」
「ラシアヌスだ。父ウヴァヌスよりお前の事を頼まれている。さっさと片付けて天上界へ行くぞ。」
「は!」
ルドルフは神気を集中させると、姿を変えた。
その姿はまるで天使のようだった。
そして、ルドルフは俺の元へ一直線に歩いてくる。
しかし、そこに立ちはだかった者がいた。
「おうおう、強そうな獲物がえれぇいるじゃねぇの。」
「どけ、ディース。貴様に用はない。」
「そう言うな!って。」
ディーアはルドルフに一撃を入れ吹き飛ばす。
「さすがはディース……神化してもまだ届かぬか……」
「フッ。ヒトはやはり野蛮だな。」
「ほう、アレで運命の子供では無いのか。一体何者だ?」
「ガッハッハ。ワシが行こうかのう!」
4体は楽しそうに話す。
「テメェら全員で掛かってこい……俺の本気、見せてやるよ!」
と、ディーアが力を込めた瞬間、大きな地震が起こり、海から巨大な龍のような生物が現れ一瞬にしてディーアを喰らって海へと潜っていった。
「ディース殿!!」
ディーアを追ってレオンも海へと潜って行く。
「何だ今の生物は……ガラドラン。お主の差し金か?」
「違うわい、ワシのせいにするなグヴァン。」
「ふむ。どちらにせよダビストめ……勝手に海に飛び込みおって……」
竜人と獣人が何やらもめている。
すると妖精のガキがこっちへフワフワと飛んでくる。
「ねぇマキュレスト、覚えているかい?転生前に話しをしたのをさ。」
「その声は……テメェは……」
「正解だよ。僕はリーザに変わって新たな精霊神の王になったヴァグスだ。そして他は竜神王と獣神王、それに天上神王の長男さ。」
「……」
体が動くなら今すぐにでもぶっ殺してぇオールスターズじゃねぇか。
「マキュレスト、君は本当に僕達を驚かせてくれたよ。本来であるならば、マーザを倒して君が魂ごと消滅して終わりだったのに……随分と楽しませてくれたね。」
「ざけた事いってんじゃねぇよ……」
「フフフ、ヒトって言うか異世界人って本当に面白いね。おっと準備が出来たようだ……じゃあ使命の完了ご苦労様。僕は仲間達を精霊界から呼ぶ仕事があるからこれで。じゃあね、マキュレスト。」
「く、くそったれ……」
言いてぇ事だけ言いやがって……
「アルデルシア様……いや、マキュレスト。神々の母を殺した罪により、貴様を裁く。」
ルドルフが再び俺に近いて来る……
「「させるか!」」
「ヴィグス、バラムディア……今の貴様達では私に傷つ一つつけられぬぞ。むん!」
「「ぐわぁああ!」」
レイとヴィグスが立ちはだかるも神化したルドルフに軽く吹き飛ばされる。
「では……」
「まて!吾輩があいてだ。」
「ゲルドラン……貴様……何のつもりだ。主に逆らうつもりか。」
「吾輩が主はアルデルシア様だ!貴様、アルデルシア様がマキュリファウンスの為にどれだけ心身を削ってきたか分かっているだろう!この方はマキュリファウンスの未来に必要な方なのだ!ここでやらせる訳にはいかぬ!」
「……そんな事は分かっている。だが、神王の言うことは絶対だ。ヒトは必ず裏切る。その男も例外ではない。」
「では、致し方なあるまい!行くぞルド……ぐわぁああ!」
戦いになりそうな2人の間に竜神王が割って入った。
「黙れゲルドラン。お前には再教育が必要であるな。妹と共に幻獣界へ転移させてくれよう。ぬん!」
竜神王ガラドランによりゲルドとプリンちゃんはどこかへ転移させられた。
「もう邪魔者はいないな?」
「ふざけるな!ダルアード!貴様の信念はどうした!」
「……私は元々ウヴァヌス様の子であり使者だ。マキュレストに仕えていたのはウヴァヌス様の命令だからだ。」
「違う!貴様は自分にウソを……うっ!」
「この女も再教育かな。」
ユーフォルビアは天上神の長男に気絶させられ放り投げられた。
そしてついにルドルフの剣が俺に振り下ろされる。
「さらば……アルデルシア様!」
俺にはその剣に対し避ける事すらしなかった……
次でラスト。
……かも知れませぬ。




