わい、喧嘩する。
シンテンジでの修業編のスタートです。
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ヨーコの姉ちゃんと浜辺を歩いていると……
「鬼だ!隠れるよ!」
「何で?鬼って保護種なの?」
「んな訳ないだろ。鬼は再生能力が高い上に、とんでもない豪力なんだ。中には妖術を使う鬼もいるし、あんたなんか一瞬で……あっ!まちな!」
なんだ。
やっちゃって良いんだ。
先を急ぎたかったので、ズンズン進むと案の定、鬼が襲ってくる。
30体だ。
ヨーコの姉ちゃんが後で叫んでいるが、よく聞こえない。
俺は襲ってくる鬼の戦闘パターンやスキルを確認しラーニングしながら倒していく。
魔法も鬼特有の魔法なのか、面白いものがあったりで良い経験を積めた。
そんなこんなで遊びながら戦っても殲滅までに30分もかからなかった。
「あ、あんた何者だい?」
「ヴェルクハイブ家の三男!」
「ミラルド大陸のヴェルクハイブ家ってのは化物なんだね。」
否定はしません。
途中、食料の調達は魚を釣りつつ食べていった。
まぁ僕ったら食事する必要は無いんですがね。。。
そして鬼を倒し進むこと3日目
「あそこがシンテンジだよ。」
「はや!10日って言ってたじゃん!」
「普通は鬼と出くわしたら迂回するか、いなくなるまで待つんだよ!しかも釣りで海竜をつっちまうし!生きた心地がしなかったよ!」
そこはあえて触れなかったのに……
「ヨーコの姉ちゃん有難う!」
「ああ。しっかりやるんだよ。」
俺は面倒見の良い、くノ一と別れた。
俺はシンテンジの門に歩みを進める。
そして門番に紹介状を渡した。
「私はミラルド大陸から来たアルデルシア・ヴェルクハイブと申します。こちらににお世話になりたく紹介状をお持ちしました。」
門番は紹介状を確認すると……
「ハヤト様宛ではないか!しばしここで待て。」
俺はしばらく待っていた。
すると、さっきの門番がヨボヨボの爺さんを連れてこっちにきた。
「武神ハヤト・ブランバルド様だ、失礼の無いように。」
「こんにちは、アルデルシア・ヴェルクハイブと申します。これから10年間お世話になります。」
「ワシがハヤトじゃ。皆からは武神と呼ばれておる。エルニィアの倅よ、ここは甘くはないぞ?10年で免許皆伝は無謀じゃ。」
「なに貴様!10年で免許皆伝とはふざけるなよ!」
門番が吠える。
「よいよい。では早速修行の準備を手配せい。厳しさは修行をやりつつ教えればよい。」
まあヨーコの姉ちゃんから厳しさは聞いていた。
でも親父が10年で帰ってこいって言うからさぁ!
そして修行着に着替えさせられ、お寺の本殿のような場所に通される。
すると爺さんが俺を皆に紹介してくれる。
「ミラルド大陸から来たアルデルシアだ。皆の者、色々世話をしてくれ。何でも10年での免許皆伝を目指しておるらしい。皆の者もそれぐらいの気持ちが欲しいのう。」
笑い声が上がる。
爺さんなりのジョークだろう。
しかし……
「ああ!?10年で免許皆伝だと?聞けば俺様と同じ年だって言うじゃねぇか!てめぇ舐めてんのか!?しかも修行するなら頭を丸めてこい!」
同じ年?嘘だろ?コイツデカすぎだろ。俺だって5歳じゃ大きい方なのに。
すると爺さんが言う。
「ディース。そう思うのであればアルデルシアと立合ってみなさい。」
なるほど、俺を公開処刑してお帰り頂こうってんだな。
俺はディースとか言う小僧を挑発する。
「お前だって頭を丸めてねぇだろ。」
「俺様は修行僧の課程を終えて50門に挑戦するから良いんだよ!テメェが俺様に勝ったら頭でも何でも丸めてやるけどな!」
フッフッフ。後悔させてやる。
思い返すと、これが俺とディーアとの初対決だった……
「武器、功、術の使用は禁ずる。参ったと言うか気絶で勝敗を決する。始め!」
一瞬で決めてやろうと思った俺は間合いをつめ、鳩尾に拳を突き刺した。
「ハンデを……おぶぅ!」
気絶させるつもりで打ったのだが、相手はピンピンしていた。
「いてぇな!コッチが喋ってんだろ!こういうのはお約束で攻撃しちゃいけねぇんだぞ!まあ、これがハンデってやつだ。次は俺様の番だ、ウラァア!」
こいつ、馬鹿だなぁ。
でも嫌いじゃない。
俺はディースの攻撃を顔面で受ける。
「いてぇ!」
「なに!?」
なにぃ!?はコッチの台詞だわ!
パンチがいてぇ!竜王より力があるんじゃねぇか?コイツ。
「次は俺の番だ!」
頭にきたので全力でぶん殴る。
「ぶぅほ!き、効かねぇなぁ。ウラァア!」
お互い俺のターンを繰り返し一時間後
「つ、つえぇなテメェ……」
バターン!
ようやくディースが気絶した。
いつも有難う御座います。




