ヴィグスの決戦前
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僕はヴィグス!アルデルシ……
いい加減のこ下りは良いですかね?
僕ら運命の子供達は最終目標である混沌の竜を倒すべく、それぞれが修行を積んで再会する事となった。
僕は従者だから迷わずアルデルシア様についていく事にしたのだが、行く先はどうやらシンテンジという寺であり、何でもアルデルシア様とディースが幼少を過ごした場所で2人にとっては原点と呼べる場所らしい。
僕が思うにモンスターメイカー的なところであろうか?
ハッキリ言ってアルデルシア様とディースの強さは郡を抜いており、未だにこの2人を超える存在を見た事がない。
そんな2人を育てたシンテンジに僕は興味深々だ。
「うし、ディーア付き合ってくれ。ヴィグス、バラン、お前達は1から学んでこい。期間は5ヶ月間、免許皆伝まで貰ってこい。」
「えぇ!アルデルシア様でも5年掛かったんですよね?」
「ちげぇな。俺は5年掛けたんだ。」
「……分かりました!全力で頑張ります!」
だめだ、アルデルシア様と比較してはいけない!
言われた事を全力でやろう!
こうして僕とバラムディア様はシンテンジで修行するとこになった。
最初はとにかく走って足腰を鍛え基本的な構えを修得する事から始まった。
僕はアルデルシア様の特訓を受けた際に同じ事をやるように指導を受けていたので、すんなりとここは修得した。
次に待っていたのは功と言われる体内に眠る力の使い方だった。
これも精霊魔法の使い方と似ていたので修得に時間は掛からなかった。
功を扱えるようになると身体能力が格段に上がり、自分が強くなった事をハッキリと実感できた。
そして、次は様々な武術の特訓であった。
スキルのように固定された技術ではなく、様々な事態に対応出来るような技を身につける特訓だった。
アルデルシア様によく言われたスキルに頼らない戦い方はここから来ているのだなと思いつつも、僕はこの特訓で戦いの基礎を1から学んだ。
とくに僕の前世は忍者の末裔だったのでニンジュツの修得はとても勉強になった。
やはり我流には限界があった。
集団で叩き上げられた技術は目を見張るものがあり、僕はこの修行で明らかに強くなった事を実感できた。
その後の地獄50門と言う試練があったが、アルデルシア様の従者の業務に比べれば遊びみたいなものだった。
こうして僕は無事に3ヶ月で免許皆伝を頂き2ヶ月間は長所を伸ばすような修行を続けた。
そして、アルデルシア様と何年かぶりに立ち合う事になった。
ハッキリ言って今の僕ならアルデルシア様に勝ってしまうのではないか?と錯覚……いや自信があった。
なのに……
「よしお前達、全員でかかってこい。」
何とディース、バラン様も含めて3人で掛かってこいと言うのだ!
いくら何でもアルデルシア様……そりゃ無謀ですよ。
「ふっふっふアルデルシア様、良いんですね。」
僕はアルデルシア様がボコボコにされる様子を思い浮かべると自然と笑みがこぼれた。
しかし、結果は……
「ほれ。本気で撃ってこい。」
一時間後、3人はへばっていた。
防御すらしないアルデルシア様を3人で攻撃し続けるもアルデルシア様は微動だにしなかった……
しかもこっちは神器のエレメントソードで攻撃したのにだ。
「ぜぇ~ぜぇ~。アルデルシア様、さらに差が開いたきがしますぅ……ゲェ……」
結局、僕はアルデルシア様の強さの原点を確認したが、その力の差を思い知らされた。
あの天上天下唯我独尊なアルデルシア様があれほどまでに必死になる混沌の竜とは一体どれほどの強さなのであろうか?
僕は考えれば考える程に背筋がゾクゾクとしてきた……
いつもありがとうございます。




