戦慄の聖女3
エルファーナ編3でおさまりませんでした!今日中に完成させます。
5/5修正
4年半が経過し、ようやく祈りの間から出た。
眠る事も許されず、つまらないドキュメンタリー映画を強制的に見せられている感覚だった。
「マリアンヌ様が出て来られたぞ!」
「なんて神々しい……」
「まさにアラガミビト」
様々な賛辞が送られた。
すると大司教ラクガランがこちらに来て倒れ込む。
「今戻った。衣と足を用意しせい。城に戻る。」
「思いのままに。」
そして、私が生まれたお城へと帰っていく。
城に戻るとまたもや全員が平伏していた。
玉座に座り優しそうなお爺さんに指示を出した。
「ヒトの王よ、妾を戦場へ連れていけ。付近に小競り合いがあると聞いた。」
どうやら私に名前をくれたお爺さんは、この国の王であったようだ。
「ロヴァンヌ公国は強国、危険に御座います。」
「誰に口を聞いておるのじゃ?」
私が手をかざすと、王は苦しみだした。
「う……」
「有無など問うておらぬ。連れていけ。」
「わ、わかった……」
こうしてロヴァンヌ公国との戦場に向かった私はグランズ砦の防衛に参加した。
そして一時間後にはロヴァンヌ軍を全滅させた。
私の指示により、その後も追撃しロヴァンヌ公国へ攻め入った。
そしてたった1日で歴史ある強国のロヴァンヌ公国は、ミラルド大陸から消滅した。
その戦後に私は戦慄の聖女と陰で呼ばれるようになった。
そして数ヶ月後
私がこの世界にきて最大の転機が訪れた……
「マリアンヌ様、10日後に娘の婚約パーティーを行う予定に御座います。我々はヴェルコニア王国へ向かいますがマリアンヌ様は如何なさいますか?」
「聞いたことも無いそんな小国なぞ呼べばよい。あわよくば戦争をふっかけるぞ。」
それを聞いていた宰相は激怒する。
「マリアンヌ様!ヴェルコニアは同盟国に御座いますぞ!」
しかし、次の瞬間には宰相の意識は無かった……
「ふん、決定事項じゃ。」
そして10日後、運命の日が訪れる。
私は遅れてパーティー会場へ向い、扉を魔法で破壊し皆を見下し言った。
「お主ら頭が高いぞ。」
「ハァ?お前誰だよ、偉そうに。」
予想もしていなかった返事が小さな少年から返ってくる。
私はお父様の頭を踏みつけ要求する。
「妾は聖女マリアンヌじゃ。下郎、頭が高いぞ。レイムリファウン王お前からも言ってやれ。」
お父様は顔面蒼白で大量の汗を流している。
「足をどけろ。てめぇの親に何してやがる。力を持っていたって一人じゃ何もできねぇガキのクセによぉ。」
神気だけで皆が平伏す私に少年は怯まずまた言い返してきた。
「ハッハッハ。」
私は高らかに笑い終えた次の瞬間、凍てつくような声で……
「……死ね。」
私は指から聖天上神魔法のレイを放った。
しかし少年は事もなげに右手でその攻撃を軽く払った。
「何!?妾のレイを弾き飛ばしたじゃと!?貴様ぁあ!何者じゃ!?」
「ヴェルクハイブ家の三男。」
「下俗なヒトの分際でぇええ!」
私の中のイグハヌは激怒した。
次の瞬間、少年は一瞬で私の後に回り込み私からイグハヌを引き剥がした。
「な、何!?妾を掴んだじゃと!?」
そうイグハヌが叫んだ時、私は全身の力が抜け倒れた……しかし、私が床に落ちる瞬間、小さな少年によって抱き抱えられる……
「大丈夫か?聖女様。」
少年は優しく語りかけてくる。
そして私は今までの所業を悔いた……
「有難う御座います。私とんでもない事を……」
「俺が一緒に説明してやるよ。」
私はこの小さな救世主をギュッと抱き締めた。
BMが10件になりました。読んで下さる皆様に感謝いたします!




